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交響曲第一番「 Hiroshima」

2013-04-09 10:00:32 | 雑感



いま話題の作曲家佐村河内守のものである。

NHKスペシャルで取り上げられているのをみて、俄然興味深くなり、早速取り寄せて購入し聴いてみた。

Nスペの紹介欄には次のように記されている。
「“現代のベートーベン”と呼ばれる日本人がいる。佐村河内守(サムラゴウチ マモル)、49歳。14年前に原因不明の病で両耳の聴力を失いながら、クラシック作品の中で最も困難とされる交響曲を書き上げた。現存作曲家の交響曲が演奏される事がほとんどない中、彼の「交響曲第一番“HIROSHIMA”」は、広島、東京、京都、大阪など5回も演奏されただけでなく、一昨年発売されたCDは、音楽チャートでTOP10入りを果たしJ-POPと上位を競うなど、“偉業”とも言える空前のヒットを記録した。」


重い曲である。75分に及ぶ曲の大半に打楽器が使われ、重々しい響きに満ち満ちている。原爆というのは本来こんな重大なものなのだ。福島原発の後処理もまだ不十分な今、この響きは我々に対する叱責にも聞こえる。

佐村河内氏はゲームソフト[鬼武者」の音楽などを手がけているが、殆ど聴力を失うなかでの作曲活動を続けている。幻聴に悩まされ続け、ひどくなるというので、日常は電灯の下での生活である。音は手に響いてくるかすかな振動で判断し、会話は読唇術で補う。この大作がこのような作曲家の頭のなかのイメージに依ってのみ作られたというのは驚異だ。こうした環境の中で作られた曲は、一切の余分なこと、或いは聴衆に阿るようなことは排除され、魂に直接語りかけてくるようだ。モーツアルトでさえ、聞き手を楽しませようという意図を感じるが、このシンフォニーはそれさえ感じさせない。

同番組で取り上げられた、東北大震災の被災者に向けた「レクイエム」(未発売)もぜひ聴いてみたい。