横浜の歴史的建造物探訪(その3)

 今日もまた神奈川歴史博物館(旧横浜正金銀行本店)。今日で終わりなのでお付き合い願いたい。

 既にご覧いただいたとおり、ネオ・バロック様式の旧横浜正金銀行本店であるが、その正面(馬車道側)の屋根には、銅板で葺かれた立派なドームがのっている。この建物の象徴と言っても良いドームであるが、一昨日も書いたように、実は関東大震災時の火災により消失しており、1964年(昭和39)、県立博物館の施設とするための改装工事の折に、保存された旧横浜正金銀行の竣工当時の写真などを資料として、現在のドームが作られたのだそうである。

 このドームを見ていて、第二次世界大戦時の空襲で消失したという東京駅の建設当時のドームと良く似ているのに気がついた。東京駅は旧横浜正金銀行本店を設計した妻木頼黄の先輩に当る辰野金吾が設計し1914年に完成したもの。辰野と妻木は先輩・後輩の関係でありながら、当時の日本建築界ではライバル関係でもあったとものの本に書いてあったが、その二人が10年を経ずして作った建物にのるドームが似ていると言うのも不思議なものである。当時の流行であったのかしらん。

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