渡辺和裕さんから野呂邦暢の『戦争文学試論』という本をもらった。渡辺さんは私が戦争文学の愛読者であることをよく知っていて、昨年8月に盲腸が破裂して1ヶ月間入院したときも、見舞いとしてたくさんの戦争文学作品を持ってきてくれた。古山高麗雄の戦記物2点、伊藤桂一の『静かなノモンハン』、吉田満についての本などだった。
いずれも緊張感を持って読める作品で、渡辺さんに感謝している。野呂邦暢は芥川賞作家で、芥川賞作家の小説はほとんど読んだことがないので、野呂の作品も読んだことがなかった。『戦争文学試論』は昭和52年に『失われた兵士たち-戦争文学試論』として出版されたものを芙蓉書房出版が改題して平成13年に出した本だ。
普通の戦争文学論と大きく違っているのは、文学作品だけでなく無名の戦争体験者が自費出版で残した多くの本を取り上げているところで、昭和50年までに出版された戦争体験記500点を読破したという野呂は、太平洋戦争のあらゆる局面を記述した作品を網羅している。大変勉強になった。
ところで、戦争体験記も体験者の死亡と高齢化で終焉を迎えつつあるが、若い人で戦争体験記を研究している人がいるということで、本の風景社http://www.mybookjapan.com/の筑井信明さんから、日本女子大の野上元という人の書いた博士学位申請論文を紹介された。A4で170頁もあるその論文に現在挑戦中。近日中に紹介したい。
いずれも緊張感を持って読める作品で、渡辺さんに感謝している。野呂邦暢は芥川賞作家で、芥川賞作家の小説はほとんど読んだことがないので、野呂の作品も読んだことがなかった。『戦争文学試論』は昭和52年に『失われた兵士たち-戦争文学試論』として出版されたものを芙蓉書房出版が改題して平成13年に出した本だ。
普通の戦争文学論と大きく違っているのは、文学作品だけでなく無名の戦争体験者が自費出版で残した多くの本を取り上げているところで、昭和50年までに出版された戦争体験記500点を読破したという野呂は、太平洋戦争のあらゆる局面を記述した作品を網羅している。大変勉強になった。
ところで、戦争体験記も体験者の死亡と高齢化で終焉を迎えつつあるが、若い人で戦争体験記を研究している人がいるということで、本の風景社http://www.mybookjapan.com/の筑井信明さんから、日本女子大の野上元という人の書いた博士学位申請論文を紹介された。A4で170頁もあるその論文に現在挑戦中。近日中に紹介したい。