猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

「経済と感染防止」の両立をはかる新型コロナ対策分科会の釜萢敏

2020-08-03 22:41:52 | 新型コロナウイルス


けさの(8月3日の)テレビ朝日『モーニングショー』で、釜萢敏(日本医師会常任理事、新型コロナ対策分科会のメンバー)の発言を聞いて驚いた。彼は極論を吐いてばかりで、真面目な対話を拒否している。

他のゲストや司会を「新型コロナの不安を煽っている」と釜萢は非難する。こんなことを言ってしまったら、対話にならない。新型コロナの流行に不安をもっているから、人は新型コロナ対策分科会のメンバーに質問をするわけだ。不安をもっている人を「不安を煽る」なんて言ってはならないことだ。

新型コロナPCR検査の体制を質問している人に、釜萢は「新型コロナPCR検査で何でも解決できると思うな」と言ってしまうから、話しにならない。誰も「PCR検査で何でも解決できる」と言っていない。ほかの国に比べて、日本が、PCR検査が極端に少ないが、それで良いのか、という質問である。

どうも、釜萢は、コストの面からいって、PCR検査は効率が悪いと思っているようだが、そうなら、数値を上げて、ハッキリそう言えばよい。

菅官房長官によると、日本政府がアベノマスクに260億円を使った。PCR検査が、1件当たり4万円でできるとするなら、65万件の検査ができる。アベノマスクを配る方が良かったのか、PCR検査を無料でしたほうが良かったのか。なお、アベノマスクに、当初、466億円の予算がついていたが、それだと、116万5千件の検査ができる。

釜萢は、はじめ、1日当たり3万件の「PCRとう検査」ができると言って、途中で3万件の「PCRとう検査」ができる体制を目指すと言い換え、「いつまでに」という玉川の質問に、最後まで答えなかった。

「PCRとう検査」は「PCR等検査」という意味で、「PCR検査や抗原検査など」と釜萢は言い換えた。PCR検査と抗原検査とは、コストと精度が違う。抗原検査はコストが安いが制度ははるかに落ちる。PCR検査自体はいったい何万件を目指しているのか、釜萢は言わなかった。(ほかのテレビ番組によると、PCR検査能力は、現在、1万2千件くらいらしい。)

釜萢はPCR検査で3割の偽陰性がでるという。これは本当なのか。偽陰性とは、新型コロナに感染しているのに、検査で感染がわからないことをいう。この確率を知るためには、PCR検査より正確な検査方法がなければならない。PCR検査より、正確な検査方法を私は知らない。

釜萢は言い過ぎたことに気付いて、PCR簡易検査キットを使って、と言い換えていたが、モーニングショーのほかのメンバーはこの言い換えに気付いていなかった。

釜萢は、「誰も外出しなければ、新型コロナの流行が収まるが、そんなことはできない」とも言った。誰もそんなことは求めていない。4月、5月の緊急事態宣言のときでさえ、農家の人は、畑に出かけ、収穫をしていた。工場は稼働していた。配送の人は忙しく動いていた。交通機関は動いていた。スーパーの店員は忙しく働いていた。

釜萢は、医師の立場にもかかわらず、「感染防止と経済との両立をはかる」と言う。「経済」とは何か、わかっているのか。

政府や知事がやったことは、消費活動を抑え込んだだけでないか。パチンコ屋やデパートや大型モールを閉めただけでないか。これらの店は、新型コロナ流行の前から、不景気のために、閑散としていた。

おまけに、図書館も閉められ、私は困った。

「経済活動を止める」とは、誰に向かって、何をほざいているのか。「経済を止めている」のは、政府自体でないか。消費税を10%にした後遺症が消費市場にまだあるのに、政府は、さらに消費市場を冷やしてしまったのである。

景気対策なら、消費税を一時的に0%にすることではないか。

モノが売れなければ、トヨタとしても、工場を開いても赤字を垂れ流すことになる。政府の経済政策は失敗しつづけているのに、国会を開いていないので、誰からも責められない。

この中で、公明党の国土交通大臣の赤羽一嘉は「GO TO トラベル」キャンペーンを前倒ししてしまった。その失敗を、どうして、釜萢は擁護しようとするのか。

キャンペーンにお金がかかるし、キャンペーンをすれば不要不急の人の移動が生じる。選挙のときのお礼のために、政府が電通を儲けさせたいのはわかるが、日本医師会常任理事の釜萢がそんな配慮をする必要はない。もしかしたら、日本医師会に派閥争いがあり、釜萢は安倍晋三に恩義があるのであろうか。

けさの『モーニングショー』で、とにかく、彼は極論を吐いて、真面目な対話を拒否していた。

[補遺]
私自身は、一貫して、緊急事態宣言なんて不要だと思っている。日本医師会には、感染予防策の知識普及と院内感染の予防と感染者の適切な診療体制の確立をしてもらいたい。

[追記]
8月8日(土)、日本テレビで、辛坊治郎が、PCR検査の偽陰性率が3割だと言っていた。PCR検査は、ウィルスの遺伝子を増幅する検査であり、もっとも精度の高い検査方法である。偽陰性3割のフェクニュースをニュースキャラクターがばらまくのはまずいと思う。

また、辛坊は日本人全員がPCR検査を受けるのは税金の無駄遣いであると言っていた。誰がそんなことを言っているのか。
現在、日本のPCR検査能力を1日、2万にするか、10万にするか、で綱引きをしている。たとえ、1日10万のPCR検査能力でも、国民全員が1回PCR検査を受けるとして、1300日かかる。3年以上かかかるわけである。
病院関係者や介護職や人との接触が多い職業の人は、他人を感染させないため、継続的にPCR検査が必要となる。また、感染者も なおったかどうかでの判定のために、PCR検査が必要となる。
ひとり1回で良いわけでもないのだ。

だから、辛坊は現実離れした言いがかりをつけて、政府の無策を擁護している。
辛坊はいつから安倍晋三の太鼓たたきになったのだ。