『常に音楽を込める』
まだ曲の演奏ができない中学生に、「ドーレード」というフレーズを吹く中にもと生徒に望んだ首席奏者
ただ楽譜をなぞる演奏にしない。
『オーケストラが一つの生き物になる』
音を奏でているのは一人ひとりの演奏家、演奏家集団が楽譜を超えてまるで一つの生き物のように
渾然一体となって演奏している瞬間にある状態。
『カリスマ』
圧倒的な音楽的説得力、大人数のオーケストラ(そして聴衆)をも巻き込み、動かす力を持つ者。
『耳が開く』
楽譜に縛られていると、演奏は硬直化する。指揮者は動いているものは、止める。止まっているものは
動かす。
「音楽は生き物」と言われる。
同じ楽譜での演奏が指揮者によって、演奏者によって、ホールによって、聴衆によって、同じ演奏はふたつとしてない。演奏を建物に見立てたり登山に例えたり、される。
生き物だから、柔軟性も要求される。
それも魅力の一つとなる。
指揮者の知恵
藤野栄介
学研新書