もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中国の覇権主義ますます

2015年06月30日 | 社会・政治問題

 中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立協定調印式が行われた。

 創設メンバー57か国中、フィリピン等7か国が調印を保留したが、賢明な選択であると思う。当該銀行は従来の国際金融機関とは異質で、なおかつ最大の出資額を負担する中国が運営上の拒否権を持つ等、衣の下には中華思想の鎧が隠されているのは明白である。現在、アフリカ向けの中国ODAについては、提供される資金で整備される事業の大半を中国企業が受注し、必要な労働力も中国人労働者であるために現地は潤わない仕組みで行われている。おそらく、AIIBについても投資先の選択と、受注と労働力は現在の中国ODA事業と同じ手法となることは間違いのないことだろう。いうまでもなく、中国は憲法と三権の上に共産党綱領が置かれている国で、中国共産党の意志が中国の行動として示される。中国が人民元を国際通貨とするとともに、国際社会において米国を凌駕する発言権を持とうとする意志を明らかにしている以上AIIBがその先兵となることは自明の理である。今後は設立協定に調印した国が自国での批准手続きに移ることとなるが、批准を行わない国が出てくることを祈るのみである。先のG7において独英等は日米加の不参加に対して理解を示したとの報道もあり、中国の覇権政策への加担を放棄することを期待するものである。

 某シンクタンクの研究員が『日本もAIIBに参加して内側から態勢を国際金融機関の基準に改善する努力をすべき』と能天気なコメントを述べているが、中国共産党に会話が通じ、正論が理解されるならば、尖閣問題もチベット問題も西沙群島の埋め立ても起こらないことを理解してほしいものである。


従軍慰安婦が存在した理由

2015年06月29日 | 社会・政治問題

 戦時徴用されたとする労働者に対する日本企業への賠償判決が韓国で相次いでいる。

 国交回復条約に関連する訴訟の正当性についての疑問はさておき、『徴用は本当に有ったのだろうか。』と疑問に思っている。従軍慰安婦についても同様であるが、当時の下層階級にとって、十分な食と安定した職を得ることは至難の業であったと推測されるからである。公娼制度が存在した日本でも、遊女の大半は貧困家族救済のために自ら又は両親の同意のもとに苦界に身を沈めたものであり、農家の次三男は食と夢を持って危険と困難に満ちた満蒙開拓義勇団に身を投じている。帝国陸軍が起こした2.26事件も、農村出身の兵士家族の困窮から想起された国家改造意図が原因とされている。このような時代にあって企業が労働者を確保することは容易であり、十分とは言えないまでも金と食を約束された労働者募集には十分な応募があったと推測される。もちろん、勤務地や労働条件については労働者の意に沿わぬことがあったかもしれないが、それは現在でも起こることで当時の常識では容認されたものであると思う。学歴・門閥・家産を持たない人間の苦闘と苦悩を、現在の尺度で評価することが果たして妥当であろうか。また、訴訟が半世紀も経って為されたことにも大きな疑問が残る。なぜなら、昭和30年代に訴訟が起こされたならば、徴用工や慰安婦への志願理由が自由意思または困窮家族の救済のための家族の意志であることが容易に確認できたであろうし、そのような志願の理由は半ば美談とされたのではなかろうかと推測される。

 元徴用工や元慰安婦に問いたい。『貴方がたは、本当に日本国や日本企業に強制されたのですか?』


土井たか子の亡霊が

2015年06月28日 | 社会・政治問題

 一時期の最大野党であった社会党(現社民党)凋落の原因となった『土井たか子』氏(故人)の亡霊が、いまだに国会で跳梁しているようである。

 土井氏と云えば『拉致事件は日米の謀略』『中国の核武装は自衛のためであり容認』等々、親北・親中を隠さなかった人物である。現在では、そのいずれもが虚構であり国際紛争の大きな要因となっているのみならず、特に拉致事件については土井氏の主張が世論形成に大きく影響した結果、解決の緒にすら着き得ずに現在にまで禍根を残している。土井氏は自分の過誤を認めめることなく故人となってしまったが、政界はもとよりマスコミに対してもインパクトを与える存在であった。今、土井氏の衣鉢を継ぐかのように岡田党首率いる民主党が集団的自衛権の容認に反対しているが、民主党は国家と国民を守る方策を持っているのだろうか。集団的自衛権の容認は違憲であるが憲法改正には反対、単独で日本を防衛するとなると装備の充実、なかんずく核武装は絶対に必要と考えるが、その論議さえも拒否する。まさか、岡田党首をはじめとする民主党員は空疎な『非武装中立』を持ち出すのではないだろうか。

 現実に即した安全保障策を提示して、その両者の優劣を議論することによって有効な国防政策が決定されることを切に願うものである。、


百田尚樹氏のマスコミ批判について

2015年06月27日 | 社会・政治問題

 百田氏が、自民党若手議員の勉強会でマスコミ批判をした。

 『日本を貶めるような報道に終始するマスコミの報道姿勢は如何なものか…』との要旨であり、もっともな批判であると思うが、テレビ・新聞では言論弾圧・民主主義の否定と大騒ぎしている。自分の弱点・痛いところを指摘されると針小棒大に議論をすり替えるのは世の常であることから考えれば、百田氏の発言は将に正鵠、マスコミのいや日本人ジャーナリストの最大の弱点を突いたものと云える。朝日新聞の恣意的な誤報と誤報と知りつつ慰安婦問題を垂れ流した報道ステーション等々、言論及び報道の自由の楯に隠れた『売国的報道姿勢』は大いに反省しなければならない。民主党政権実現に加担した椿編集長の報道姿勢に顕著であるように、公正な報道よりも世論を親東側にミスリードしようとする、あるいは噂を既成の事実にしようとする姿勢と、真実が明らかとなっても責任を取らない姿勢。ペンの暴力と呼ぶべきではないだろうか。

 勉強会の席上、若手議員から『沖縄の2つの新聞は潰せ』、『売国的姿勢の報道機関に対して経団連は広告の縮小・廃止を』の発言も報道されているが、全くの同感である。非公開で行われた議論の内容を、知り得た経緯・手段を問う声は無い。密室の論議を盗み聞きする自由と言論の自由は報道陣だけに与えられた特権であろうか。


集団的自衛権の論議

2015年06月23日 | 社会・政治問題

 集団的自衛権の行使容認を軸とする安保法制論議が本格化している。

 歴史上最長となる通常国会の会期延長を行って、安全保障関連法案の成立を図ろうとする安部政権の本気度が窺える。一方、民主党では、相変わらずの対案不足と党内不協和音から、論理的な反論に苦しんでいる。民主党が声高に主張する『集団的自衛権の容認は、徴兵制に繋がる。』というスローガンも、昭和30年代の安保条約自動延長反対闘争に野党が使用したものでいかにも古色蒼然としているとともに、安保闘争以後にも徴兵制が復活することはなかったことからも論拠と説得力に欠けるものである。また、自衛隊員のリスクが高まるとの意見も、隊員からすれば『何を今更』と冷笑されるであろう。なぜなら、定員改正反対や防衛予算の圧縮によって、正面装備の老朽化や弾薬備蓄の縮小や効果的な人員配置を阻害する等の防衛力の弱体化を図ったのは偏に野党の実績であるからである。なかでも航空機や艦艇の航続距離を縮小させ、戦闘機の爆撃照準器と空中給油機能を取り外させる等、隊員のリスクを増大させてきたのを野党の各氏はお忘れなのだろうか。

 隊員諸氏は、入隊以来リスクは覚悟しており、隊員と一般国民のリスクが反比例するとの自覚の下に勤務していることを、国民はもっと知るべきであろう。