火星で活動中の探査車「パーシビアランス」の酸素生成実験成功に触発されて、NHKBSの番組を見た。
番組は地球の酸素を作り出したのは海中に住むシアノバクテリアの光合成に依るとの従来の説をなぞるもので、特に目新しい新事実は無かったが、科学音痴の自分としては新たな疑問に直面した。
それは「酸素大発生以前にも地球上には海があった」と云うことである。地球上の水の総重量は約140京㌧で、そのうちの97 %が海水であるらしいが、水の起源について調べて見ると、水は彗星や他の天体によってもたらされたと云うのが定説であるらしい。然らばと思って氷を大量に持っているであろう彗星について調べて見ると、直径1キロ程度の彗星で数十億㌧、10キロ程度の彗星で数兆㌧となっていた。彗星の核まで氷、1個の彗星5兆㌧と仮定すれば、地球上の水140京㌧には彗星2,800個もの衝突が必要となる。さらにはハーレー型彗星の持つ氷は地球の水とは異なるともされているために、地球型の氷(水)には更に多くの彗星衝突が必要となる。宇宙何十億年の歴史であっても、そうそう都合のいい彗星・小天体が地球だけに降り注ぐということがあるのだろうか。
また太陽系で隣接する金星・火星の大気は95%以上が二酸化炭素であるのに、中間の地球だけは窒素75%の大気を持っていることも不思議である。
邪馬台国の不可思議には専門家のみならず素人でも勝手な解釈を許されているので、不可思議な地球誕生にも素人の夢想を一つ。
①太古地球は水・金星と同様に二酸化炭素を主成分とする大気に覆われていたが、相次ぐ小天体との衝突で炭酸ガスの多くが炭素と酸素に分解して地球は酸素の星になった。
②酸素の一部は紫外線でオゾンに変質しオゾン層を形成したが多くは大気中に留まるか地表の鉄と結びついて酸化鉄を形成した。
③その後、水素ガス天体が地球に衝突して大量の水素を放出したがオゾン層に守られて水素ガスが太陽風に弾き飛ばされることは無かった。
④地殻変動等のエネルギーを受けて水素と酸素は化合して大量の水を形成したため、大気中の酸素・水素濃度は減少し、それまでは微小の存在であった窒素が大気の主成分となった。
⑤以上の経過によって、酸素と炭素と水は地球型生命体を誕生させることとなった。
中学校理科の段階で止まっている身の夢想。おしまい。