もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

韓国KBSの現状を知る

2023年07月18日 | 韓国

 韓国の尹錫悦政権が、韓国公営放送KBSの受信料徴収制度を変更したことを知った。

 KBSの受信料(月額270円)は電気料金に含めて徴収されているために徴収率も99%であるらしいが、今回の変更では受信料と電気料金を分離するとされている。新しいKBS受信料の契約・支払い方法などの詳細は報じられていないが、受信料収入が70%減少するとも観られていることを考えれば、電気料金請求書への受信料分離記載などではなく、NHK方式にも似た個別契約・個別徴収に移行するのではないだろうかと思っている。
 KBSについてはこれまで、政権が変わるたびに経営陣の入れ替わりが繰り返されて政権の御用放送と化してしまうため、不利益を被る野党は受信料(KBS)改革を叫ぶものの一転して与党に返り咲けば従来制度を擁護する以上に受信料の値上げなどで懐柔することが常態化していたらしい。
 尹錫悦大統領は、この悪弊を断ち切るとともに文政権下で左傾化した(し過ぎた)経営陣と社風を一新するためにKBSの解体にも等しい政策を断行したものであろうか。
 NHKが制作・放映した「緑なき島」は、軍艦島(端島)炭鉱における戦時中における坑内労働者の過酷な労働環境を取り上げたものであるが、実際の撮影は昭和30年代に別の炭鉱で行われるとともに端島炭鉱の環境とは懸け離れた「捏造・フェイク映像」であることが明らかとなっている。その「緑なき島」は現在でも徴用工問題の論拠・反日の根拠と位置付けられているが、発端はNHKがKBSに映像・放映権を売却したことであるとされていることを考えれば、NHKが行なった「緑なき島」の制作と韓国KBSへの売却には、商行為とは程遠い「何か」が介在していると思っている。
 NHKの「緑なき島」の取り扱いについては、吉田清治氏の慰安婦強制連行虚言を拡大流布して国連のクマラスワミ報告書にまで肥大化させた朝日新聞と同等の社会的責任を問われるものであるが、未だにNHKは真相究明に難色を示している。

 KBSは、「受信料徴収方式の変更は憲法が保障する放送の自由を侵害する」として変更の無効を憲法裁判所に提訴したと報じられているので、決着には更なる紆余曲折も予想される。
 しかしながら、同社の右派系労働組合が先の大統領選挙では4か月間に1100件の左傾報道があったと告発していることを思えば、KBSの主張する「放送の自由」は「虚偽・偏向放送の自由」と読み替えるものであるのかも知れない。


韓国の核戦略事情

2023年05月01日 | 韓国

 米韓首脳会談後に発表された「ワシントン宣言」での米韓の核戦略が注目される。

 同宣言では「北朝鮮の韓国への核攻撃にはアメリカの核を含む戦力を総動員して即時、圧倒的かつ決定的な対応を取るとともに、核兵器をめぐる情報共有の枠組みを新たに設置して北朝鮮の拡大抑止を強化していく」として、現行「米核の傘」の維持・強化を謳っている。
 しかしながら、その解釈については米韓で相当の開きがあるようで、韓国は「アメリカとの核兵器共有」まで現実味を帯びたとしていることに対して、アメリカは大統領を含む政・軍のトップが韓国との核兵器共有を完全否定するという反応を見せている。
 韓国には核武装論が根強く、国民の70%近くが核兵器の保有を支持しているとされる。アメリカは一貫して韓国の核保有に反対しているが、冷戦終結に伴う緊張緩和に応じて韓国に配備していた戦術核を撤去したことがアメリカの核の傘の即応力不信に繋がって韓国国民の核保有論の勃興・助長に繋がったとされている。
 この辺の事情を知っているアメリカは、今回の米韓首脳会談で「核の傘の即応性と強化を保障」し、メッセージの一環として「1980年代以降途絶えていた戦略原潜の韓国寄港」を示して韓国の核保有世論の沈静化を願っているものの、両国の核戦略の温度差は早急には縮まらないように思える。

 素人考えであるが、核共有に対してアメリカは、韓国の政情と世情に一抹の不安を抱えているのではないだろうかと思っている。
 韓国には、金正恩氏の広報官と揶揄された文政権を上回る親北政権が誕生する可能性があり、国連決議に反する燃料や戦略物資の横流しを黙認し、軍人の北スパイ摘発が日常茶飯の国情を考えれば、核技術の漏洩、核兵器管理への妨害行為はもとより、対北の核兵器が日米に向けられる危険性すら内包していることを考えれば、韓国内に共有のための核兵器を貯蔵することに躊躇せざるを得ないのではないだろうか。

 日米韓の関係について両首脳は「3か国間の協力関係の重要性を強調した」とした上でバイデン大統領は「日韓関係改善に向けた尹大統領の大胆な決断を歓迎し、政治的な勇気のある日本との外交強化は日米韓3か国の関係強化に大きな役割を果たしている」と外交辞令以上の賛辞を送っている。
 アメリカの識者は、韓国の核武装は日本の核武装に繋がるとする意見が多いとされているが、朝鮮半島の核兵器が全て日本に向けられた事態にあっても、全世界が日本国憲法前文を信じてくれるとする日本国民が覚醒することはないであろうか。


日韓関係の半歩前進

2023年03月07日 | 韓国

 韓国経済団体が元徴用工に肩代わり弁済するという徴用工問題の解決策を韓国政府が提示したことで、日韓関係の正常化は半歩前進したかのように思われる。

 この前進のために日本が譲歩したのは、韓国のホワイト国再指定と、求償権の放棄請求凍結であるとされるが、嫌いな言葉で言えば「落としどころ」としては、まァまァとすべきであろうと思うものの、政権交代の度にゴールポストを動かし続けた過去を思えば、徴用工問題の完全解決、日韓関係の好転・修復とは呼べないと観ている。
 日韓併合はともかく、戦後における日韓関係悪化原因の一つが「李承晩ライン(李ライン)」の設定であるように思うので、Wikipediaで勉強した。
《李承晩ラインは、1952(昭和27)年1月18日に韓国初代大統領・李承晩が大統領令「隣接海洋に対する主権宣言」を公表して設定した海洋境界線である。
戦前の朝鮮総督府時代、朝鮮の漁業保護のために朝鮮半島の周囲に機船トロール禁止区域線及び機船底曳漁業禁止区域線が設けられて日本本土からの漁船の侵入を防止する漁業規制が講じられていた。
大東亜戦争終結後の1945(昭和20)年9月27日に、GHQが日本漁業の操業区域として所謂「マッカーサー・ライン」を設定していたが、サンフランシスコ平和条約発効によって廃止されることが確実となったために韓国がマッカーサーラインを李ラインとしたものであり、日本はもとよりアメリカも李ラインを認めることはできないと通告したものの、韓国政府はこれを無視・強行したものである。李ラインは、日韓基本条約が締結された際の日韓漁業協定成立(1965(昭和40)年)で廃止されたが、李ラインが存在した13年間で韓国に拿捕された日本漁船は233隻、抑留された漁船乗組員は2791人(死者は5人)を数えた。》
 李ラインが現在にまで影響を残しているのに竹島問題がある。
 マッカサー・ラインでは、米軍の空爆演習区域だった竹島が含まれていたために、李ラインによって竹島も囲い込まれてしまった。その後、1953年7月に竹島で漁業を行っていた韓国漁民に退去を要求した海上保安庁巡視船が漁民援護中の韓国官憲から発砲される事件が発生し、1954年6月には韓国が沿岸警備隊を竹島に常駐させて現在に至っている。現在、竹島の帰属に関して韓国は、歴史的にも韓国領であると発信し続けているが、マッカーサー・ライン⇒李ラインが無ければ韓国が竹島を韓国領と主張することは無かったではないかと思っている。

 ともあれ、文政権下の反日助長を目途とした無策放置で暗礁に乗り上げ悪化していた日韓関係が、尹錫悦政権で動き出したことは評価すべきと思うし、今回の発表を日本はもとより、韓国内においても評価する意見も少なくないとされている。
 しかしながら、レーダ照射事件・慰安婦像問題・GSOMIA問題・日米韓の軍事同調・・・等々、日韓の亀裂は多く・深いので、関係修復には多くの曲折が予想される。
 韓国が今回設定・設置したゴール・ポストが、次期政権によって動かされないことを祈るのみである。


韓国の核戦略を考える

2023年02月05日 | 韓国

 尹錫悦大統領の「独自の核武装」論を勉強した。

 在韓米軍の戦術核は1991年に当時の盧泰愚大統領によって撤去された。おぼろげな記憶では、盧泰愚大統領は通常兵器のみで朝鮮戦争の休戦状態が恒久的に維持できるとして半島の非核化に踏み切ったと理解している。当時の北朝鮮は南進の能力を失っており韓国でも朝鮮戦争の記憶・恐怖も風化し「韓国版”もはや戦後ではない”」であったのだろう。
 以後、北朝鮮の核物質濃縮が報じられた時、6者協議が破綻した時、核実験が強行された時、長距離ミサイル発射に成功した時など、新しい脅威が顕在化するたびに在韓米軍の戦術核再配備論は浮上しては米国が拒否・否定することを繰り返してきた。
 尹錫悦大統領も就任当初は「アメリカの核の傘」で良しとしていたものと思えるが、「核の共有」に発展して今では「自前の核兵器保有」を言及するようになった。
 韓国の世論調査でも、核兵器の共有・保有に関しては70%以上が賛成し、尹大統領も数ヵ月で核兵器生産が可能な技術水準にあるとしていることから、自前の核開発に対する国内のハードルは極めて低いように思われる。韓国も核兵器不拡散条約(NPT)を批准しているので国際的なハードルは高いが、国内世論の後押しと北朝鮮の核兵器膨張を考えれば、独自の核武装までは踏み込まないものの韓国がアジア唯一の米国との核共有国となる可能性は高いように思える。尹大統領にはウクライナの悲劇はブタベスト宣言によって核を放棄した結果との認識が高いともされているので、核兵器の共有若しくは生産の希求度は猶更であろうと推測している。
 不確かな情報であるが日本の技術界でも「核兵器製造は4か月以内に可能」としていることや、抽出と圧縮に時間と手間がかかるとされているものの原発の核廃棄物を日本並みに保有していることを思えば、韓国の「独自の核武装」もブラフと一蹴できないようにも思える。

 今や非核3原則が非核5原則にまで肥大化した日本では、本来自由であるべき政治家でさえ核共有を口にすることは政治生命を失いかねない。ましてや核開発など金輪際口にできないように思えるが、100㌔にも満たない対馬西水道を挟んだ隣国が核兵器の運用・保有を真剣に模索している状況は、心に留めて欲しいものである。
 自論の繰り返しになるが、「世界最初にして唯一の被爆国であるからこそ、2度目の被爆国にならない策」を考えるべきであると思う。


韓国の新聞事情を知る

2023年01月27日 | 韓国

 韓国の新聞スキャンダルを知った。

 報道では、ソウル近郊の都市開発を巡る不正取引の首魁が、数十人の新聞記者に最大で9500万円にも及ぶ袖の下を贈って「報道の口封じ」を測ったものとされる。
 ハンギョレ新聞は9500万円を受け取った編集局副局長を解雇するとともに、社代表と編集局長の引責辞任を発表したと報じられているが、その他の新聞社でも大同小異の処分が為されていると思える。
 汚染を報じられた新聞社は、ハンギョレ新聞(左派)のほか、中央日報(保守)、朝鮮日報(保守)、韓国日報(中道)が挙げられているので、報道姿勢の左右に関係なく、ほぼ軒並みであるように思われる。
 韓国全国紙の発行部数として纏まった資料は見つけられなかったが、2016年時点の発行部数は、①朝鮮日報:151万部、②中央日報:98万部、③東亜日報:95万部との記事があり、別の記事ではハンギョレ新聞:20万部とされていた。
 新聞スキャンダルの背景には、先の大統領選で文在寅氏の後継を目指して敗北した「共に民主党」の李在明代表が大きく関わっているらしい。李在明代表は市長時代の背任疑惑・前述の首魁からの収賄容疑に加え、大統領選の資金疑惑が捜査対象とされているとされており、事情聴取も目前であるとされている。李在明代表は大統領選敗北後の国政選挙で議席を得た際にも不逮捕特権を得るためと揶揄されていたが、ここまで事態が進むと氏が韓国の「(国会議員の)金バッジには100の特権」を得ることを目指したというのは的を射ていたのかもしれない。

 ハンギョレ新聞は、軍事政権とメディアの癒着を正すとして1988年に創刊以降、文政権を始めとする親北勢力の牙城であったことは知られているが、今回のスキャンダルを「志操・矜持を悪銭で売り渡したもの」と観るならば、特定勢力との癒着以上に深刻な事態ではないだろうか。
 ハンギョレは「最も大切に守ってきた信頼が一瞬に崩れた」との謝罪文を掲載したとされているが、朝日新聞の女子挺身隊に関する誤報検証・報道姿勢改革・謝罪にも拘わらず、朝日新聞の偏向が是正されなかった経緯を思えば、ハンギョレでも同様の経過を辿るのだろうか。