子供の頃、漫画が好きで、アニメも好きだった。私の両親は、私が漫画を読むのも、アニメを観るのも嫌っていたので、私は欲望を十分満足させることができなかった。その心残りがあったせいか、オジサンという歳になってまでも、私は漫画を読み、アニメを観ていた。ここ10年近くは漫画からもテレビアニメからもほとんど遠ざかっているが、今でもアニメ映画は観ている。特に、宮崎アニメはほぼ欠かさず観ている。
今は、「ちびまるこ」を時々観る以外テレビアニメはほとんど観ないのだが、オジサンになってからも、ほぼ毎週欠かさず観ていたアニメがある。数年前に終了してしまったが、それは「ドラゴンボール」及び「ドラゴンボールZ」。
最近のアニメは観ていないし、昔のアニメだってその全てを観ているわけでは無いので、これは私の独断ということになるが、ベジータのシリーズまでの「ドラゴンボール」及び「ドラゴンボールZ」は日本の(ということはおそらく世界の)テレビアニメ史上、最高傑作ではないかと思っている。以降、私が熱中するアニメは、テレビには無い。
「ドラゴンボール」に出てくるシェンロン(神竜)や、その他、日本画に描かれているどの竜の目玉を見ても、私には連想しがたいのであるが、竜の眼という意味から名前のついた果物がある。リュウガン(竜眼)という果物。それはその樹木名も表す。
リュウガンの実、その大きさから言えば、竜眼よりも犬眼、あるいは猫眼とした方が適していると思う。が、そのような名前ではちょっと食べにくいのであろう。
リュウガン(竜眼):果樹・添景
ムクロジ科の常緑高木 原産分布はインド、中国、東南アジア 方言名:リンガン
樹形も果実もレイシに似るが、レイシとは別属。果実の皮を剥くと、半透明の白色でゼリー状の果肉がある。中はレイシと似ているが形が少し違う。レイシは卵形で、こちらは球形。半透明ゼリー状の球形が竜の目玉に見立てられている。中国語で竜眼、英語名はその音を聞いてLongan、または、その意味からDragon's eyeとのこと。
枝の先端に鈴生りに果実をつけるのもレイシと一緒で、レイシよりも数は多い。数は多いがレイシより一回り小さいので、1個の食べ応えが少々劣る。味はレイシに似て、ジューシーで薫り高く、甘くて、ほんの少し酸味がある。結実期は8月から9月。花は4月から5月に開く。枝先に総状花序を出し、白~薄緑の小花を多数つける。
花
記:島乃ガジ丸 2005.8.8 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
先日(9月26日)、スーパーでオーストラリア産牛肉サーロインステーキ用約150グラムを買い、家で焼いて、ワインの肴にした。ステーキや冬場のすき焼きなどを含め、牛肉を食ったのは今年、たぶん5、6回しかない。牛が大量の穀物を消費するということを知ったのと、牛肉が若い頃のように「美味い!」と思わなくなったからだ。
鶏肉や豚肉も含め、肉類の消費量が年々少なくなっている。その分、魚が増えている。これも年取ったという証拠なのであろう。そのうち魚も減っていき、いずれは穀物、イモ類、豆類と野菜だけといった食生活になるかもしれない。
オーストラリアの、コアラが好むということで有名なユーカリ。その名が付いているユーカリフトモモだが、ユーカリとは同科の別属。なので、コアラの食用になるかどうかは不明。ただ、その果実は人間の食用になる、先日、食ってみた。まあまあだった。
コアラのように近くにある葉っぱを時々食って、日がな一日木にぶら下がっていたんでは退屈するかもしれないが、甘酸っぱい果実も時には食べ、違う味の葉っぱや木の実も食べて、本を読み、音楽を聴き、唄を歌い、文章を書き、絵を描いていれば、これはもう、とても優雅な、のんびりとした生活になるに違い・・・忘れていた、酒も必要。
ユーカリフトモモ(ゆーかり蒲桃):果樹・公園
フトモモ科の常緑高木 インド、スリランカ、マレーシアに分布 方言名:なし
フトモモと同科同属(Syzygium)ということでフトモモと付く。ユーカリは、フトモモ科ユーカリ属(Eucalyptus)の総称。名前の由来について、参考にしている文献にはなかったが、フトモモの葉は細く、本種の葉はどちらかというとユーカリに似ているということで、ユーカリに似たフトモモということではないだろうか。
別名にジャンボラン、ムラサキフトモモとあるが、ジャンボランは英名、ムラサキフトモモは果実の色から。フトモモとは果実の色の違いがはっきりしているので、ユーカリフトモモよりはムラサキフトモモという名の方が解りやすい。
高さは10mほど。分枝が多く、樹冠が大きくなり過ぎて台風の被害を受けやすい。適宜枝抜きをすると良い。わりと整った形になるので民家の庭木としても使える。
アルカリ性土壌を好む。花は5月から6月に開花するが、あまり目立たない。樹姿と果実が観賞対象となる。果実は9月から10月に黒紫色に熟し、生食できる。
ちなみに、学名、
ユーカリフトモモ Syzygium cumingii (L.) Alston
フトモモ Syzygium jambos (L.) Alston
ユーカリ Eucalyptus ***
花
実
葉
記:島乃ガジ丸 2008.9.29 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
ある日、ある海岸を歩いていたら、妙な植物を発見した。浜辺へ抜ける細い道の両側に数本ずつ立っているその樹木は、高さが2mから3mくらい。何が妙かというと、その実の形が妙であり、花のつき方がさらに妙であった。
どの木にも実はいくつかついていて、そのどれ一つとして同じ形のものは無い。モコモコとしたいびつな卵型。実によって、そのモコモコ具合が異なっている。花は、その実のモコモコの出っ張った先から首を出し、花びらを広げている。白い5枚の花びらは漫画で描くようにきれいな星型で、直径1cmほどに広げている。広げる前の蕾は、モコモコの実から飛び出したツノのようにも見える。後で調べようと思って、写真を撮っておいた。
先週、パソコン注文のためにパソコン制作をしている友人を訪ねた時、その事務所のベランダに海岸で見たのと同じ植物が鉢植えとして置いてあった。
「この木、何ていう名前?調べようと思っていたんだ。」と訊くと
「ノニだよ。」と答えた。
「ノニって、あのノニか。最近ブームの、健康食品の?」
「そう、和名はヤエヤマアオキって言う。」
“ある”海岸と、場所をはっきり記さなかったのは、ノニは今ブームで、野生のノニがどんどん掘り取られて少なくなっているから場所は言わない方がいい、という彼のアドバイスがあったから。今なお、生産は需要に追いついていないらしい。
もう一年以上も前のことだったか、よく行く喫茶店で、そこに集まるオバサン連中の一人に「ノニって知ってる?売れるらしいよ。栽培してみたら。」と勧められたことがある。その時は「何だそれ。」と相手にしなかったのだが、今度会った時に、「野生のノニを見つけた。今ブームらしいね。」などと話をしたら、こう言われそうだ。「だから言ったノニ」
ヤエヤマアオキ(八重山青木):果樹
アカネ科の常緑中高木。原産は沖縄、東南アジア、オセアニア。方言名:バマアコウ
果実が空洞になっており、水に浮かぶ。海岸端に自生していて、種が波に運ばれ、別の海岸へと漂着し、環境が適していれば、そこでまた、育つ。
ノニは、ポリネシア辺りの言葉らしい。現地では、神様の贈り物と呼ばれるくらい薬として重宝されているらしいが、最近、ブームになるまで、沖縄で食用にされていたかどうかについては調査が無く不明。私の周辺のお年寄りに訊いた限りでは、ヤエヤマアオキの実は食料では無く、その樹皮や根が染料として用いられているとのこと。テレビのバラエティー番組で罰ゲームに用いられるくらいの味だ。いくら健康に良いとはいえ、私は飲みたいなどと思わない。ウチナーンチュは不味いものは食わない、というわけだ。
新鮮な果実は飲む薬としてだけではなく、シャンプーとしても使えるらしい。
花
記:島乃ガジ丸 2004.12.21 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
「すもももももももものうち」と声を出しても、多少引っかかるが、言えなくは無い。おそらく多くの人が私と同じように感じていると思う。よって、「すもももももももものうち」は子供の頃、これは早口言葉だと教えられたが、そうでは無いのであろう。ところが、これをウチナーグチ発音にすると、とたんに口が回らなくなる。スモモをウチナーグチ発音で言うとスムム、モモはムム。で、「すむむむむむむむむぬうち」と声を出してみる。4番目か5番目の「む」で早くも、私はかんでしまう。皆はどうなのだろうか。
「ムムウイアングヮー(桃売り姉さん)」という琉球民謡がある。男女掛合いの唄。
桃を売って布を買ったので、それで着物を縫い、恋人に着て貰う。
この着物をアナタにあげるから、これからはもう、他所で遊ばないでね。
これからはもう、他所では遊ばないよ。俺たち結婚しよう。
といった内容。
ところで、ここに出てくる桃はムムと発音し、一般に言う桃を指しているのでは無い。実は、沖縄にも桃はあるが、倭国で生産される水蜜桃のようなジューシーで甘い品種のものでは無い。沖縄の桃は果物としては人気が無く、スーパーに並ぶことも無い。ムムとウチナーグチ(沖縄口)で発音される果物は、実はヤマモモのことを言っている。
沖縄では、ヤマモモより美味しいモモ(ウチナーグチでキームムと言う)は無いようなのである。私もこれまでの人生で、沖縄産モモを食した経験は無い。しかしながら、モモは私の好物で、今の時期、主に山形産、岡山産などを口にする機会はすごく多い。
モモ(桃):果樹・添景
バラ科サクラ属の落葉中木 原産は中国 方言名:キームム、トームン
バラ科サクラ属のウメ、サクラ、そしてこのモモと、いずれも樹形良く、花はきれいで果実は美味しい。スタイルが良くて、美人で性格も良い(美味しいは、ここでは性格が良いに喩える。むろん、他にも喩えられる)三拍子そろった女性のようなものである。
水蜜桃という名前が私の子供の頃の記憶に、とても美味しいモモとあって、それを今回調べたら。水蜜桃はモモの一品種で、それまでのモモより一段美味いものであったが、そこからさらに品種改良され、今日ある美味しいモモが生まれたようだ。
モモもまた、多くの品種があるようだが、沖縄には少ない。沖縄に昔からある、方言でキームムと呼ばれるものは甘みが少なく酸味が多いとのことである。桃の節句に用いられる花は淡紅、あるいは白色で4月に咲く。結実期は6月から7月。
花
実
記:島乃ガジ丸 2005.8.9 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
数年前に、東南アジアの、どこの国かは覚えていないが、道路を歩く人々を離れた場所から写した町の風景写真を見た。歩く人々のその後ろには、高さ20mはありそうな大きな街路樹が並んでいた。写真の解説には、街路樹はマンゴーの木とあった。
「へぇー、ずいぶん大きくなるもんだ」が第一の印象。「優良な緑陰樹となって、熱帯の灼熱の太陽から人々を守っているんだろうな」と次に思った。
さて、できた実はどうするのだろう。道路を管理する役所の所有物となるのか。でっかい木が何本も連なっているんだ。収穫量も半端じゃなかろう。役所の財源となっているのか。それとも、できた実はみんなのもので、道行く人々が勝手に採っているのだろうか。
私の住んでいるアパートの隣の家には大きなヤマモモの木があり、それと並んで大きなマンゴーの木がある。このマンゴーの木は6月から7月にかけて実が成る。実は成るが、その家の人は収穫していないようで、実は熟したらそのままアスファルトの上に落ちて腐っていく。手の届くところにあるものさえほったらかし。不思議に思って、果樹について詳しい同僚のTに訊くと、マンゴーといっても美味しくないものもあるとのこと。現在、沖縄で栽培されているマンゴーの主流はアップルマンゴーという品種らしい。
人間にとっては美味しくなくとも、これをご馳走にしているものがいる。近所の小学校を住処にしているオオコウモリだ。夜、羽音をたてながらやってきて、マンゴーに下り立つのを2度見た。姿は見ていないが、鳴き声は何十回となく聞いている。
東南アジアの、どこやらの国の、街路樹となっているマンゴーの木は、食べても美味しくない種類のマンゴーなのだろう。収穫しても役所の財源にはならないし、採って食べる人もいないのだ。ただ、コウモリや鳥達のご馳走にはなっているに違いない。
マンゴー:果樹
ウルシ科の常緑高木。国内では奄美以南に分布する。方言名:無し
沖縄県には古く(80年以上前)から導入されていたらしいが、県の優良な農産品として注目されるようになったのは、20年くらい前からだと記憶している。
マンゴーは結実期に雨に打たれると落果するらしい。結実期はちょうど沖縄の梅雨時なので露地栽培では難しく、ハウス栽培となる。職場のマンゴーは露地植え。それでも何とか1個だけは結実し、大きくなった。1週間後あたりには収穫できるかと思って、確かめに行ったら、実が割れていて、蟻や名の判らぬ虫がたかっていた。食えそうも無かった。
種類によって異なるようだが、収穫期は主に7月、今、どこのスーパーに行っても果物の陳列棚にマンゴーが並んでいる。中元期でもあり、お中元商品の棚にも並ぶ。贈り物としても人気が高いようだ。宮古島、豊見城市などが主な生産地。
花
実
記:2004.8.10 島乃ガジ丸 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行