image2006-0916
吾妹子が業と造れる秋の田の
早穂の蘰見れど飽かぬかも 大伴家持【万葉集08-1625】
○短歌写真-大伴家持。
○続いて答歌。今は誰でもサッカーの国際試合などが終わって、着用のユニフォームを交換することを知っている。ところで悠山人の読者はご存知か? 万葉の時代(700年代後半の成立)に、すでに親しい恋人同士が、ここぞと思うときに下着(現代の若者風には<勝負着>)の交換をしていたことを! 次の第1626歌(ここでは扱わない)の題詞にこう書いてある。「又報脱着身衣贈家持歌」。万葉人の大らかさが、ここにも現われる。こうしてあなたが造ってくれた飾り、蔑ろにするものですか。いつまで見ていても、飽きることがないのですよ。数多く残された両者の交歓から、いじらしいまでの女心を詠う大娘(大嬢)、その女心を優しく包む家持が、くっきりと浮かび上がる。
○ときどき、詩文の外国語訳について質問されるが、断らないかぎり、悠山人による気分訳である。(もちろん辞書を借りて) 誤訳の指摘は大感謝!
□わぎもこが なりとつくれる あきのたの
わさほのかづら みれどあかぬかも おほともの やかもち
□Vous avez fait ces ornements de cheveux, o ma chérie,
par des oreilles de riz dans le domaine d'automne.
Je ne me fatigue pas de voir ceux,
parce qu'il semble en tant que vous-même.
- Ohtomono Yakamochi
【写真】万葉人も見ていたかも、と思うと、それだけで懐かしい風景だ。
●紫さん、ご無沙汰ですが、あしたお会いしましょうね?●