玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

再出発、さらば胃潰瘍

2015年02月22日 | 日記
2ヶ月近く書斎を留守にしてしまった。昨年までは柏崎を中心としたローカル紙「越後タイムス」を発行し続けていて、主にその編集後記であった「週末点描」をそのまま転載していたのであった。昨年末で「越後タイムス」を休刊とし、これからは時間が出来そうだと思っていたのに、2ヶ月近くほとんど余裕のない生活が続いた。
 さすがに新聞発行はしないでよくなったので、夜まで仕事に追われることはなくなったが、昼間は残務整理等でつぶれてしまっていた。夜になるとひたすら本を読んできた。これまで本を読んでも読後感をノートに記す習慣もなかったのだが、これからは先も長くないことだし、自分のための備忘録としても書き残していこうと思う。
 これまでの「玄文社主人の書斎」は、言ってみれば「越後タイムス」取材と編集の余録のようなものであった。だがこれからは名実ともに「玄文社主人の書斎」と呼べる内容にしていきたい。
 再出発である。
 ところで現在、新潟県を中心とする同人誌「北方文学」第71号を編集中で、3月初旬発行を予定している。私は71号に「純粋言語とは何か?――ベンヤミン「翻訳者の使命」を読む」を書いている。昨年10月から12月にかけて完成させたのだが、12月に胃潰瘍にやられてしまった。
 ベンヤミンの「翻訳者の使命」に関わる註解書や参考文献に、夜になると向き合っているうちに、胃が痛くなってきた。そのうち昼間は何ともないのに、夜書斎でベンヤミン関連の本の頁を開くと、とたんに胃がズキズキと痛むようになってきた。胃潰瘍の原因は他のことで、自分では分かっているのだが、条件反射のように本に向かうと激烈な症状が出てくる。
 幸い鼻から胃カメラをのんで小さな潰瘍であることが判明し、薬で快方に向かったが、「もうこんなきついことはやめよう」と思わざるを得なかった。
 もっと楽しい文章を書こう。好きな小説を読もう。次は大好きなチリの作家、ホセ・ドノソについて書こう。“ゴシック”をテーマにしよう。だから“ゴシック”周辺の小説を読み、そのことについて書いていくことにしよう。