ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

地道な抵抗

2017年03月31日 | 通信-沖縄関連

 3月から介護施設のバイトをやっていて週に4日、1日5時間ばかりそれに時間を割かれている。それに加え、雨が多かったせいで畑仕事があまりできていない。畑仕事は進んでいないが、その代わりガジ丸記事書きが進み、植物動物の説明文書きが、それぞれ3~4種できている。引っ越しで忙しいなどの理由で一時期、毎週金曜日にアップする記事が「多忙のため休み」もしばしばあったガジ丸記事については、もう左団扇の余裕。
 もう1つ、私は2週間に1回図書館に通い、沖縄の動植物の図鑑を借りて上記の「植物動物の説明文書き」をしているが、本以外にDVDもたいていは1回に3本借りている。3本借りて、2週間でそれを全部観ることは稀である。映像を観ることが好物というわけではないので、よほど興味をそそるものでない限り、「暇があれば」という条件が付くので観ないで返すことも多い。それが今回は2本は早送りしたが、1本はじっくり観た。
 じっくり観た1本(残る2つに特に感想は無い)、『あの日僕らは戦場で』はとても興味深く観賞できた。NHK制作のドキュメンタリー兼アニメ。番組の内容は護郷隊という少年兵士たちの証言とその周辺の取材を映し、それを基にした戦争物語を描く。
     
 国は、国の為なら民衆を虫けら扱いする。ここで言う国とは、けして日本の国土のことではなく、国を牛耳っている支配者層の命と財産のこと。彼らは、これを守るためなら他のものなどどうでもいいと思っているようだ。このDVDを観た翌日、

 3月19日(日曜)、第一回市民シンポジウム「今、何をなすべきか」というタイトルの講演、及び討論会に参加した。講演は「辺野古埋め立て承認撤回の意義と法的展開」というタイトルで、沖縄大学客員教授の憲法学者、小林武氏が講師。
 場所は小さな喫茶店、そこにざっと数えて30人余の人が集まった。主催は、今はまだ無名の宜野湾市民フォーラム木曜会という団体。無名の団体が小さな喫茶店で開く地味な催し物に30人余の市民が集まる。関係者の友人知人ばかりかと思われたが、会が進むにつれてそうでない人もいることが判り、そうであるらしき人たちも普通の人・・・学者でも政治家でも平和運動家でもない一般の人が多いことが判った。
 講演の主題はタイトル通り。翁長県知事による「辺野古埋め立て承認撤回」が辺野古新基地建設を中止させる、あるいは延期させることに果たして効果のある戦略なのかどうかについて。それは私のような貧乏農夫でも気になっていたことであった。
 効果のある戦略なのかどうかについてはシンポジウムでも明快な答えは出なかった。効果は多少あるかもしれないが、これがまた裁判になった時、今の司法が国家権力寄りである限り裁判で勝てる可能性は低いかもしれないとのこと。国がどう出るか。
     

 私が荒れ心臓総理なら、衆参とも与党が多数を占めている今の内に特別立法を成立させる。「国土防衛特別法」とか何とかの名前で、国家防衛に関わることにおいては地方自治の意向に関わらず国が決めて良しといったもの。「現在、日本国周辺に置いて有事の発生する危険度が高まっている」という理由付けで強引に進めるかもしれない。
 シンポジウムでは「選挙に置いて沖縄県民の意思を示すことが大事」とも意見が出されたが、私は、喩え荒れ心臓が辞めたからといって状況はそう変わらないと思う。この国を牛耳っている巨大な黒幕は永田町ではなく霞が関にいるのではないかと想像する。
     

 記:2017.3.31 島乃ガジ丸


マガキガイ

2017年03月31日 | 動物:魚貝類

 茹でて美味しい

 20年ほど前までキャンプによく行っていた。高校生の頃から沖縄島のあちこちにあるビーチやキャンプ場へ行き、遠くは同級生数名で久米島まで行った。オジサンとなって後も、アウトドア得意の友人Mをリーダーに、彼が声を掛けて、20代前半から30代前半の美女たち数人も参加してのワクワクドキドキキャンプに幾度も参加した。
 Mも含めキャンプ仲間にはダイビングを趣味にしているものがいて、その中には女子の数名もいて、彼らは時折、潜って獲物を手にしてきた。私は潜らない。概ね火の当番。彼らが採ってきた物を炭火で焼いて食べるための準備をしていた。

 彼らが採ってきた物の中にあったかどうかは記憶に無いが、Mや、キャンプ仲間のベテランダイバーTから聞いて、「ティラジャー」という貝のことは知っていた。
 私がガジ丸HPやブログをアップするために毎週金曜日に通っている事務所、そこの主のT夫婦、Tさんの姉や従妹たちは10年ほど前、釣りや潮干狩りを趣味にしていて、2006年4月のある日、「バーベキューするから」と呼ばれた。彼らが採ってきた物の中にティラジャーがあった。ティラジャーは炭焼きではなく茹でられてあった。
 「ティラジャーって和語では何て言うの?」と訊くと、「コマガイじゃない?」との答えだったが、後日調べてみてもコマガイという名の貝はなかった。で、海に関しては博識のキャンプリーダーMに訊いた。「マガキガイって言うんですよ」との答え。それは正しかった。ちなみに、Mは高校の1年後輩、なので、私にタメグチはきかない。

 
 マガキガイ(籬貝)
 スイショウガイ科の巻貝 房総以南~南西諸島に分布 方言名:ティラジャー
 名前の由来は資料がなく不明。「まがき」を広辞苑で引いたら籬という漢字で「竹・柴などを粗く編んでつくった垣」とあった。「これが関係あるかも」と勘の良い(自分で言う)私は、ちょっと怠けて図書館ではなくネットで調べてみた。「表面の模様や色が(籬)に似る」とあるサイトにあった。「なるほど、さもありなん」と思ったので、その裏付けを得るために図書館、にはまたも行かず、そのまま信用して籬貝とした。
 以下の説明は概ね『沖縄海中生物図鑑』による。
 砂礫質の潮間帯に住む。殻表はなめらかで殻皮は厚い。内唇は黒色で外唇内側は紅色。蓋は三日月状。成長に応じて生息深度を変える。食用となる。
 以上の内、私自身で確認できているのは「食用となる」だけ。
 『沖縄海中生物図鑑』にもう1つ、「殻口の紅色を利用してペンダントなどに加工される」とあったが、殻口の紅色は2006年の写真(食べ終わった後)で確認できた。
 

 記:2017.4.15 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『沖縄釣魚図鑑』新垣柴太郎・吉野哲夫著、新星図書出版発行
 『水族館動物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団監修・発行
 『磯の生き物』屋比久壮実著・発行、アクアコーラル企画編集部編集
 『沖縄海中生物図鑑』財団法人海中公園センター監修、新星図書出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『サンゴ礁の生き物』奥谷喬司編著、株式会社山と渓谷社発行


土方がまだ増し

2017年03月24日 | 通信-社会・生活

 3月4日(土曜日)、友人のK子から「アルバイトしない?」と電話。彼女の妹I子が介護施設を経営していて、K子も、K子とI子の姉Hさんも、K子の娘A嬢もその施設の職員として働いている。男の職員が1人辞めたため男手が足りなくなったとのこと。
 5、6年前にもそこで3日間のバイトをしたことがある。たったの3日間で介護の仕事は大変難儀なものであると感想を持ち、大雑把な性格の私には細かい気遣いを必要とする介護の仕事は向かないと判断し、もう2度とやることはないと決めていた。しかし、「お願い」と頼まれたら簡単には断れない。「介護の作業はしなくていいから、年寄り達の送り迎えをする車の運転だけでいいから」とのことだったので、渋々応諾した。
 介護の仕事はきつい割には賃金が安いので成り手が少なく、雇ってもすぐに辞める人が多いと聞いている。職員達の仕事ぶりを見ていると、大変であることがよく解る。

 介護を要する老人は増えているのに、それに比して介護現場で働く人の数は増えていないとも聞いている。特に男の成り手が少ないようだ。それも若い男が少ない。
 その施設には責任者I子を含め、また、パートタイムの人も含め23人(調理担当の3人と送迎担当の私を除く)の相談員、看護師、及び介護担当職員がいる。23人いる中で男はたったの1人、しかも彼は週に2日出勤のパート。60代と彼も若くはない。
 職員のオバサン(差別用語ではない、その年頃の女性)の1人に訊いた。
 「若い男は正職員として居着かないの?」
 「いないねぇ、来てもすぐに辞めるねぇ」とのこと。細かい気遣いの要る仕事は男には不向きなのかもしれない。確かに、私がもしも若くて、失業していて、金を稼がなければ生きていけない状況にいて仕事を求めていても、介護よりは土方を選ぶ。土方は、肉体的には辛い作業かもしれないが精神的には楽だ。肉体的疲れは酒飲んで癒す。
     
     

 その施設の責任者であるI子は真面目である。彼女の為にもどうにかならないかと私なりに考えてみた。そして、効果があるかどうか不明だが、1つ閃いた。
 22人いる女性職員の中には若い(アラサーくらい)人も数人いる。可愛い子もいる。アラサー以上の人でも魅力的な人がいる。で、私は思った。1人若い男、若く無くても40代くらいまでの男が職員として入ってきたら、女性全員で彼をチヤホヤしたらどうだろうか。男は女性からチヤホヤされたら嬉しい、幸せを感じる。幸せを感じていたら辛い仕事でも耐えられるに違いない。チヤホヤしたら長く居着くかもしれない。
 なんていうことを、「アラサー以上の人でも魅力的な人」の内の1人であるAさんに提案すると、「意味ワカンナイ」と一笑。その一笑が、「何で女が男をチヤホヤするのよ、逆でしょう」という意味なのか、「仕事でしょ、何でチヤホヤされないとできないの」という意味なのか、私は判断に迷ったが、いずれにせよ「バッカじゃないの」、「冗談言ってるんじゃないよ」が私に対する言外の返事であるとは判断できた。

 団塊の世代の人達がやがて介護を要することになるであろう。若者の数は減って行く、介護職員が絶対的に不足する。「どうするんだろうこの国は」と、近い将来介護される側となる後期オジサンの私は思ってしまった。私は、できればピンコロでありたい。
     

 記:2017.3.24 島乃ガジ丸


ミシシッピアカミミガメ

2017年03月24日 | 動物:両性・爬虫類

 俺みたいな奴

 運転嫌いの私が今、介護施設でのご老人方の送迎というバイトをやり、朝夕の家から介護施設までの往復、昼間の介護施設から畑までの往復、ご老人方の送迎も含めて計約2時間も車を運転している。通常は家と畑の行き帰り、往復で5分ほどの運転で済んでいる。毎週金曜日はこのガジ丸HPアップするために往復30分ほど追加されるが、スーパーへ買い物等も含め、通常なら車の運転は週に2時間ほどで済んでいるはず。
 車の運転をなるべくしないようにしているのは5、6年前から。運転が嫌いなこともあるが、なるべくガソリンを使わないようにという地球に優しいという気分もある。ということで、畑を始めた頃(2012年秋)になると、畑の近くに引っ越して歩いて畑への往復ができるようアパート探しもし、去年やっと引っ越すことができた。

 去年(2016年)2月、久々に遠出をした。それ以降、片道30分以上費やす遠出はしたことはない。去年2月の遠出は読谷村、座喜味城公園を散策し、長浜ダム公園を散策した。長浜ダムではカワセミの飛ぶ姿を数回見て、それだけで満足。
 長浜ダムから海へ向かう道沿いに小さな川が流れている。川面を眺めながらその道を歩いていると、小さなカメが上流に向かってゆっくりコツコツ泳いでいた。コツコツ泳ぐ姿をしばらく眺めていたら、「そうだな、コツコツでいいよな、いつかどこかへ辿り着くよな」と、毎日コツコツ畑仕事をしている自分のことを思い出し、「俺みたいな奴だ」と思った。写真を撮って後日調べるとミシシッピアカミミガメという名のカメ。

 
 ミシシッピアカミミガメ(Mississippi赤耳亀)
 カメ目ヌマガメ科の爬虫類 原産はアメリカ合衆国南部 方言名:カーミ
 名前の由来は資料がなく正確には不明だが、ミシシッピはアメリカ合衆国南部が原産でミシシッピ川に多く棲息しているからであろう。アカミミについては『沖縄の生きものたち』に「側頭部には赤い斑紋がある」とあり、それに由来すると思われる。
 甲長最大雄24センチ、雌28センチ。仔亀は濃い緑色をしていて、縁日などでミドリガメという名前で売られているもの。ペットとして飼われたものが野生化し世界各地に広がる。国内では北海道以南~九州に分布し、沖縄では沖縄島と宮古島に分布。
 河川の流れの緩やかな所や湖沼に生息する。雑食性。
 
 宜野湾市民図書館で飼われている。


 記:2017.3.13 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『ポケット図鑑日本の爬虫両生類157』大谷勉著、株式会社文一総合出版


ストレスが病を呼ぶ

2017年03月17日 | 通信-科学・空想

 先々週土曜日(3月4日)、友人のK子から「アルバイトして欲しいんだけど?」旨の電話があった。彼女の妹が経営している介護施設が、「職員が1人辞めて手が足りなくなった」とのこと。経営者である妹のI子からも「お願い」と頼まれ、応諾する
 翌週月曜日(6日)からアルバイトの開始。仕事内容は介護施設でのご老人方の送迎運転手。いつも小さな軽車両しか運転しない私にとって8人前後のご老人達を乗せる大きな車の運転は大きなストレスになっているようで、血圧が上がり、肩凝りも復活した。私は常々「ストレスこそ病の大元」と思っているので「さもありなん」という感想。

 その介護施設になるべく早く新入りが見つかるよう願い、自分でもあれこれ調べ、
 「シルバー人材センターでも運転手を派遣してくれるみたいだよ」と介護施設の責任者であるI子に情報提供する。
 「シルバーは時給の他に支払うのがあって、高くつくのよ」
 「少々高くてもいいじゃないか、背に腹は代えられないだろう?」
 「そんなこと言わないでよ、まだ一ヶ月も働いてないじゃない」
 ということで、私のストレスの元はもうしばらく続きそうである。

 K子から「アルバイトして・・・」の電話があったその日の夜、高校の同級生で友人のK、T、Mの3人が引っ越し祝いの名目で我が家に遊びに来た。彼らはたくさんの飲み物や食い物、お土産を持参した。私が出したのは貰い物のビールや泡盛、焼酎の他、ほんの少しの畑の野菜だけ。エビタイの気分となった。エビタイ、「エビで鯛を釣る」の略。アケオメコトヨロなど何でも略する昨今、私も真似てみた。
     
 いやいや、エビタイはどうでもいいことであった。旧友たちとの語らいがとても癒しになるという話だ。私を含め4人とも大学時代は東京で暮らした。4人とも中央線沿い、中野とか高円寺とか阿佐ヶ谷とか荻窪とか吉祥寺に住まいがあって、互いの住まいを訪ね合ったり、時には宿泊もしていた。酒を飲み、大いに語り合っていた。
 そんなこともその夜の会合では話題になり、懐かしさと共に柔らかな幸せな気分を味わえた。「柔らかな幸せな気分」、それが癒しとなりストレス解消となるのであろう。
     

 一方、Kは今年1月早々大腸癌の手術をし、その後抗癌剤治療で月1の病院通いを続けている。Mと私は血圧が高め。残るTは、若い頃痩せ型だったTが今は堂々たるメタボとなっている。Tが太った訳はおそらく介護疲れ。彼の母親は健在で、体は元気なのだが認知症となって介護が必要となり、その介護をT1人で担っていた。
 ストレスがあると何かでそのストレスを解消しなければ自らの体に不具合を生じる恐れがある。頭では意識しなくとも体が何らかのストレス解消を求めるはず。Tの場合は無意識に「食べる」ことによってストレス解消を図ったのであろう。
 そういえば、私がバイトをしている介護施設には20人余の女性介護職員がいるが、その多くがふくよかな体付きをしている。彼女たちもストレス解消のために、無意識にお菓子やケーキなどに手が伸びるのであろう。「太ってもいいじゃないか、あんたたちは魅力的だよ」と私は言いたい。ストレスを溜め込むより太った方が健康には良いはず。
     

 記:2017.3.17 島乃ガジ丸