もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

第5大量絶滅

2023年04月30日 | 科学

 恐竜絶滅の原因の定説が揺らいでいるらしい。

 恐竜が絶滅したのは、約6600万年前にユカタン半島付近に直径約10~15㎞の小惑星が衝突したとする説(隕石説)が定説化していた。この衝突による熱波・衝撃波・津波によって多くの動植物が死に絶え、更に、衝突に誘発された火山活動も加わり巻き上げられた塵埃が10年間に亘って成層圏を漂い太陽光を遮断(隕石の冬)して地球全体が寒冷化し植物が枯死したためとされていた。
 しかしながら、近年のコンピュータシミュレーションによって、塵埃による太陽光の遮断(隕石の冬)は数ヵ月で終息し寒冷化にまでは至らなかったとする以上に、衝突の数年後に地球はより温暖化したとする見方が有力となりつつあるらしい。
 また、ユカタン半島への小惑星衝突とほぼ同時期に、アフリカ西部に直径400m以上の小惑星が衝突したことも明らかとなり、ダブルパンチ・トリプルパンチの様相が本筋と変化しつつある。
 この大量絶滅で、動植物の70%が死滅されたとされていたが、自分は、10年間も太陽光が十分射さない状態で、30%もの動植物が生き残れるものだろうかと疑問に思っていた。
 しかしながら、植物学者によれば、植物が枯死・死滅するためには数か月間の日照不足(光合成不能)で十分であるらしく、それならば当時ネズミ程度の大きさであった哺乳類の祖先が地衣類などを食料として生きながらえることができたであろうと合点がいく。

 つい2,30年前には全人類の母とされたルーシー(約320万年前)も、何時しかヒト・チンパンジー分化以前のアファール猿人となり、一部の恐竜には毛が生えていたことが明らかとなり、地球には月の他にもアト300年間は存在する隠れ衛星があり・・・。
 科学の分野では今日の定説も明日には否定されると目まぐるしく深化し、居酒屋談義で蘊蓄・講釈を垂れるにもうかうかしておれない。


防衛相の海保統制に思う

2023年04月29日 | 防衛

 有事において防衛相がする海保統制の具体化が進んでいる。

 有事における防衛相の海保統制については自衛隊法第80条(昭和29年制定)に定められているものの、これまで具体的な統制要領は定められていなかったが、その主な原因は海上保安庁法25条に「海保の非軍事性」が定められていることと理解している。
 既に海警局を人民解放軍さんとしている中国を除く列国でも、有事にあっては海上における司法権を持つ機関(沿岸警備隊等)を軍の指揮下に置くのが一般的で、その際には当該機関所属の艦船は軍艦、乗員は軍人としての権利・義務と責任が課せられる。
 今回の統制要領では、防衛相の統制下であっても海保は従来通りに警察機関として活動して、自衛隊への編入や軍事行動は行わないことが明記されるとともに、行動海域も戦闘海域以外に限定し、住民輸送などで危険海域を行動する場合には国際法に定める標識を掲げるとしている。
 今回の統制要領作成は、長年の懸案について半歩の前進かとも思えるが、有事における司法警察活動が平時のそれとは大きく異なるであろうことを考えれば、未だ途半ばであるようにも思える。
 戦闘地域からの住民輸送だけを考えても、赤十字や緑十字の標識(塗装)を掲げて航行しても軍艦型の船型を考えれば安全であるとは言えず、大戦末期の「阿波丸」「対馬丸」の悲劇が起きる可能性も危惧される。あくまでも海保25条の精神を全うするのならば、もっと単純に有事にあっては大型艦は病院船や住民輸送船に転用すると内外に示して国際法上攻撃してはならない船舶とする方もあるように思う。

 今回の統制要領策定を機に、自衛隊と海保の共同訓練等を積み重ねることで、新たな問題点や不備が認識されることで更なる改正が図られると思うが、その際には、住民の安全すら担保できない専守防衛下にあってGI(政府の雇われ者)が一般市民以上に保護されることがあってはならないことを前提に考えて欲しいものである。
 酷なようであるが、海上保安庁や保安官にも国防の一翼を担う気構えを期待するものである。


現金等の投函・投げ込み

2023年04月28日 | 世相・世論

 「複数民家に現金や切手の入った茶封筒が投げ込まれている」ことをテレビが報じた。

 そんなことがとネットで調べると、意外なことにこれまでにも全国各地で発生しているようで、それらの何れもが「誰が?」&「何のために?」は不明のままであるらしい。
 興味を持ったのは、行為自体よりも「投函された人が警察に届け出たものの、警察は事件として扱う裏付けの法律がないことから静観している」という点で、法律整備が追い付かない先進の行為ならまだしも、古典的な行為であっても未だに法律が判断・対応しない・できないケースも有ることであった。
 現在のところ、警察は投函した行為や投函した人に対しては静観せざるを得ないものの、投げ込まれた方が届けなかった場合や投げ込まれたお金を使った場合には、「占有離脱物横領罪(1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料)」が適用されるとされているので、投げ込まれた方も”棚から牡丹餅”としてはならないようである。また、ネットの弁護士は、投げ込み者から後日「間違って投函した」や「金額はもっと多かった」などのクレームを付けられて新たな犯罪に拡大する可能性も有ると警告している。

 施設にランドセルなどを贈る伊達直人(タイガーマスク)氏の行為は有名であり、先ごろは数億円の私財を故郷に寄付した篤志家もおられる。
 今回の報道には投函者と思われる監視カメラ映像が添えられていたが、初老域以上の方であるように思うと同時に、行動自体も「自治体や確かな団体に寄付する程の額でなく」、「使途不明の胡散臭い団体に寄付するよりは手っ取り早い慈善行為を」と執られたのかも知れないと思える。
 そう考えれば、同様な行為は「幾ばくかの余裕があるが、相続する人もいない」や「慈善のために遣いたいがどうして良いか分からない」などの理由から、高齢社会の日本では今後ますます増えるのではないだろうか。

 明日の米にも事欠く自分でも、まだ削れる支出は有るだろうし、それを慈善行為に費やすことも可能だろうに、さしたる慈善をしないのは何故だろうか。
 慈善の意思と慈善行為の難しさに心乱された朝であった。


合同展に備えて

2023年04月26日 | 美術

 市のコミセンを利用する絵画クラブが共同開催する合同展の開催が決まった。

 昨年までは6団体が参加していたが、コロナ禍と会員の高齢化によって1団体が解散したために、本年度は5団体で実施することになった。また、残存各団体の会員も減少したために従来2点であった出品作品も3点に義務付けられ、怠惰な自分としては驚天動地に近い展開となっている。
 というわけで、漸くに完成(半成?)した一点の披露をお許し下さい。


「白神山地203」(P10)


戦略の失敗は戦術では挽回できない

2023年04月25日 | 野党

 統一時地方選挙が終了し、自民微増、立民微減、維新躍進、共産激減の民意が示された。

 更に、同時に実施された衆参5選挙区の国政選挙では、自民4勝・維新1勝となり、いわゆる保革一騎打ちとなった大分選挙区では、341票の小差ながら自民新人が元社民党代表というビッグネームの立民候補に競り勝つという結果になった。
 標題に掲げた「戦略の失敗は戦術では挽回できない」は、軍事のみならず全ての勝負の鉄則であり、選挙でも政党・候補者の主張(戦略)に賛同が得られなければ、候補一本化・選挙協力・連合一本化などの選挙戦術ではカバーできないことを示している。
 共産の激減は、前時代的のみならず中国共産党が現在進行形で示している民主集中制による危険性が露わになったためにコアな支持者すら失ったことであろうが、弱小政党であり問題視する程ではないだろう。
 しかしながら、政権交代を標榜する立民の微減・退潮傾向は歓迎はするものの深刻であると思う。
 杜甫は「春望」で「国破れて山河在り」と詠い、芭蕉は「夏草や兵どもが夢の跡」と詠み、兵事・争乱は武人興廃の無常ではあっても大自然と国民生活は悠久としたが、現在のウクライナ事変や中国の一体一路債務漬け戦略を観れば、杜甫・芭蕉と雖も「一旦国が破れれば何も残らない」ことを筆にしたであろうと思う。
 立民の政治姿勢は綱領・政策・国会活動を観る限り杜甫・芭蕉的発想に近く、常套句である「戦争をしない国」も内実は「戦争できない国」であるように思える。軍隊を廃止した国として「9条を守る会」が手本とする小国コスタリカですら有事には国軍を編成することを憲法に残しており、テロ掃討活動では隣国の軍隊と共同作戦に従事できる装備を持った武力警察を保有している。
 自衛隊の装備を削ぐことが「戦争しない国への第一歩」として抑止力整備に待ったをかけているが、それは「戦争という最終手段を以てしても国民のアイデンティティは守る」という近代国家観が欠如していることに他ならないと有権者は見切っているように思える。

 今回の選挙につて立民や共産は一様に、候補一本化や選挙協力などの戦術要因を挙げて政党戦略を束ねる執行部の責任はないとしているが、国民は、党執行部の首など求めてもいないし関心もない。
 自分の様な平均的有権者が唯一求めるのは、「真に日本を守るのは誰か・どの政党か」であると思うので、今後とも如何なる選挙戦術を駆使してもお花畑戦略が改められない限り、立民の躍進・政権交代は無いと思うし、維新の躍進を観れば野党第一党すら危ういように思える。