もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

ガラパゴスとシーラカンス

2024年02月24日 | 世相・世論

 転居を機に更新した家電製品に驚いた。

 若き日の艦艇電機員時代。初等の電機員教育修了後に配属されたのは、大東亜戦争で活躍し海自に貸与(後に供与)されたフレッチャー型駆逐艦であった。2年後に当時の最新鋭護(4次防艦)に配属替えされたが、建艦思想と装備機器の40年近い進歩・変化を短時日で理解・習得するのに苦闘した経験がある。
 今回、更新のために廃棄した家電製品の多くは何れも30年以上前のもので、洗濯機を例にとれば複雑な機能も無く、押し釦も数個あるだけで価格も数万円であったが、更新した洗濯機には機能満載で価格も30万円弱と云う代物である。先ず洗濯を始めようとした老妻は、これまでの経験のみで洗濯機を操作しようとしたが数分で降参した。次いで自分が取説片手に参戦したが、思うようにいかず洗濯開始までに相当な時間が必要であった。洗濯機設置後、既に1週間が経過し複数回の洗濯機会があったが、おそらく搭載された機能の10%も使用していないだろう。言い換えれば、その10%の機能で通常の洗濯には十分で残りの90%の機能は不要とも極言できる。数年間隔で洗濯機を更新するならば、機能の変化を容易に理解して使いこなすことも可能であろうが、拙宅の様な状況では30年の技術革新と変化を一足飛びに理解しなければならない。また取説も、ユーザーが数年間隔で更新するものと思ってい書かれているのか1世代前の機能からの変化を重点に解説しているようで不親切この上ない様に感じられる。

 これが、日本の白物家電が国際競争力を失った「ガラパゴス現象」かと理解したが、拙宅のようなシーラカンス、洗濯の出来上がりに拘泥しない人、況や初めて洗濯機を購入する人が、必要最小限の機能を搭載した安価な韓国製品に流れるのは致し方ないように思える。自分も徴用工・慰安婦問題さえ無ければ安価な韓国製品を勧めたであろうものの、エアコン以外には発言権を認めて貰えないために、使用しない90%の付加機能のために泣く泣く大枚(?)を支払った。
 現在、他県に出向中の娘が同居するようになったら機能の利用率も50%くらいまで上がることを内心で願っている。