桜と桃を追いかけて(その5)

 花は桜。桜は染井吉野。花見と言えば、桜の花を楽しむこと。その桜はと言えば、勿論染井吉野(そめいよしの)である。というのが、平成20年、日本の常識となっている。だがしかし、染井吉野は江戸末期(明治初年とする文献もある)にお江戸は染井村(現在の豊島区)の植木屋が、当初「吉野桜」として売り出したもので、約150年の歴史。そして、その寿命は6、70年と言われている。

 三春の滝桜(福島県三春町)、山高神代桜(山梨県北杜市)、根尾谷の薄墨桜(岐阜県本巣市)が日本の三大桜と言われているようだが、大正11年に揃って国の天然記念物の指定を受けたこれら三古木はいずれも「江戸彼岸」系の樹木のようである。大島桜と江戸彼岸を掛け合わせて創作された染井吉野の寿命が長くても百年と言われる中で、江戸彼岸は優に千年、二千年を経たものが多数存在し、今もこの季節には美しい花で見る者を楽しませてくれている。
 

 今日の一枚は日本三大桜の一つ、山梨県北杜市の山高神代桜。物の本によれば幹周り10.6mで全国第4位の桜です。残念なことに樹高5m程のところから上がなくなっており、その樹勢・華麗さでは三春の滝桜(郷秋<Gauche>の地元だ!)にはとても敵いませんが、直径3mの幹は圧巻。多くの見学客の姿を避け、1500年の時を刻む(樹齢2000年が謳われていますが、実は1500年というところのようです)樹皮と初々しい今年の花とを切り撮ってみました。(山梨県北杜市武川町にて)
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