発言の真実性に関しては何とも言えないが、米経済界やEUの動きを俯瞰すれば単なる政敵叩きと切って捨てられないように思える。
発言の真実性に関しては何とも言えないが、米経済界やEUの動きを俯瞰すれば単なる政敵叩きと切って捨てられないように思える。
ナスダックが上場の基準として設けている多様性に関する基準が無効と判断されことが報じられた。
2021年にナスダックは米証券取引委員会の承認を得て、上場の基準として取締役に女性やマイノリティーが一定の割合で登用されていることを設けていたが、これが逆差別を招くとして裁判所が無効と判断したものである。
報道によると、アメリカでは「多様性・公平性・包括性(DEI)」の取り組みが行われており、特に2020年に起きた白人警官による黒人への暴行死が取り組みを加速させたとされている。
今回の訴因は「人種やジェンダー意識を個人の能力よりも高く評価する傾向」であるとされているので、アメリカ社会全体でも「過ぎたDEI」に対する是正・揺り戻しが起きているようである。また、多くの企業でDEI対処の部署が縮小・廃止されるという事態も起こっているそうで猶更である。
日本でも雇用機会均等法などによって女性の地位向上が図られて、それなりの成果を上げているようであるが、「能力において女性候補者とほぼ同等か僅かに上回っている男性が」男性と云うだけで昇任や昇給について女性の後塵を拝することは無いのであろうか。
これまで日本では、主として黒人やヒスパニックなど人種的に使用されていたマイノリティー(少数派)という用語も、近年のジェンダー平等思想の普及につれてLGBTも「マイノリティー」の範疇に加わって来つつあるように感じるので、将来的には健常者と云うだけでLGBT者に後れを取るケースも起きる可能性があるようすら思える。
かって雇用機会均等法成立のきっかけを作ったウーマン・リブの闘士が、「法に依ってしか守られない平等には何の価値もない」と述べていたことを思い出す。おそらくであるが彼女は、法に依る規制や庇護は、現在の様な軋轢・分断・不平等をひき起こすだろうことを既に予知していたのかも知れない。
「アメリカの現在は数年後の日本」と云われるが、日本で現在営々・嬉々として取り組んでいるジェンダー平等施策も、数年後にはアメリカ同様に「逆差別の温床」とされるのかも知れない。
文中に「LGBT」という字句を使用したが、最初に浮かんだ言葉は性同一性障害者であった。この言葉が適当かどうか調べると、実にいろいろな症状・名称・分類があり、精神医学の知識が無い自分では理解できなかったので、分かりやすいLGBT(L:レズビアン(Lesbian)・G:ゲイ(Gay)・B:バイセクシュアル(Bisexual)・T:トランスジェンダー(Transgender)を使用した。更にLGBTも、最近はQ:クエスチョニング(迷っている人)を含めた「LGBTQ+」と変化しているらしいが、自分の頭では処理困難。
現在、喫煙者も大きく減少しマイノリティーと呼ばれるに十分に相応しいと思うが、何の恩恵・庇護もないままに来春には増税=値上げが決定したらしい。嗚呼!!
アメリカの2銀行の破綻が報じられた。
最初に、以下の記述は経済音痴の故に誤解などが多いだろうことを予めお断りさせて頂く。
10日にカリフォルニア州を拠点とするシリコンバレー銀行が、12日にニューヨーク州のシグネチャー銀行がそれぞれ経営破綻したことで、先進国では珍しい「取付騒ぎ」が起きている。
2行の経営破綻は、相互に影響しあったいわゆる連鎖倒産ではないものの、連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き上げが共通の原因とされているようである。
米財務省とFRBは、2行の経営破綻は限定的なものでリーマンショックの再来ではないとするとともに取り付け騒ぎ沈静化のために「全預金者の完全保護」を表明したが、経営破綻の原因が原因だけに全銀行にも破綻や業績悪化の可能性があると指摘されていることを思えば、他行も安泰とは呼べない事態かとも思える。
「経済は生き物」と呼ばれるが、経済政策の一環として金利を操作すると専門家でさえ予測できない副作用が出るものであるらしいことは、「抗がん剤治療」が思わぬ副作用を引き起こすことと似ているように思える。
アメリカは、中国との経済摩擦で低迷する国内経済刺激策として低金利を導入したが、ウクライナ事変という外的要因も加わって急激な物価上昇・悪性インフレを招いた。そのためにインフレ抑制のために段階的に金利を引き上げたが、引上げに際して考えもしなかった銀行の信用不安という新たな事態を招いてしまったと理解している。
日本でも、穏やかなインフレを目指したアベノミクスでゼロ金利の金融緩和を採用したが、数年かかっても初期の目的は達し得なかった。そのため、識者やメディアでは景気刺激策としての金融緩和は有害で撤廃すべしとする主張を良く耳にしたが、その方々は今回のアメリカ2行の例で示された「金利を操作することで出現した想定外の副作用」をどのように観ているのだろうか。
今年はかっての「春闘」を思い出されるような労使の攻防が再現され、長年に渡って一時金や賞与で肩代わりされ続けた賃上げについても「ベースアップ」が相次いでいる。
この様変わりは、ウクライナ事変によってもたらされたものであることは間違いなく、更には防衛装備増強にまで及んでいることを思えば、ロシアの横暴が引き起こしたウクライナ事変は日本にとって「令和の黒船」のようにも思える。
預貯金の利息が1%であっても0.0001%であっても大して違わない貧民の自分ではあるが、米銀行の信用不安が浦賀(今は成田?)に上陸すれば、それは大ごとで、金利を操る黒田総裁イヤ植田総裁には熟慮をお願いしたいものである。