先日金沢のコンビニで買い物ついでにトイレに入った。手荒いをしようとしたが、ハンカチを持ってくるのを忘れたことに気がついた。そこで、ハンドドライヤーを使おうとするとこのような貼り紙が。「お客様各位 新型コロナウイルス感染予防の為、ハンドドライヤーを停止しております。ご了承のほどお願い申し上げます。店長」
結局このコンビニでハンドタオルを購入して再度手洗いに入った。購入するときに店員に「なぜハンドドライヤーが使えないの」と尋ねると、「ハンドドライヤーのエアーでウイルスが拡散する可能性もあるのでとめています」と明快な返事だった。なるほど、ハンドドライヤーでウイルスが飛び散る「エアロゾル感染」もありうると妙に納得した。と同時に、最近はハンカチを持たない若者が多いので、ひょっとしたらハンドタオルが売れているのではないかなどと想像をたくましくした。
それにしても、今回の新型コロナウイルス感染でさまざまなカタカナ言葉が拡散している。「クラスター」や「オーバーシュート」「ロックダウン」「テレワーク」など、これまで医学などそれぞれの専門分野で使っていた言葉がこれを機にマスメディアを通して広まり、一気に全国区になった。ただ、使うことに迷ってしまうカタカナ言葉もある。
テレワークはその事例かもしれない。「tele=離れた場所」と「work=働く」の造語とされる。本来は、会社から支給されたノートパソコンなどを使って自宅などで働く就労スタイルなのだが、「電話会議」と勘違いしている人たちもけっこういる。こうした誤解を避けるためにも、「リモートワーク」と称する方がよいのではないだろうか。
問題は政府がそのようなカタカナ言葉を安易に使ってよいのかという論点もある。河野防衛大臣は、政府が新型コロナウイルス対応で横文字の専門用語を多用していることに苦言を呈している。河野大臣は今月24日の記者会見で「日本語で言えることをわざわざカタカナで言う必要があるのか」と持論を展開し、「分かりやすく説明するのが大事だ」と厚生労働省に言い換えを求めている(25日付・朝日新聞Web版)。
「クラスター」や「オーバーシュート」「ロックダウン」などは新鮮味を感じるが、日常の言葉としてなかなか定着しない。話し言葉としては「集団感染」「感染爆発」「都市封鎖」と表現した方が使いやすいことは確かだ。
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