埼玉の友人Kが遊びに来た時だから今年(2018年)9月下旬の連休の頃、彼と一緒に友人H女のやっているレストランへ行く。昼食がまだのHは昼食メニューを摂り、畑を辞めてから1日2食に戻した私はコーヒーを飲みながらあれこれユンタク(おしゃべり)し、女将のH女と、そのパートナーのTさんとも少し会話する。
「ケガキ頂いたの、これ、食べてみない?」と言いながら柿に似た形の、果物らしきものを見せてくれた。見た目は柿だが手に取るとザラザラしている。果実の表面に細かな毛がびっしり生えている。H女が用意したケガキを味見し、その写真を撮った。私の衰えた脳味噌の中に奇跡的に残っていた記憶、『熱帯の果実』という本が思い浮かんだ。
数日後、図書館へ行って『熱帯の果実』を見る。私の記憶は正しくて、H女の出してくれた果物は確かにケガキであった。「どうじゃ!俺の記憶」と密かに威張る。
ケガキの味については、私の感覚で言えば汁気のないリンゴのようだと感じた。
ケガキ(毛柿):果樹・庭園
カキノキ科の常緑高木 フィリピン原産 方言名:不詳
名前の由来は『熱帯の果実』に「(果実の)表面にびっしりとビロードのような毛が生えている」とあることからと思われる。形と大きさは柿によく似ている。
文献に高さの記載が無く詳細は不詳だが、私が見たものは4m程。高木とあるので原産地では10m超えるのであろう。葉は長さ25~30センチ、楕円形で厚く照りがある。果実は上下に潰れた球形で直径7~8センチ。8~9月に朱紅色に熟し、生食できる。
原産地のフィリピンでは、その材を黒檀と同様のものとして家具などに利用されているとのこと。コクタン(黒檀)は「東南アジアに分布するカキノキ科の常緑高木・・・材は緻密で堅く、高級家具の材料として珍重される」(広辞苑)のこと。沖縄ではクルチ(リュウキュウコクタン)が同じように利用されている。どれもカキノキ科。
実
記:島乃ガジ丸 2018.12.9 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
知人のKさんから「親から相続した土地がヤンバル(沖縄島北部の通称)にあって、何か植えたいのだが何がいい?」と訊かれ、果樹を調べることになった。手持ちの文献にも果樹はいくつも載っているが、詳しく調べようと宜野湾市民図書館で『熱帯の果実』という書籍を見つけ、早速借りた。家に帰って同書をパラパラ捲っていたらインドナツメという果樹が目にとまる。「これに似たようなのがあったな、確か、タイワンナツメという名前だったな」と思い出し、パソコンを開きタイワンナツメの写真を見る。似ている。で、ネットで調べる。タイワンナツメはインドナツメの別名とあった。
写真の日付を見ると、2008年4月27日となっている。2008年4月というと母の死んだ翌年で、母が死んでから約半年後のこと。その頃、私は首里石嶺のボロアパートに住んでいて、週末は、雨でなければ散歩ばかりしていた。その日も午後、家から徒歩30分ほどの末吉公園へ散歩へ出掛けている。しかし、その写真を撮ったのは末吉公園ではなく、徒歩2分もかからないすぐ近くの小学校、その校庭。公園の散歩から帰った後、石嶺図書館へ行くため小学校の裏門から正門へ抜ける途中で撮っている。
小学校の校庭の樹木には名札があって、タイワンナツメと名前は判明していたのだが、私が参考にしているどの文献にもタイワンナツメは記載がなく、名前は判っていても正体が不明のままで、長く紹介できずにいた。が、今回やっと『熱帯の果実』のお陰で正体が判明する。果樹であり、生食もでき、3月~4月に熟するということも知った。
今回紹介している果実の写真は2010年2月28日のもの、もう1~2週間もすれば黄色く熟したかもしれない。が、熟したら黄色くなるということを知らなかったし、食えるということも知らなかったので、熟した写真も撮れず、味見もしていない。
せっかく3月~4月に熟する、果実は生食できるということを知ったので、来年の3月にはその小学校を訪ねてみようと思う。でもたぶん、忘れているだろうなぁ。
インドナツメ(印度棗):果樹・庭園
クロウメモドキ科の常緑中木 インド原産 方言名:なし
名前の由来、ナツメについては『熱帯の果実』に「ナツメの名は晩春に芽をのばすため「夏芽」の意味であるという」とあった。ナツメは広辞苑にあり、棗と漢字表記され「クロウメモドキ科の落葉小高木。原産は中国とされる・・・」とのこと。本種はナツメと同科同属で、インド原産なのでインドとつく。小学校の校庭にあった本種の名札にはタイワンナツメと書かれていたが、タイワンナツメは本種の別名とのこと。
高さは10mまでなるらしいが、私が見たものは十分成熟しているであろうと思われるものであったが5mほどに留まっていた。枝を多く出し横に広がる。
果実はリンゴを小さくしたような形、長楕円形の品種もあるとのこと。3月から4月に黄色に熟す。熟した果実は水分の少ないリンゴのような食感とのこと。熟果は生食よりもピクルスやシャーベット、乾燥果実などに加工されるとのこと。
ちなみに学名は、
ナツメ Ziziphus jujuba
インドナツメ Ziziphus mauritiana
果実1:果実は3~4月に黄色に熟する。私の写真は3枚とも2月末のもの。
果実2:写真の中の果実には黄色っぽくなったのも見られる。
記:島乃ガジ丸 2018.8.19 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
よく通っている八百屋へ行くと、レジの傍に籠があり、その中にマンゴーがいくつも入っていて、値段が300円となっていた。通常の棚に並んでいるそれと同等の大きさのものに比べると半額だ。黒い斑点が所々付いていることもあり、レジの女の子に「痛んでいるから安売りなの?」と訊くと、彼女はニッコリ笑って「今が食べ頃です」と答えた。手が少し伸びたが、「いやいや、半額とはいえ贅沢品だ」と思い、手を引く。
その後、家に帰ってパソコンに溜めこんでいた植物の写真の整理をした。何者か判明はしているけどブログにはまだアップしていない植物を主に点検する。最近勉強している薬草ハーブの類が多くある、その他草本類、木本類など、ざっと数えて100種は超える。キノコ類やサボテン類も数種ずつある。果樹フォルダにも果樹が数種ある。グミ、オリーブ、タイワンナツメ、マンゴスチンなどだが、その写真を見ながらそれぞれの写真を撮った場所を思い出す。いずれもちゃんと覚えていた。「俺の脳はまだ大丈夫」と安心。
マンゴスチンは観光地の玉泉洞で撮っている。2012年6月のこと。埼玉のKと彼の同僚が1人一緒だった。その時、果実はまだ熟しておらず、園内でマンゴスチンの販売もしておらず、果物の女王と呼ばれるマンゴスチンを食べることはできなかった。
などということを思い出していたら、「いや、マンゴスチン、俺は買ったことあるぞ」と思い出し、パソコンの中の「判明写真」フォルダの子フォルダ「飲食」を開く。テーブルの上に置かれた熟したマンゴスチンがあった。写真の日付は2005年6月。
写真は確かに当時住んでいたアパートの、当時使っていたテーブルであり、その上に置かれたマンゴスチン。「勿体無い精神」を持つ私なのでこれを食べずに捨てることはないと思うが、食べたかどうか覚えていない。皮を剥いたのも覚えていない、皮を剥いた中味の姿も覚えていない。匂いも味も覚えていない。「俺の脳は大丈夫か?」と少し不安。
マンゴスチン(mangosteen):果樹
オトギリソウ科の常緑高木 マレーシア・インドネシア原産 方言名:なし
名前の由来、マンゴスチンは広辞苑にmangosteenと英文字表記があり、mangosteenはマレー語のmangustanから来ているようである。
高さは6~10m。雌雄異株で、雄株はほとんど無く、雌株だけで結実する。雌花は枝の先に1つずつ着き、花弁は淡紅色。開花期及び結実期については資料が無く不明。玉泉洞ではハウスの中で結実していたが、6月であった。
果実は直径4~8センチの球形、赤黒色に熟す。果皮を剥くと果肉は白く、中で5~7個に分かれている。果肉は生食でき、ジューシーで柔らかく、アイスクリームのような食感。甘みとかすかな酸味があり美味。風味はデリケートで収穫後3日目には品質が低下するとのこと。「沖縄での栽培は困難」とあったが、ハウス栽培されていた。
同じく熱帯果樹のドリアンが果物の王様と言われているが、マンゴスチンは果物の女王と呼ばれている。ただ、王様のドリアンは特異で強烈な匂いだが、女王のマンゴスチンは上品な甘みで芳香がある。果皮はインド更紗の染料の原料となるとのこと。
未熟果
完熟果
記:島乃ガジ丸 2018.8.12 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
ウチナーグチはダ行とラ行の区別がはっきりしない。「さあ」という意味のディッカはリッカとも発音される。日常語がウチナーグチである人に多かったと思われるが、その癖のついている人が標準語をしゃべると、「です」が「れす」になったりする。私が若い頃は、そういった人が回りに何人かいた。その人たちのことを発音ワルーと呼んだ。
喫茶店に入って、ある飲み物を注文する。発音ワルーのウェイターが、
「レスカれすか?」と聞き返す。
オジサンという歳になってからは喫茶店に行くことが滅多に無いので、今でもあるのかどうか不明だが、私が若い頃の喫茶店にはレスカという飲み物があった。レスカとはレモンスカッシュの略である。というわけで、レモンというと、私は喫茶店を思い出す。
レモンというとまた、梶井基次郎の「檸檬」を思い出す。何が言いたいのか意味解らなくて、途中で投げ出したので内容は全く覚えていない。高校生の頃、好意を持っていた一つ下の女子から「これいいよ、読んでみて」と言われて、「檸檬」の文庫本をプレゼントされた。何がいいのかさっぱり解らなかった私は、彼女の恋人になるには感性が幼稚なのだと自己反省し、そうなることをしばし諦めたのであった。というわけで、話の内容は全く覚えていないが、レモンというと梶井基次郎の「檸檬」も思い出す。
梶井基次郎
小説家。大阪市生れ。作「檸檬」「城のある町にて」など。
レモンスカッシュ
レモンの果汁に砂糖を加え、炭酸水で割った飲料。
以上、いずれも広辞苑から。
レモン(檸檬):果樹
ミカン科の常緑中木 インドヒマラヤ山麓原産 方言名:なし
レモン(lemon)は英語名で、おそらく学名のCitrus limon Burmannのlimonから。日本には明治の初め頃に伝わったとのことで、檸檬という字もできたみたいである。
多くの品種があって、高さも、果実の形も、収穫時期もいろいろある。よく見かけるレモン色のレモンで、楕円形で両端が尖っている、いわゆるレモン形をしているのは、ポルトガル原産のリスボン(Lisbon)系。ほぼ球形の品種もあり、沖縄でよく見かけるものはやや丸みのあるハワイ産のメイヤー(Mayer)系。
『沖縄園芸百科』に「大木になるのが多く」とあるが、広辞苑には高さ3mとあった。私はこれまで数本のレモンを沖縄で見ているが、それらは高さ3mほどのもの。
同じく『沖縄園芸百科』に「概ね春に開花し、秋から冬に収穫」とあり、『沖縄園芸植物大図鑑』には「年に3回開花し、年中収穫できる」とある。これも品種による違いで、イタリア産のユーレカ(Eureka)系は四季咲き性とのこと。
レモンの学名はCitrus limon Burmann f.で、属名のCitrusはよく耳にする。シトラス、柑橘系という意味だったように覚えている。温州もダイダイもスダチもユズも、ライムもオレンジもグレープフルーツもシークヮーサーもみんなシトラス。日本では瀬戸内海沿岸で栽培されているようだが、数は少ないとのこと。
花は他のシトラス属と同じ白色で、形も似たようなもの。花に香りがあり、果実にも香りがある。果汁はビタミンCを多く含む。料理やカクテルに多く用いられる。
実
記:島乃ガジ丸 2007.9.22 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
私は寝る時、真っ暗であることを望む。ビデオデッキについているデジタル時計の微かな明かりでさえ、なるべくなら暗くなって欲しいと思うくらいである。私はまた、静かであることも望む。これはしかし、周りに緑が多いという私好みの環境にいるお陰で、望みは叶えられない。夜はカエルの声、虫の声、朝は鳥の声、蝉の声が煩い。
暗闇を望むからといって、私は暗いもの、悪魔的なものを好んでいるわけでは無い。ミラーボールの明かりの中、大きな声でカラオケを歌うパーティーよりも、夜空の月を眺めながら、一人静かに酒を飲む方が好きだということである。英語のpeaceは「平和」という意味もあるが、「静か」という意味も持つ。私は静寂が好きで、平和を好む。
暗闇は私にとって恐ろしいものでは無く、静寂をもたらしてくれる温もりのようなものなのであるが、それはまた私が、霊感が弱いというお陰でもある。私は幽霊というものを見たことが無い。まあ、この先見たいとも思ってない。私に霊視は要らない。
霊視は要らないが、レイシは要る。たくさんある果物の中でもレイシは私の好きなものの上位にある。正確なことは判らないが、沖縄にはレイシに似たリュウガン(別項で紹介)の方が古くからあったと思われる。リュウガンは子供の頃に食った覚えがあるが、レイシを初めて食ったのは、まだ比較的新しくて、15年ほど前のことである。
従姉が結婚した相手の親戚の家にレイシの木があり、その収穫したものを食べさせてもらったのだ。初めは、それをリュウガンだとばかり思って、「へぇ、リュウガンってこんなに美味しいものだったっけ。」と感想を言ったら、「リュウガンじゃないわよ。レイシよ。一般にはライチって言ううけど、それがこれよ。」と教えられた。
レイシ(茘枝):添景・果樹
ムクロジ科の常緑高木 原産分布は中国 方言名:リィチ、リーチ
ライチという名でよく知られているが、和名はレイシ。漢字の茘枝からきたものと思われる。ライチはおそらく英語名のLichiから。方言名のリィチは、漢字の茘枝を中国語読みするとそのように聞こえたのであろう。ウチナーンチュは欧米人と似たような耳の感度を持っていたということになる。倭人は、やまと言葉の発音を優先させたのであろう。
『沖縄の都市緑化植物図鑑』に「唐の玄宗皇帝が楊貴妃のために取り寄せた」との記述があった。それほど大昔から、それほど美味とされた果物。ジューシーで薫り高く、甘くて、ほんの少し酸味がある。私も大好き。皮が剥きやすく、大きめの種も除去しやすい。そういう点でも、面倒臭がり屋の私向き。結実期は6月から7月。
樹姿が良いので庭木としても十分使える。ただ、強風に弱いので台風の際にはそれなりの対策を要する。根や種は薬としても利用されているらしい。
花
実
記:島乃ガジ丸 2005.8.8 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行