ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

アカナガイトトンボ

2018年07月11日 | 動物:昆虫-トンボ目

 夏は水に浸かって

 今回紹介するアカナガイトトンボ、出会ったのはいつかと写真のプロパティを調べると約1年前の20017年7月19日となっている。その日の日記を見るとその時私は畑にいて、びっしょり汗をかいていた。7月、真夏だ、暑かった。
 日記を見返して気付く。前月6月までは概ね週一だったのに、その月、休肝日が2回しか無い。翌8月は3回で、9月は週一に戻っている。7月、8月は暑かったのだ、畑でびっしょり汗かいて、家に帰ったらビールの1杯も飲まずにはいられなかったのだ。

 そんなことはさておきアカナガイトトンボ、図鑑の説明文を読んでいたら「挺水植物」という言葉が出てきた。私の不勉強であるが初めて目にした、あるいは、目にしたことはあってもちっとも気にしていなかったのであろう言葉、「何これ?」だった。
 広辞苑を引くと、挺水(ていすい)植物は「抽水(ちゅうすい)植物に同じ」とあり、抽水植物を引くと「浅水に生活し、根は水底に存在し、茎・葉を高く水上にのばす植物」とあり、その例として「ハス・ガマ・マコモ・・・の類」とあった。
 「ハス・ガマ」ということでイメージは掴めた。水田の稲みたいなものだ。そんな植物の多くある所にアカナガイトトンボは生息するようである。私の畑(だった)の傍には小さな沼があり、少し離れた所には湧水もあるが、挺水植物らしきものは・・・流れのある箇所から生えているものはクワズイモくらいしかない。クワズイモでもいいのかな?

 挺水植物から挺水人間を想像した。夏の暑い日、畑仕事でびっしょり汗をかいて、家に帰ってシャワーを浴びて、風呂桶に水を張って下半身を沈めてビールを飲む。なんていう想像。であるが、今はそれより気持ち良い方法がある。クーラーを点けるって方法。

 
 アカナガイトトンボ(赤長糸蜻蛉):トンボ目の昆虫
 イトトンボ科 沖縄島~与那国島、東南アジア各地に分布 方言名:センスルー
 名前の由来は資料が無く正確には不明だが、イトトンボは広辞苑に糸蜻蛉と漢字表記があり「イトトンボ亜目のトンボの総称。普通のトンボより小形で、体は細く・・・」とあり、「体は細く」からイト(糸)だと思われる。『沖縄のトンボ図鑑』に「腹部が細長く、赤みの強い」とあり、そこからアカ(赤)、ナガ(長)だと思われる。方言名のセンスルーはイトトンボの類を言う。トンボ一般はアーケージェーという。
 腹長が36ミリと確かにイトトンボの仲間では長め。『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「成熟した雄は、リュウキュウベニイトトンボよりも鮮やかな赤色であるが、全体に赤いのではなく、腹部に明確な黒条がある」と形態の特徴があった。
 同じく『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「挺水植物の多いゆるやかな流水域、湧水、きれいな川や用水路に多い」と生息場所、『沖縄のトンボ図鑑』に「成熟した雄は岸の植物に静止して縄張りをもつ」、「水中の植物に産卵する」などの生態が書かれてある。
 
 横から

 記:2018.7.10 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行


ヒメキトンボ

2018年07月06日 | 動物:昆虫-トンボ目

 旅先の出会い

 ヒメキトンボは、『沖縄のトンボ図鑑』によると南方系のトンボで八重山に1980年頃定着が見られるが沖縄島には分布しないようである。しかしながら、同書は2007年の発行、以来、地球温暖化は進んでいる。沖縄の気温も上がっている。1980年に八重山なら、それから40年近くも経った今、沖縄島にも定着している可能性は高い。
 ということで、先日(6月25日)私が勝手にそう名付けたトンボ公園へ数年ぶりに出掛けた。トンボ公園の一角に池があり、その池にはアシやガマなどの植物が生えていて、周りにはいろんな種のトンボがたくさん飛んでいた。なのでトンボ公園と命名。
 しかしその日、アシやガマは残っていたが、モンシロチョウは飛んでいたが、トンボの類は飛んでいなかった。池の水が干上がっていた。早々と引き上げる。

 そこから近くにある県総合運動公園へ移動。そこにも池がありトンボが飛んでいる。池の傍の一角に陣取って30分ほど観察したが、そこで私が確認できたトンボはハラボソトンボなど4種だけで、ヒメキトンボはいなかった。
 そこは近くに売店があり、傍を歩く人も多くいる。トンボの類には恥ずかしがり屋のトンボも多くいるだろう。ヒメキトンボは恥ずかしがり屋かもしれない。
 あるいは、ヒメキトンボが沖縄島へ定着するには、温暖化はまだまだ十分ではないのかもしれない。今のところ、ヒメキトンボは旅先でしか会えないのかもしれない。

 
 ヒメキトンボ(姫黄蜻蛉):トンボ目の昆虫
 トンボ科 八重山地方、台湾、東南アジア、他に分布 方言名:アーケージェー
 名前の由来は正確には不明だが、『沖縄のトンボ図鑑』に姫黄蜻蛉と漢字表記があり、「翅は、・・・雄では広い橙色斑があり」ことからキ(黄)、比較的小さい(腹長19ミリ内外)ことからヒメ(姫)ではないかと想像できる。
 見た目の特徴としては他に「腹部は、成熟した雄では鮮やかな赤橙色になる」とあり、翅については、「雄では広い橙色斑があり、成熟すると赤みを帯びる」であるが、「雌ではほぼ透明」とのこと。
 その他、「平地から低山地の池沼、ダムなどに生息、成虫の出現は3月中旬~11月下旬」、「成熟した雄は水辺の植物などにいて、縄張りを持つ」と同書にあった。
 中国、台湾、東南アジア、インドなどに広く分布し、国内では1980年頃から石垣島や西表島に定着しているとのことで、沖縄島には分布していないようである。上の私の写真も沖縄島では無く、2011年9月の八重山の旅の途中、石垣島で撮ったもの。

 記:2018.7.6 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行



リュウキュウカトリヤンマ

2018年07月04日 | 動物:昆虫-トンボ目

 ジャパンとリュウキュウ

 2015年6月、今まで見たことのないトンボが畑にいたので、そっと近付いて写真を撮る。大きなトンボ、おそらくヤンマトンボの仲間であろうと推測する。
 で、後日そのトンボを調べると、ヤンマトンボの仲間との推測は当っていて、「たぶんカトリヤンマ」と判明。「たぶん」と断定できなかったのは、これに似たトンボがもう1種いたから。もう1種とはリュウキュウカトリヤンマ、『沖縄昆虫野外観察図鑑』によるとカトリヤンマとリュウキュウカトリヤンマ良く似ているらしい。
 同書のカトリヤンマの頁で「リュウキュウカトリヤンマとの判別は尾毛が長い」とあったのだが、長さを比べる対象が無いので判断のしようがない。

 つい最近、2018年5月になって、宜野湾市民図書館で『沖縄のトンボ図鑑』というトンボについて詳しい図鑑を見つけた。その図鑑にはカトリヤンマとリュウキュウカトリヤンマの違いが判り易く説明されていた。違いはいくつかあった(詳細は下記)が、その中でも「リュウキュウカトリヤンマは複眼が緑褐色で、カトリヤンマは複眼が青色とのことで判別できる」とあって、それで、私の写真のものがリュウキュウカトリヤンマと判断できた。両者の学名がまた判り易い、カトリヤンマはジャパン(japonica)とつき、リュウキュウカトリヤンマはリュウキュウ(ryukyuensis)とついている。

 
 リュウキュウカトリヤンマ(琉球蚊取蜻蜒):トンボ目の昆虫
 ヤンマ科 先島諸島~奄美諸島に分布 琉球列島の固有種 方言名:ターマー
 名前の由来は資料が無く不明。ヤンマというと少年が憧れる大きなトンボで、ヤンマというと有名だと思われるが、その由来は見つけることができなかった。ヤンマの漢字表記である蜻蜒については『沖縄のトンボ図鑑』にあったが由来は不明。
 カトリについても正確には不明だが、同書に蚊取と漢字表記があった。蚊取り線香の蚊取と想像する。トンボは概ね蚊を食べるからという根拠。
 リュウキュウについては「琉球列島の固有種」だからということで間違いないと思う。方言名のターマー、他のトンボ類には方言名:アーケージェーとしているものが多いが、トンボ類の中でもヤンマ科など大きめのトンボはターマーと呼ぶとのこと。
 近縁種のカトリヤンマとの違いは「胸部の色がカトリヤンマの黄緑に比べて淡褐色で、翅の基部から前縁にかけて褐色に煙る個体が多い」、「尾部の上付き付属器がカトリヤンマより短い」、「産卵は湿地や池沼の柔らかい泥土に行う」など。そして、本種は複眼が緑褐色で、カトリヤンマは複眼が青色とのことで判別できるとのこと。
 腹長47~50ミリとヤンマらしく大きい。出現時期は4月下旬~10月。
 
 横から
 
 産卵


 カトリヤンマ(蚊取蜻蜒):トンボ目の昆虫
 ヤンマ科 日本全土~沖縄島、朝鮮、台湾、中国に分布 方言名:ターマー
 名前の由来は資料が無く正確には不明だが、カトリについてもヤンマについても上記のリュウキュウカトリヤンマに同じ。
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「雄の腹部第3節が著しくくびれる」、「リュウキュウカトリヤンマとの判別は尾毛が長い」、「産卵は・・・石の下などの湿った土に行われ、水中でない場所に産むことが多い」などとあった。
 腹長46~53ミリとヤンマらしく大きい。出現時期は6~11月。ちなみに学名、
 カトリヤンマ Gynacantha japonica
 リュウキュウカトリヤンマ Gynacantha ryukyuensis

 記:2018.7.3 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行


タイワンウチワヤンマ

2018年06月29日 | 動物:昆虫-トンボ目

 進歩するオジィ

 2011年7月20日午後から22日の夕方まで、私は美女と一緒だった。彼女Tさんは東京で植物関連、焼物関連の店を経営していて、今回は主に焼物の仕入れのための来沖であった。彼女と共通の友人である東京のI氏から「手伝ってくれないか」という依頼があって、2泊3日の沖縄滞在中、彼女の運転手を務めることにした。

 21日、彼女の要望で本部町伊豆見へ行き、彼女の仕事が済むとそこから海洋博公園へ行って、彼女はちゅら海水族館などを観光、彼女が観光している間、私は散策。その時、前回紹介したタイリクショウジョウトンボ(と後で知る)を見つけ写真を撮る。
 22日、前日は植物関連の仕事だったが、この日の彼女の仕事は焼物仕入れ。恩納村にある「やちむんの里」へ行く。彼女が窯元と商談している間、私は辺りの散策をする。その時にタイワンウチワヤンマ(と後で知る)を見つけ写真を撮った。「やちむんの里」は空間の多い緑に囲まれた場所にあり、真夏で汗をかいたが、楽しい散策だった。
 
  
 さらにそれから6年も経った今年2018年6月、つい先日の25日、県総合運動公園を散策した。公園内の池の傍に来ると、大きなトンボが見えた。留まったところにそっと近付いて、写真を撮る。それがタイワンウチワヤンマであると見当はついていた。
 前回紹介したタイリクショウジョウトンボの写真の数枚も、その時に撮ったもの。タイリクショウジョウトンボは雄雌仲良く近くにいた。もちろん、彼らがタイリクショウジョウトンボであることは、写真を撮る前に見当はついていた。私も進歩している。
 
 タイワンウチワヤンマ(台湾団扇蜻蜒):トンボ目の昆虫
 サナエトンボ科 紀伊半島以南~南西諸島、台湾などに分布 方言名:ターマー
 名前の由来、タイワンについてはおそらく南方系の種だから、ウチワについては『南の島の昆虫記』に「腹の先のほうが、団扇のようにひろがっているので」とあった。
 本種はサナエトンボ科でヤンマ科ではないのだがヤンマと付く、ヤンマは広辞苑に「ギンヤンマ・オニヤンマ・カトリヤンマなど、大形トンボの総称」とあり、「体長が8センチ近くもあり・・・ヤンマとオニヤンマの仲間と比べても決して小さくありません」ということから大きなトンボという意でついたものと思われる。ヤンマの由来は不明。
 腹長48~56ミリあり、サナエトンボの仲間では沖縄の最大種とのこと。『南の島の昆虫記』に「突き出た枝先などに水平にとまる・・・ヤンマはぶら下がるようにしかとまりません」とあって、ヤンマのように大きくてもヤンマではないと判るようだ。
 飛ぶ力が強く、遠くまで移動する。雄は縄張りを持ち、敏感で、動くものを見つけたら攻撃する。などと『沖縄昆虫野外活動図鑑』にあった。出現時期は4~11月。
 
 横から
 
 下から

 記:2018.6.28 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行


タイリクショウジョウトンボ

2018年06月27日 | 動物:昆虫-トンボ目

 大酒呑み

 私は酒が好きである。泡盛も焼酎も、ワインも日本酒も、ウイスキーもジンも、ウォッカもラムも、ブランデーも老酒も好きである。しかし、アル中でもなければ大酒飲みでも無い。休肝日週3日をほぼ守っていることからしてアル中では無い。一晩で飲む量が、ワインは1本空けるが、日本酒はせいぜい三合止まり、泡盛など強い酒の場合は二合も飲まない、などということからして、大酒飲みでも無い。
 若い頃はしかし、私はたらふく飲んだ。貧乏だったので、そういった機会はめったに無かったが、日本酒なら一升、ウイスキーならボトル1本、飲み干すのは平気だった。世の中には私のような人、あるいは、私以上に飲む人はたくさんいる。そういった大酒飲みのことを「ざる」とか「うわばみ」などと言うが、また、「しょうじょう」とも言う。
 「ざる」は道具のザル。ザルに酒を入れても漏れることから、いくら飲んでも体に溜まらないことを比喩している。「うわばみ」は蟒蛇と書き、大蛇のことを指す。大蛇は大酒飲みとされるところから「うわばみ」が酒飲みの代名詞となっている。「しょうじょう」は猩猩と書く。中国の想像上の怪獣。酒好きとされていている。
 ショウジョウトンボはしかし、大酒のみのトンボというわけでは無い。怪獣の猩猩が赤い毛をしているということから、体の赤いショウジョウトンボにその名がついた。

 以上は2005年11月に書いたもの。その頃既に、ショウジョウトンボと亜種関係のタイリクショウジョウトンボなる種があることは知っていた。2011年7月、海洋博公園で撮った写真のトンボがそれではないかと見当もついていた。そして、それから12年余も経って、畑を辞めて時間に余裕のできた今年(2018年)6月になって、タイリクショウジョウトンボとショウジョウトンボを詳しく調べる。
 で、両者は分布に違いがあり、琉球列島にいるのはタイリクショウジョウトンボであることを知る。ということで、ショウジョウトンボの頁は削除し、この頁を追加。

 ちなみに、2005年11月から13年近く経った今、休肝日は3日に1回で、1回の晩酌で飲む量はずいぶん減った。ワインならグラス2杯で十分、日本酒なら1合いかず、泡盛なら半合止まりなどとなっている。飲めなくなった。

 タイリクショウジョウトンボ(大陸猩猩蜻蛉):トンボ目の昆虫
 トンボ科 トカラ列島以南、東南アジアなどに広く分布 方言名:アーケージェー
 名前の由来は、ショウジョウについては下記のショウジョウトンボに同じ、タイリクについては、正確には資料がなく不明だが、本種の分布が東南アジア、中東、アフリカ、北米などに広く分布するから大陸とついたものと思われる。
 腹長28ミリ。出現時期は3~11月。『沖縄のトンボ図鑑』によると「成熟した雄は水際に静止してなわばりを持つ」とのこと。
 ショウジョウトンボと良く似ているが、両者は亜種関係。『沖縄昆虫野外観察図鑑』には沖縄産がどちらか未だ不明とのことであったが、『沖縄のトンボ図鑑』、及び『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』によれば、沖縄産のものはタイリクショウジョウトンボのようである。腹部背面の黒条が本種は太く、ショウジョウトンボは細いとのこと。
 ちなみに学名は、
 タイリクショウジョウトンボ Curocothemis servilia servilia
 ショウジョウトンボ Curocothemis servilia mariannae
 
 雄1
 
 雄2
 
 雌1
 
 雌2
 
 産卵行動中


 ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉):トンボ目の昆虫
 トンボ科 北海道~九州に分布 方言名:アーケージェー
 猩猩(しょうじょう)は中国の想像上の怪獣。体は猿で、顔は人。酒好き。毛の色が朱紅色をしているところから、赤いものに猩猩という名前がついたりする。有名なもので猩猩蠅、他に猩猩蝦、猩猩蟹などがあり、植物には猩猩木(ショウジョウボク、ポインセチアのこと)などがある。目の色や体色が赤かったり、花色が赤かったりする。
 ショウジョウトンボもその名の通り赤いが、赤いのは成熟した雄と文献にある。未成熟の雄や雌の体色は黄色で、ウスバキトンボと混同しやすいともある。
 腹長31ミリ。成虫の出現は倭国で4~10月で、沖縄には生息しない。沖縄にいるのはショウジョウトンボの原名亜種であるタイリクショウジョウトンボ。
 
 2006年10月北海道旭川で出会ったショウジョウトンボ

 記:2018.6.26 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
 『沖縄のトンボ図鑑』尾園暁・渡辺健一・他著、ミナミヤンマクラブ株式会社発行