先週、ラジオから聞こえてくる気になるニュースの話を書いたが、今週もまたさらに気になるニュースがあった。「中国が防空識別圏を設定し、その範囲には尖閣諸島上空も入っている」というニュース。相互の文化交流や経済の相互依存の度合いが低かった昔なら一触即発の状況ではないかと、呑気な私でも感じた。中国はやる気満々のようだ。
「すみ!」
「ぬーが、すみ!」
「くるさりんどーひゃー」
「しなさりんどーひゃー」
などと言い合いがあって、私が若い頃(今でもそうかは、長いこと喧嘩の現場を見ていないので不明)のウチナーンチュは胸倉を掴んだり、殴り合ったりした。
「やるか!」
「何だとー、やるか!」
「殺されるぞー」(クルスは懲らしめるという意もある。ヒャーは罵りの接尾語)
「死なされるぞー」(殺されるのされるもそうだが、「俺に死なされる」という意)
和訳するとこうなるが、「死なされる」という日本語は無いかもしれない。「死なされる」と「殺される」は同意で、実際に命を奪うということはほとんど無く、懲らしめるぞといった程度のもの。いずれも「ぶん殴るぞー、いいのか!」との喧嘩一歩手前。
中国の防空識別圏の設定はそれに近い。「俺の縄張りに入ってきたら許さんぞー!」と言っており、「何言ってやがる、そこは俺の縄張りだ!」と日本が応じている。それが今の状況で、その次には喧嘩一歩手前の「入ってきたら戦うぞ、いいのか!」となる。
「沖縄選挙区選出の自民党国会議員5人が普天間基地の辺野古移設容認」というニュースもあった。「辺野古移設反対、県外移設を求める」が彼らの選挙公約だったのに、「普天間基地の固定化阻止」を理由に県民との約束を反故にしてしまった。沖縄の自民党国会議員たち、だけでなく自民党沖縄県連も「辺野古移設を容認しないと普天間基地を固定化するぞ!」という国の、やくざみたいな脅しに屈服してしまったようだ。
辺野古に建設される基地は普天間基地より大きく、滑走路だけでなく軍港も新設され、軍事的にはずっと強力な基地になる計画で ある。強力な基地を造る必要があるみたいである。諜報能力に優れたアメリカは、中国が脅威になることを知っていたに違いない。極東の基地強化が必要だと、市街地にある普天間基地の撤去を言い訳にして新たな強力基地の建設を考えたのであろう。それはでも、アメリカの意思だけとは思えない。
中国の脅威はアメリカよりも日本に大きな影響を及ぼす。アメリカの「中国は危ない」情報が日本の一部の官僚や政治家にも伝えられ、危険を感じた彼らが特定秘密保護法の制定を急ぎ、辺野古の基地建設も強引に進めようとしているに違いない。
でもさ、中国が脅威であれば基地は沖縄でなくてもいいんじゃないの?北京に近い場所に強力な基地を作った方が抑止力になるんじゃないの、と私は思う。臭いものは沖縄に置け、戦火となるのは沖縄だけにしとけ、とでも彼らは考えているのだろうか?
記:2013.11.29 島乃ガジ丸