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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

石破総理限界か

2025年03月15日 | 与党
 石破総理が1年生議員を中心に配った、商品券が物議を醸している。
 石破総理は「ポケットマネーでの手土産」としているが、永田町の相場は知らないものの手土産は寿司折が定番の階層の目には些かに高額に映る。
 石破総理は、法的には問題ないとしているが、衆目は「グレー」としているようである。パーティー券の還付金不記載議員に対しては、公式処分を超えた公認取り消しなどの加重処分まで科した人とは思えない行為であり、今国会で政治資金規正法が論議されているさなかの脇の甘さは政治家・総理としての器量の限界を示しているように思える。
 石破政権は、予算案や法案の成立のために野党の協力を仰がざるを得ない状況とは言え、その対価として長らく自民党が保持していた「譲れない一線」すら差し出している。野党との修正協議に追われて「石破カラー」が出せない状況と擁護する向きもあるが、「石破カラー」とは何だろうか?更には国家百年の経綸に対する理想(カラー)などはもともと持っていないのでないだろうか。
 参院議員総会で西田昌司議員が「石破総理の早期退陣」を発言したものの、周囲は冷ややかな反応であったとされている。自民党議員は、石破氏の何処に魅力を感じ、どの点を宰相に相応しいと判断して、素人目にも下三白の小物に映る石破氏を宰相として担いでいるのだろうか。定見の無い人物を「神輿に乗るのは軽い人が良い」理論で担ぎ続ければ、共倒れすることは明らかであるように思うのだが。
 最近の政党支持に関する世論調査では、国民民主とれいわ新選組が一歩抜きんでて、自・公・立・共は一桁台とするものもあるが、消去法で行けば政策立案能力と実行力は未知数ながらも国民民主やれいわ新選組に辿り着くのではないかと思っている。
 古人は「馬鹿な指揮官敵より怖い」と喝破しているが、自民党と石破総理の現状を観ると、言い得て妙に思える。石破総裁・総理を担ぎ続ける限り、自民党の衰退は避けられないように思える。かっての社会党が凋落したのは、土井たか子氏という盲いた指導者を担ぎ続けたことも一因と思っている。

戦後80年談話の行方

2025年02月19日 | 与党
 石破総理とその周辺が、戦後80年首相談話の発出に十分な色気を持っているらしいことが報じられた。
 首相の戦後談話は、戦後50年に村山首相、同60年は小泉首相が、70年は安倍首相がそれぞれに発出した。村山・小泉談話は、日韓・日中関係改善を目途として発出されたが、中韓からは朝鮮併合、慰安婦強制連行・南京虐殺等について日本政府が公式に誤りを認めたと受け取られ、却って反日思想の火に油を注ぐ結果にしかならなかったと理解している。特に村山談話に関しては、前の宮沢内閣の官房長官であった河野洋平氏の談話、所謂「河野談話」を追認するものと受け取られたので猶更であったように思える。70年談話は反省を込めながらも「児孫にまで謝罪の責任を負わせることはできない」と謝罪外交への訣別を宣言し、中韓以外からは歓迎された戦後談話の最終形と思っていた。
 石破総理の胸中は計り知れないが、過去の発言を観る限りでは心底からの自虐史観であり、土下座行脚・土下座外交も已む無しとされているようにも感じられる。識見・指導力において「月とスッポン」ほどの差がありながら、安倍氏を政敵と捉えていることに、5回の落選にも拘わらず総裁選に立候補した粘着力が加われば、何が何でも韓国風の積弊清算にも似た反安倍色を出そうとするのは避けられないように悲観している。閑話休題。
 石破総理は、早い時期の日中首脳会談で米中の橋渡しを期しているとも伝えられるが、米中双方に仲介を期待する動きも無く、特にトランプ大統領は直接対話で事態を解決するディール信奉者であれば日本の仲介申し出など何の意味も持たないように感じられる。かって、韓国の文大統領が米朝会談の橋渡しを買って舞い上がったが、結果的には米朝から梯子を外されて全くのピエロと化したことがある。
 今に至っては詮無いことながら、激動の時代に力量不足の指揮官を選んだ自民党議員諸氏の定見の無さが悔やまれる。総裁選の当初から石破氏に与していた議員はともかく、決選投票で石破氏に乗り換えた議員は何を望んだのだろうか。論功行賞か、媚中総理誕生か、ポスト石破に有利か・・・、おそらく彼の識見・力量が総理としての資質を備え、かつ日本の百年に貢献することよりも、政局重視や自己保身で石破氏に票を投じたに違いない。そんな彼等でも、今になって臍を噛み、石破おろしに走ってくれれば、未だ救われるのだが。

石破外交は?

2025年01月23日 | 与党
 石破総理誕生後の外交を観ると、何かおかしい。
 岩屋外相就任後の主要訪問先を辿れば、中国⇒韓国⇒米国となるが、中国ではEEZ内のブイ設置、日本人の不法拘束、在中日本人の安全確保、水産物の輸入禁止・空軍機の領空侵犯等喫緊の問題について中国の対応・言質を得ることなく、中国人観光客の観光ビザ要件緩和という手土産を渡したに過ぎなかった。
 内乱騒動の渦中であることから訪問自体を疑問視する声が高かった韓国訪問では、日米韓の安全保障連携強化という当事者レベルからの儀礼的な挨拶を得たに過ぎなかった。
 トランプ大統領就任式に政府代表として参加したアメリカでも日米首脳会談の時期決定には応じて貰えずに早期実現という当事者レベルの儀礼的な対応を得たに過ぎなかった。
 石破総理はと云えば、各国に先んじて東南アジア2ヵ国を歴訪してアジア地域の安定強化を説いたものの、既に中国経済に主導権を奪われている各国が時代感覚の無い空論を無条件に受け入れることも無かった。
 石破政権の掲げる「米中バランス外交」は、既に米中ロの固定3極にイスラムが挑むという様相を呈している国際情勢とは懸け離れていることは明白で、まして対中敵視政策を公言しているアメリカ(トランプ゚)とそれを受けて立つとしている中国から鵺的2枚舌外交と受け取られることは確実に思える。2枚舌外交失敗の好例としては韓国の文大統領が、結果的には両国の信頼と国際的な信用を失ったことが挙げられるように思う。やや小粒ながら鳩山由紀夫氏の外交姿勢とも通じるという見方もある。
 研究者型の石破氏にあっては、小国ながら東西冷戦下の国連で存在感を示したアルバニア像を描いているのかもしれないが、如何なものであろうか。
 岩屋外相についても不満である。岩屋外交は自民党の党是を左右する外交部会とは無縁に行われたもので、新年早々の部会では疑問符以上に怒りの発言に終始したと報じられている。さらには、異見を求められた次官経験者が「日本だけが外交カードを切る!!外務省もそこまでバカではない」と伝えられているので、自民党・外務省の意向を無視したスタンドプレーであるように思える。
 この個人技の不手際は、石破下しをすれば修復できるのだろうと思えるのが唯一の救いであるので、それを早期に実現して石破・岩屋両氏が発出を企図している「戦後80年談話」だけは何としても阻止しなければならないと考える。安倍晋三氏が「戦争を知らない世代にまで戦争の土下座を強いることへの訣別」を宣言した戦後70年談話で十分である。所謂近隣諸国も中韓を除いてその談話は好意的に受け止められている。
 ただし、中韓を除いて日本の進歩的識者も安倍氏の談話を評価していないことも触れておかなければならないように思う。

石破論法に思う

2024年12月27日 | 与党

 先日、問合せしたいことがあって区役所窓口に赴いた。

 応対は親切であったが、仕組み・手続き・理由の説明があった後に「基準に合致せず却下」を告げられた。
 以前、海自では民間と異なり「質問には結論だけを答え、重ねて理由を尋ねられた場合にのみ背景や考えを答える」と書いたことがあるが、この遣り方で窓口応対すれば「不愛想」「お上目線」「市民の窮状に寄り添っていない」と誹られ「喧嘩別れ」になるだろうことから、先人の案出した民間話法が今に引き継がれていることを漸くに実感した。
 臨時国会の総括の一つに、弱体政権が論戦を乗り切れた立役者に石破総理の「ねばねば話法」が挙げられている。
 本朝の産経新聞には、総理の「ねばねば多用」がデータを添えて報じられているので要約すると。昭和22年の第1回国会以降の議事録を検索すると、「ねば表現」は約6万回使用されているが、4%に当る2065件を石破委員/総理が使用しているらしい。立民幹部からも、「冒頭の正論部分は聞き入ってしまうが、質問には殆ど答えていない」「初めに結論を言って正論は後から言って」とのボヤキ・苛立ちも併せて報じられている。ちなみに、比較対象として挙げられている歴代総理の「ねばねば」使用回数は、田中角栄氏95件、安倍晋三氏27件、岸田文雄氏7件、小泉純一郎氏5件であるとされている。
 史実とは異なるらしいが、大東亜戦争シンガポール攻略戦の降伏会議で後に「マレーの虎」と称される猛将山下奉文大将が、降伏条件を挙げる敵将パーシバル中将に机を叩いて「イエスかノーか」と居丈高に迫ったとされる。日露戦争の旅順攻囲戦で攻撃軍の第三軍司令官・乃木希典大将と旅順要塞司令官ステッセル中将の間で行われた水師営会見では、ステッセル中将が乃木大将に子息の戦死を悼んだりアラブ産の白馬を贈るなど、落ち着いた雰囲気であったともされる。
 ここまで書いて、なるほど会話にはTPOに配慮することが必要であり、特にOccasion(場合、機会)が重要なのかと遅ればせながら合点した。

 今国会では、補正予算と実質的な効果が期待できない政治資金規正法改正の審議以外に重要案件はなかったために、相手を煙に巻く「石破話法」で論戦で乗り切れたが、来る通常国会では外交、安全保障、憲法と重要案件の対応を求められる。特に外交姿勢や安全保障に関しては、国会内や国民に対する以上に外国への影響も考慮しなければならないので、不得要領に終始して論的を煙に巻く石破話法が外国に誤って伝えられる危険性があるのではと危惧している。

 


衆院選の自民大敗-1

2024年12月11日 | 与党

 衆院選での自民大敗についての所感を忘備録として残したい。

 勝負の世界では「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と云われるが、大敗を招いた必然の理由があり、その最大の要因は、石破茂氏の総裁選出であると考える。
 海上幹部同士の居酒屋談義の席では、上司の人物評価に学歴・階級を置いて俎上の人物像を「指揮官型」「研究者型」と類型的に分類することが多い。指揮官型とは、判断力や決断力に優れ何よりも統率力があり所謂「付いて行きたい」と思う人物であり、研究者型とは知識は十分ながら熟考・逡巡して変化に即応できない人で、謂わば「上司にしたくない人」を指す場合が多い。
 思うに、石破氏は典型的な「研究者型」である。何よりも石破氏の持論である「東南アジア版NATO」・「日米地位協定の改定」・「北朝鮮連絡室の開設」は研究テーマとしては有り得るものの、国際情勢の現実から乖離した空論に過ぎないし、極論するならば3要件共に中国を利するものに他ならない。
 「東南アジア版NATO」は、兵員数と携行兵器(弓矢)の多寡が帰趨を制した春秋戦国時代には有効であった「遠交近攻」による中国牽制の現代版と云えるが、現代の集団安全保障は核を中心に構築されており、核はおろか海外出兵・殺傷兵器の供給すら覚束ない日本が提唱する集団安全保障の枠組みに参加する国はないであろう。また1954~1977年に存在した反共軍事同盟である東南アジア条約機構(SEATO)の焼き直しともされるが、イデオロギーよりも経済的要因が重視される現在にあっては、古色を帯び過ぎて各国は二の足を踏むものであるように思う。更には、加盟国でない中国がASEANを意のままにしている現実、東南アジア各国の政権中枢で「米中が破局的に対立した場合は中国を支持する」という国が過半数以上と指摘する米シンクタンクの研究、等を分析すれば研究テーマに過ぎないことが理解できるだろう。
 研究者型の怖いところは、自論こそ正しいと狂信的な自己陶酔に陥ることにあると思う。石破氏とその自論が研究室に留まるならば許せるが、権力と結びついた時には極めて危険で日本を危殆の縁に導く危険性すらある。施政方針演説で3要件共に触れ無いにも拘らず、「東南アジア版NATO」と「北朝鮮連絡室の開設」については関係閣僚に準備を指示したと報じらる等、有害・危険な指導者になりつつあるように思える。

 総裁選においては、党員党友票、第一回議員投票共に石破氏を凌駕した高市氏を置いて、決選投票で石破氏が当選を果たしたが、国会議員諸氏は何故石破氏を選択したのだろうか。
 思うに、志操堅固で政策立案能力に秀でた高市氏に比べれば石破氏の方が「与し易し」と判断したものであろうと推測する。慧眼の安倍氏が過去において石破氏を主要閣僚に任命しなかったのは、石破氏が研究者型にしか過ぎなく、国家の経綸に参画するに相応しくないと見切っていたのではないだろうか。しかしながら、安倍氏と云う重石の取れた議員諸氏は国家よりも、小物で「与し易し」「神輿は軽い方がよい」という安易な選択に奔ったように思えてならない。
 明日は、衆院選の戦術についての考察を残したい。