横浜の歴史的建造物探訪(その2)

 昨日ご紹介した神奈川歴史博物館と、その並びにある日本興亜馬車道ビルの回りを三周程したけれど、なかなか満足な写真を撮る事が出来なかった。それは、歴史的建造物を撮るのだから、現在的かつ世俗的なものを排除して撮らねばという、脅迫観念にも似た思いがあったからかも知れない。

 カメラのレンズを下に向けると、当然、建物竣工当時にはなかった今様のクルマと今様の日本人(と外国人)がウヨウヨ走り、歩き回っている。古いものと新しいものを対比させて撮ることも出来るわけだが、郷秋<Gauche>には、地上のものが何とも猥雑に見えて、そのように撮る気にはならなかったのである。都会の地上にあるものを撮る勇気もテクニックもないのも事実ではあるが。

 それならばと、カメラのレンズを上に向けて撮っみた。これなら古いものと新しいものとを対比させ、かつすっきりと見せられるかと思ったのだが、すっきりし過ぎてつまらない。動きがないんだな。そこでわざとカメラを傾けて撮ってみた。つまらない写真を何とか「見せよう」という時によく使う手だ。案の定、そのわざとらしさだけが目に付くことになってしまったが、自戒の念を込めて、あえて晒しておくことにする。


神奈川県立歴史博物館(旧横浜商金銀行)と北側にある近代的なビル。
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