ハリウッドスターであるブルース・ウィリス氏の俳優引退が報じられた。
引退の理由は痴呆症・失語症とされているが、引退自体は俳優業からだけで社会生活を含めた完全引退ではないように思われる。
失語症の程度は不明であるが、当意即妙のスピーチが出来なくなったり、正確な言い回しが出来なくなったことであるとするならば、俳優にとっては致命的であろうが、正確な表現・語彙に乏しい自分などは、生まれついての失語症と診断されてもおかしくないが。
ウィリス氏の老化公表は、クリエイティブな才能に恵まれ、かかりつけの主治医ではなく専属・お抱えの医師による健康観察や治療を受けていたであろうハリウッドセレブにしても、老いによる鈍化から逃れることはできなかったのかと、身につまされる思いがする。
ウィリス氏の映画は、本邦公開作品の殆どを見ていると思っているが、私生活に関してはデミ・ムーア嬢との結婚・離婚くらいしか知らないのでウィキペディアを一瞥すると、ドイツ駐留米軍人とドイツ女性のもとにドイツで生まれ育ったためにドイツ出身となっていたが、父親はイングランド・オランダ・フランス・ウェールズ・アイルランドの血を受け継いでいるとされていることから、ウィリス氏はまさに人種の坩堝に育ったアメリカ人中のアメリカ人であるように思える。
日本では、「ダイ・ハード」で大ブレイクするまではウィリス氏を「ブルース・ウイルス」と呼び、米国第40代大統領のロナルド・レーガン氏も「ローガン」と呼ばれていた。古くは、リンカーン大統領を「リンコルン」、ショパンを「チョピン」と呼んでいた時代もある。
ウクライナ政府は、首都「キエフ」はロシア語読みでありウクライナ語の発音である「キーウ」と呼称することを日本に求めている。変革を嫌う外務省は「グルジア⇒ジョージア」時と同様に呼称・表記の変更に消極的とされているが、防衛省はいち早く併記に踏み切り、報道機関でも併記方式に移行しつつあるようである。
本日の産経抄では、韓国がいち早く「キエフ⇒キーウ」に変更したのは、日本よりも地名の呼称変更が重要な政治的メッセージであるとの認識が強いためとしている。そう考えれば「竹島⇒独島」「日本海⇒東海」の主張もその認識に立っているのであろうか。
そんなこともあってか、「ジャパン⇒ニッポン」に拘らないどころか、「日本」の読み方すら「ニッポン・ニホン」どちらでもよいとする日本では、自治体の合併や団地の命名に際して古来からの由緒ある呼称を捨てて無味乾燥な地名に変更する例が多い。
かっては、都市名を聞けばどの都道府県かが推測できたが、平成の大合併以降は「市の名前が所在と歴史を示さない」例が増えてしまったと嘆いている。