image2006-0915
わが業れる早稲田の穂立ち造りたる
蘰そ見つつ思はせわが背 坂上大娘【万葉集08-1624】
○短歌写真-坂上大娘。
○相聞歌の贈答を、二日間連載する。まずは贈歌。私が心を込めて、稲穂から作った神(髪)飾りです。どうか受け取って、私と思って、いつも身近で眺めて下さいな、あなた。結句に「わが背(ねえ、あなた)」と、優しく呼びかける、何とも愛らしい女のこころではある。
¶業(な)る=農業をする。|早稲田=早稲(わせ)の田。「早稲」の古代読みは「をそ。わそ。わさ。」|蘰(かづら)=神への豊作を願う飾り。転じて髪飾り。|大娘(おほをとめ)=「大嬢」表記が多い。
□わがなれる わさだのほたち つくりたる
かづらそみつつ しのはせわがせ さかのうへの おほをとめ
□O mon amour, je souhaite que vous receviez
des ornements de ces cheveux,
qui est fait par des oreilles de riz. Dans l'additon,
je suis si heureux que vous vous rappeliez me chaque fois.
-Sakanoueno Oh'otome
【写真】万葉人(びと)が想像することさえ出来なかった、瑞穂の国の豊かな稲田に感謝しながら、何枚か写す。