中国コロナワクチンの一般国民向け接種計画が進行している。
入手量の見通しが不透明な現状では、現実感に乏しいもののコロナ終息への一筋の光明と期待しているが、ワクチンの配分や接種の順番で多くの意見が飛び交っている。
今朝の民放番組では河野担当大臣も出演して、各界の要望や疑問点に答える形式であったが、聞くほどに多様な意見と難題があることを思い知らされた。
一口に65歳以上の高齢者という括りにしても、各個々人の境遇はまさに千差万別で、介護施設に入居している人、身体的に集団接種会場に行けない人、接種を希望しない人等々、数え上げればきりがないようである。貴重なワクチンを無駄なく使いきるためには供給量に見合った接種者を事前に準備することが望ましいが、なかなかに困難であり、もし万端の準備が整ったとしても突発的な発熱や交通事情等で接種を受けられない人も出てくるだろう。現にアメリカでは準備したワクチンが余ったために通りすがりの希望者に接種したという例も報じられている。番組内で河野大臣が述べたことであるが、接種が本格化するであろう6月以降は豪雨や台風という自然災害が起こりやすい季節であることも考慮しておかなければならないだろうし、解凍後の消費期限が定められているというワクチンの特性を考えれば、停電や冷凍庫の故障も無視するわけにはいかない。これらのことから、ワクチン接種を整斉と行うためには行政の努力は当然としても、国民の最大限の協力も必要不可欠であるように思える。
また、番組では複数の自治体が共同で接種するケースも報じられていた。当該自治体は国の医療行政方針に沿って広域医療体制を採っているが、ワクチン接種順序は各自治体の分捕り合戦の様相を呈し、会議を重ねても結論には至らない状況であるらしいので、国民の協力内容には、自制心や譲り合いという要素も加えなければならないようである。
中南米では、中国の好意で中国ワクチンの接種を受けたり、国の接種計画を無視して優先接種を受けた閣僚級以上の辞任が相次いでいる。これらの不正窃取は途上国の倫理感によるものかと思ったが、日本でも闇サイトで中国ワクチンの有料(結構高額)接種が行われている可能性が噂され、10万円出せば優先接種のリストに乗せるとの詐欺被害にあった人もいるらしい。
死亡率は高くないとは言え、生死に大きく関わるワクチン接種。各界・各層の多様な意見を最大公約数的に容れた国と自治体のな細部計画が通知されるまで、静観を決め込まなければならないと思っている。