6月23日は慰霊の日であった。子供の頃、慰霊の日の正午から1分間の黙祷を戦争で亡くなった人々に捧げた。慰霊の日に黙祷を捧げるのはずっと続いていると思うが、大人になってからの私は怠けている。今回も怠けた。怠けて写真を撮っていた。
慰霊の日には糸満市摩文仁にある平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われる。沖縄戦で亡くなった全ての人を慰霊する行事である。それにも私は参加したことが無かった。であったが、従姉のK子に誘われて今年は参加すべく出かけた。
「姪のSも行くからイオン南風原で待ち合わせて車1台で行こう」となる。待ち合わせ時間は午前10時15分。イオン南風原は私の畑ナッピバルから車で10分ほどの所、朝の内、畑仕事でひと汗流し、一服して、のんびり出かけ、10時前には着く。
イオン南風原は大きなショッピングセンターで有名だが、畑からは近いが家からだと20分はかかるので、私は滅多に行かない。今年が開店10周年らしいが、店内に入ったのはこれまで2、3度しかない。約束の時間まで15分あるので、店内を歩いた。
朝から客は多くいた。月曜日なのに小中学生の姿も目立ったので一瞬不思議に思った。が、すぐに気付く。「そうだ、慰霊の日は学校も休みだった。」と。
今(2014年)から69年前の6月23日は、沖縄戦における組織的戦闘が終了した日。その日は私が子供の頃から学校は休みだった。「今でもそうなんだ、そうだよな、特別な日ということを感じて貰って、平和を愛する心を育てるべきだよな」と、店内で平和を謳歌している人々(もちろん私も含め)を眺めながら思った。
S女が遅れて、イオン南風原を出たのは10時半を過ぎていた。車を走らせてすぐに、K子が「おにぎり買ったから食べよう」と言う。10時のおやつのつもりか知らないが、「余分に食わない」をモットーとしている私はもちろん断る。2人はおにぎりを食べた後、お菓子も食べた。私も勧められたが、それももちろん断る。その後は飴玉、これは頂いた。それにしてもよく食う。食べるのが当たり前になっているのだろう。Sは小太りといった程度だが、K子は大太り、それで「痩せたい」は無いだろうと私は思う。
「慰霊の日とは関係無いでしょ!いらんこと書いて」とK子に怒られそうだが、「食べるのが当たり前で食べない私は変人、ということは無い」ということを私は言いたいのである。その日動くエネルギーは朝飯で十分採っている、おやつは余分なのだ。
ちなみに、摩文仁(遅ればせながら、マブニと読む)を出た後、S女の運転でイオン南風原とは逆の方向にあるレストランへ行った。しかも、小食の私には合わない食べ放題の店。K子の要望であった。「えー、また食うのかよー、しかもこんな遠くまで、時間の無駄、食料の無駄、胃袋も無駄働きだぜ」と私は思ったが、もちろん口にはしない。K子の奢りなので有難く頂いた。食べた量はK子の半分ほどだったが、「カメーカメー(食べなさい、食べなさい)」とK子に攻撃されて、アイスクリームまで食べてしまった。
慰霊の日の話がアイスクリームになってしまったが、69年前、飢えに苦しんでいた人々のことを想えば、飽食は慎みたいと私は思う。そうだ閃いた、6月23日は黙祷を捧げるだけでなく、皆が粗食にしたらどうだろう?霊を慰めるに良い案だと思うが。
記:2014.6.27 島乃ガジ丸