褒められたいオジー
先週、「ビンズイ」を紹介したが、いろいろ調べている内に、ビンズイがタヒバリの仲間であり、タヒバリはしかし、ヒバリの仲間ではないことなどを知る。
散歩して少し疲れた私は公園のベンチに腰掛けて一休みしている。公園で遊んでいる小さな子供たちが遊ぶのをやめて大きな木の上を見上げている。木の上の方の枝には大きな声で鳴いている1羽の鳥が留まっている。子供たちが私のいる所に寄ってきて、
「オジー、あの鳥は何ていう名前なの?」と訊く。
「あー、あれはね、ヒヨドリっていうんだよ。」と私は答える。なんていう爺さんに私はなりたいと思って、草や木や鳥や虫たちの名前を覚えようとしているのだが、これがなかなか難しい。プロジェクトX風に言えば「困難を極める」となる、大げさだが。
「あれは確かタヒバリだな。」
「タヒバリって、ピーチクパーチクのヒバリの仲間なの?」
「違うよ、タヒバリはヒバリの仲間ではないんだよ、ほら、あそこに顔とお腹が白い鳥が2羽いるだろ、あれはハクセキレイっていうんだ。タヒバリはあれの仲間なんだよ。」なんてオジーは得意そうに答える。「物知りだね」とオジーは褒められたい。
セグロセキレイを最初に見たのは2006年6月7日、愛媛県宇和島で。それ以前に沖縄では見たことが無い。調べると稀にしかやってこない迷鳥とのこと。それから約8年経った2014年3月6日、畑で遭遇する。滅多に見られないものに遭遇するのは嬉しい。滅多に見られないものは覚えやすい。きっと、オジーになっても覚えている、はず。
セグロセキレイ(背黒鶺鴒):スズメ目の冬鳥
セキレイ科の迷鳥 九州以北の山地渓流添いに生息 方言名:なし
名前の由来は資料が無く正確には不明。漢字表記の鶺鴒は『動物名の由来』にあり、鶺鴒は漢名で、その音読みがセキレイで、それがそのまま和名になったようである。セグロについては、『野鳥ガイドブック』に「全体が白色であるが、頭から背、尾や胸にかけて黒色」ということからセグロ(背黒)だと思われる。
体の特徴は他に、「額から続く白い眉斑がよく目立つ。くちばしと足は黒色」とあり、行動の特徴として「長い尾をよく振る」とあった。「長い尾をよく振る」はセキレイの仲間の特徴のようで、ハクセキレイやキセキレイが尾をよく振るのは何度も見ている。
全長21センチ。九州以北の山地・・・に生息とある通り、沖縄ではほとんど見られない。迷鳥として稀に渡来するとのこと。
水田や河口付近などの水辺に生息し、見られる時期は10月から3月。
宇和島の
記:2017.7.15 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行
ヒバリではない
ヒバリはとても有名なので会いたいと思う。美空ひばりではない鳥のヒバリ。歌の女王美空ひばりももちろん、言うまでもなく有名。むしろ、美空ひばりからヒバリという名の鳥がいるのを知ったくらいなのだが、ブログで鳥を紹介するようになってから会いたいと思う一番の鳥である。しかし、会いたいと思って15年経っても会えていない。
今年の春、近所の公園で見知らぬ鳥を見つけ、写真を撮り、家に帰って鳥図鑑を開く。写真のものは、図鑑の中のビンズイという名の鳥に似ていた。ビンズイの隣の頁にはセジロタヒバリ、その次のページにはタヒバリが載っている。「ん?これはかねてから会いたいと願っていたヒバリの仲間か?」と少し期待が膨らむ。
図鑑の説明文を読んですぐに期待は萎む。ビンズイはセキレイ科で、ヒバリの頁を開くと、ヒバリはヒバリ科であった。残念。見た目は、大雑把に言えば似ているんだけど。
図鑑にタヒバリと名の付く鳥は5種あり、同じ仲間なのにビンズイだけタヒバリとは全く異なる名前であるというのも面白いが、ヒバリではないというガッカリ感が強く、しばらく、ボーっとしてしまった。パソコンの見過ぎで目が疲れたという理由もあるが。
ビンズイ(便追):スズメ目の冬鳥
スズメ目セキレイ科の冬鳥 全長15.5センチ 方言名:不詳
名前の由来は資料が無く不明。漢字表記の便追は『野鳥ガイドブック』にあった。「便りを追う」から来ているのなら「恋人の鳴き声を追う」と考えられ何か切ない感じ、「便を追う」であれば、雌が便をすると雄はその後を追うというという肉体的欲求の感じ。
「大きさや形はタヒバリに似るが体の色は緑色味が強く・・・」とあり、同図鑑のタヒバリを見ると、確かに似ている。本種は「耳羽後方の白い斑紋と、下面の黒いすじは太くてはっきりしている。」とのことで、写真のものを本種と判断する。
平野、海岸の松林や広葉樹林などを好んで生息する。地上を歩いて餌をとり、木の枝にもよく止まる。県内では冬季に見られ小群の場合が多い。見られる時期は9~3月。
鳴き声、地鳴きはヅィー、さえずりにはチッチッという音が入る。本種と近い仲間は『沖縄の野鳥』に数種紹介されている。私はまだそのどれも見たことが無いが、以下にそれらの概要を紹介しておく。ちなみに、ヒバリはヒバリ科、タヒバリ類はセキレイ科。
振り向くビンズイ
タヒバリ(田雲雀):スズメ目の冬鳥
セキレイ科の冬鳥 全長16センチ 方言名:不詳
冬羽は、「上面がオリーブっぽい褐色、下面は汚れた白色を呈し、胸から腋に黒い縦紋
ビンズイやムネアカタヒバリによく似ている」とのこと。
川岸や水田などの草地に生息。鳴き声は、チー、ピィーッ、ピィー。
沖縄で見られる時期は9月から3月。
ムネアカタヒバリ(胸赤田雲雀):スズメ目の冬鳥
セキレイ科の冬鳥 全長15センチ 方言名:不詳
冬羽は、背面に緑色味があり、黒褐色の縦班がある。
県内には初冬に小群で渡来し、草地などで越冬する、飛来数は比較的多い。
水田、農耕地、牧草地などに生息。鳴き声はチィー、またはツィー
沖縄で見られる時期は9月から5月。
マミジロタヒバリ(眉白田雲雀):スズメ目の冬鳥
セキレイ科の冬鳥 全長18センチ 方言名:不詳
体の上面が黄褐色、眉斑は灰白色で、下面は黄白色、足は黄褐色。
尾が長い、後ろ指の爪が長い。
牧草地や農耕地に生息。鳴き声は、飛びながらビュン、ビュン。
圏内には定期的に飛来するが、数は少ない。沖縄で見られる時期は10月から3月。
セジロタヒバリ(背白田雲雀):スズメ目の冬鳥
セキレイ科の迷鳥 全長14センチ 方言名:不詳
冬羽はムネアカタヒバリとそっくりで、両者の識別は困難とのこと。
農耕地などの開けた場所に生息。
沖縄で見られる時期は11月から2月。沖縄への渡来記録は稀とのこと、
マキバタヒバリ(まきば雲雀):スズメ目の冬鳥
セキレイ科の迷鳥 全長14センチ 方言名:不詳
タヒバリに似ているが、肩羽の縦班がより鮮明である。
農耕地などの開けた場所に生息。鳴き声はピッ、ピッ、またはチュイッ
沖縄で見られる時期は11月から3月。全国的に渡来記録は少なく、県内でも少ない。
記:2017.7.15 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行
耳?がある
森の哲学者とか形容されるフクロウであるが、これまで私が紹介してきたフクロウ科の鳥はアオバズクと先日のリュウキュウコノハズクで、3種目の今回はリュウキュウオオコノハズクとなる。いずれも名の後尾にズクが付き、いずれもミミズクの類である。
ちなみに、フクロウとミミズクを辞書で引くと、
ふくろう(梟)はその名の種もいるが、その第2義に「フクロウ目フクロウ科の鳥の総称で、一般に耳状の羽毛をもたないものをフクロウ」(明鏡国語辞典)とあり、みみずく(木菟)は「フクロウ科の鳥のうち、頭に耳のように見える羽毛をもつものの総称」のこと。「頭に耳のように見える羽毛」について、鳥については(も)素人の私(何について玄人なんだオメェは?と自己突っ込み)だが何となくイメージはあった。
前(2018年12月31日)に紹介したリュウキュウコノハズク、その頁に載せた画像は2010年8月に「本部博物館」見学をした際に撮った剥製の写真。
使っていたパソコンが壊れ、外付けハードに残っていたデータを整理をしている時に本部博物館の、多くの写真を含む画像フォルダに気付いたのだが、それからさらに約2年後の2012年6月、東村の「山と水の生活博物館」に寄った際、そこにもヤンバルの動物たちの剥製が多く展示されていて、そこでも私はたくさんの写真も撮っていた。外付けハードの中に「山と水の生活博物館」フォルダを見つけ、多くの写真に気付いた。
リュウキュウコノハズクと、先日剥製の写真を追加したアオバズクも本部博物館で撮ったものだが、いずれも「頭に耳のように見える羽毛」は無かった。そして、今回紹介するリュウキュウオオコノハズクの剥製の写真は「山と水の生活博物館」にあったもの。
「おー、これだぜ耳って」とはっきり認識できる耳のような羽毛がついていた。
ちなみに、私は夜の森に出かける元気が無いので、生きているフクロウの類の写真は撮れそうもない。ということで、紹介する画像は今回も剥製の姿。
リュウキュウオオコノハズク(琉球大木の葉木菟):フクロウ目の留鳥
フクロウ科の留鳥 琉球列島に留鳥として分布 方言名:チクク
名前の由来は資料が無く正確には不明だが、木菟はミミズクと読み「フクロウ科の鳥のうち、頭に耳のように見える羽毛をもつものの総称」(明鏡国語辞典)とのこと。コノハズクは同辞書に木葉木菟と漢字表記され「森林にすむフクロウ科の鳥。日本では最小のミミズクで・・・」とのこと。オオコノハズクはコノハズク(全長20センチ)より大きい(25センチ程)のでオオ(大)となる。本種は琉球列島に生息するので琉球とつく。
オオコノハズクは日本全土に留鳥として分布し、上述の通りコノハズクより大きく、尾は短く、耳羽は直立して長いとのこと。体は全体に灰褐色で複雑な斑紋があり、後頭部には灰黄褐色の首輪があり、目は赤く(コノハズクは黄色)光って見えるとのこと。
沖縄に住むのはリュウキュウオオコノハズクで、オオコノハズクとは亜種関係。リュウキュウオオコノハズクはオオコノハズクに比べ少し小さく、体は赤褐色味が強く、足指に羽毛が無いのが特徴とのこと。山地の森林に住み、夜行性で樹胴に巣を作る。鳴き声はポッ、ポッ、ポッ、またはホッ、ホッ、ホッとのこと。ちなみに学名は、
オオコノハズク Otus lempili semitorques
リュウキュウオオコノハズク Otus lempili pryeri
記:2019.1.12 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
良いお年を
2018年の最終日、何か縁起の良い植物、あるいは動物を紹介しようと思って、つい最近、パソコンから見つかった写真の中にフクロウの類がいくつかあったので、その1つを紹介したい。フクロウの類が縁起の良い動物かどうかについては、森の知恵者と異名もあるフクロウは、少なくとも私には縁起が良いと感じられるので。
畑仕事を辞めてから1年ほど経つ、手放す畑の後始末、引っ越しなどを終えて、時間に余裕ができたのは今年の4月頃、それから庭掃除、物置作りなどしながら知人のH爺様に頼まれている薬草表作りを7月初め頃から延々と続けている。10月終わり頃、使っていたパソコンが壊れるという事件があって、その修復に数日トライをし、結局直せず、バックアップしていたそのデータを代わりのパソコンに入れつつデータの整理を始める。いろいろなファイルがあり、もうすっかり記憶から消えていた画像なぞも出てきた。
2010年8月、私は東京の友人Iのお供でヤンバル(山原:沖縄島北部の通称)の本部町へ出かけた。Iが用事を済ませている間、私は近くにあった本部博物館見学をする。小ぢんまりとした博物館、客はまばら、管理人は1人。「写真撮っていいですか?」と訊くと、「どうぞご自由に」との答え。ということで、バシバシ撮る。博物館の展示物にはヤンバルに住む動物もあり、動物には鳥類の剥製があり、傍には名札もある。長い間会いたいと願っていた鳥がいた。夜の森を歩かなければ会えないフクロウの類。
「やっと会えたぜ、剥製だけど。」と私は大いに喜んだ。大いに喜んだのだが、フクロウの写真を撮ったことも、写真を撮って喜んだこともすっかり忘れて8年余も過ぎてしまった。我が脳の老化をつくづく感じつつ、2018年もサヨナラ。良いお年を。
リュウキュウコノハズク(琉球木の葉木菟):フクロウ目の留鳥
フクロウ科の留鳥 琉球列島に留鳥として分布 方言名:チコホー
名前の由来は資料が無く正確には不明だが、木菟はミミズクと読み「フクロウ科の鳥のうち、頭に耳のように見える羽毛をもつものの総称」(明鏡国語辞典)とのこと。コノハズクは同辞書に木葉木菟と漢字表記され「森林にすむフクロウ科の鳥。日本では最小のミミズクで・・・」とのこと。本種は琉球列島に生息するので琉球とつく。
本種もコノハズクと同様体長は小さく、全長約20センチ。体は上面が褐色で下面は淡茶褐色、虹彩は黄色。夕方から行動する夜行性で、昆虫やヤモリ、トカゲなどの小動物を捕食する。コホォー、コホォーとよく鳴く。日本では琉球列島に留鳥として分布。
本土に生息するコノハズクとは別種とのことだが、そのコノハズクも冬期には沖縄に渡ってきて見られるとのこと。そのコノハズク、鳴き声がブックヮックヮー(仏法僧)とのこと。調べると、コノハズクは「ブッポウソウと鳴くことから「声のブッポウソウ」ともいう。」と明鏡国語辞典にあった。ブッポウソウは「げっげっ」と鳴き「姿のブッポウソウ」と呼ばれているとのこと。ちなみにブッポウソウは、沖縄では迷鳥で稀。
リュウキュウコノハズクとコノハズクは別種だが、大東島にはダイトウコノハズクが生息しており、それはリュウキュウコノハズクと亜種関係。ちなみに学名、
リュウキュウコノハズク Otus elegans
ダイトウコノハズク Otus elegans interpositus
コノハズク Otus scops
記:2018.12.31 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
撮ったぞショウビン
2015年6月21日付ガジ丸のお話『見たぞショウビン』で、初めてアカショウビンの姿を見たことを書いているが、その記事の中から少し抜粋。
声は毎日のように聞いている。去年も一昨年も声は何度も聞いている・・・しかしアカショウビン、恥ずかしがり屋なのか警戒心が強いのか・・・その姿はまったく見せてくれなかった。が、2015年5月15日、私はついにアカショウビンを見た。
その日、いつになくアカショウビンの声が大きく聞こえた。畑小屋へカメラを取りに行った。小屋の前に着いた時、声が一層大きく聞こえ、振り返った瞬間、グヮバの生垣のすぐ上を飛んで東の森方面へ消えた。畑小屋の前にいた私と彼が最接近した時の距離は約5mしかなかった。カメラを手にする暇は無く写真は撮れなかったが、全体的に赤っぽいその姿、特徴のある大きなくちばしははっきり確認できた。図鑑の写真で見たその姿に違いなかった。見たいと願っていたその姿、「見たぞ!ショウビン」という気分であった。
以上がお話『見たぞショウビン』の主旨。
アカショウビンの声は今年も4月以降、向かいの山、後方の山から幾度も聞かれた。しかしやはり、その姿を私の前に現わすことはなかった。しかし、7月26日、去年初めてアカショウビンを見た日から1年2ヶ月も過ぎた日のこと。
1年2ヶ月前と同じく、いつになくアカショウビンの声が大きく聞こえた。アカショウビンが移動する時の声を、私は何度も聞いていて知っていた。その声が聞こえ、声の方向を見た時アカショウビンが左手の森陰から飛び立ち、正面の木の枝に停まった。
その時私は畑小屋の前にいた。左手の森陰も正面の木の枝も40mは離れており、私の目の高さから10mほどは高い位置にあった。しかし私は畑小屋の前にいる。つまり、カメラがすぐ傍にある。そのカメラを手にし、取り敢えずその位置から望遠でシャッターを押す。数枚撮ったところで、アカショウビンに近付いて行った。20mほど歩いてまたもシャッターを押す。さらに近付こうとした時に、アカショウビンは消えた。
その時撮った写真の内、何とか使えそうなのが2枚。後は遠過ぎて不鮮明。しかし、声はまあまあ鮮明(蝉の声なども入っているが)な声が録音できた。消えたアカショウビンは遠くへ去ったのではなく、むしろ、私により近い所の木陰に移動した。姿は見えなかったが、その辺りにいるということがはっきり判る大きな声であった。その姿も撮ってやろうと近付いて行ったら、目の前の木陰からアカショウビンは飛び去った。それはもう目の前10m先、高さも3mほどの木陰、飛び立つ姿がはっきり見えた。そして今回は遠くへ去って行った。惜しいことをした。もっと慎重に近付けばよかったと後悔。
アカショウビン(赤翡翠):ブッポウソウ目の鳥類 →鳴き声
ブッポウソウ目カワセミ科の夏鳥 全長28センチほど 方言名:クカル
名前の由来は資料が無く正確には不明。漢字表記の赤翡翠は広辞苑にあった。翡翠でショウビンと読み「カワセミの別称」(広辞苑)で、翡翠をヒスイと読んで「カワセミの異称。雄を「翡」、雌を「翠」という」(〃)とのこと。本種はカワセミの仲間で、全身赤味を帯びることから赤と付いてアカショウビンなのだと思われる。
カワセミ(全長17センチ、背から腰の色はコバルトブルー)と色と大きさは違うが全体のフォルムはよく似ている。頭でっかちで嘴も大きい独特な形。
全身赤味を帯び、下面は黄色がかる。嘴は赤橙色、足は短くて赤色。『沖縄の野鳥』に「県内には全体的に紫色味の強い亜種リュウキュウアカショウビンが生息する」とあり、私の写真のものはそれかもしれない。同書には「基亜種との野外での識別はむずかしい」ともあり、素人の私には判別できるようなものではないようだ。
全長は28センチほど。森林や平地の林に住み、鳴き声はキョロロロローと澄み切った声。全国各地に夏鳥として渡来し、沖縄県内では4月~10月に見られる。蛙・昆虫・小魚などを食料とする。大きなキノボリトカゲも襲って食べるとのこと。
アカショウビン2
アカショウビンの剥製
リュウキュウアカショウビンの剥製
アカショウビンと見た目ほとんど一緒、「判別は難しい」と文献にもあった。
記:2016.8.7 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行