哲ノート

gentle heart!! ヤサシイココロ・オトナノココロ

祐天吉松 飛鳥山 -浪曲定席木馬亭四月-

2023-04-05 23:52:21 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
四月は浪曲から・・・浅草木馬亭で日本浪曲協会定席を堪能します。

世間はまだ「春休み」ってやつですかね、浅草界隈は以前にも増して外国人が多くなりました、そして今日はティーンズのグループが多く街中を闊歩していて

あちこちのお店に集団でたむろしているような状況で、平日ですけどにぎわいはすっかり元に戻ってきた状態です。

そんな街中の集団・店先の行列を尻目に浅草・奥山にある木馬亭さんに一目散で直行します。そしていつものように正面最前列に陣取ってかれこれ4時間の浪曲の世界にどっぷりと浸ります。



開口一番は「亀甲縞の由来」から「鰍沢」「秋色桜」「伊達家の鬼夫婦」「祐天吉松 飛鳥山親子対面」「奉行と検校」「二十四の瞳」トリは天中軒雲月師匠の雲月節で「若き日の小村寿太郎」まで

その中で「鰍沢」は落語で有名な自分も好きな演目、言葉と情景描写でなかなか重厚で味わいある演目ですが、これが浪曲になると落語にはない「啖呵と節」が加わって、

噺の展開がとてもドラスティックなものになり、噺にエピソードに厚みが増した演目に様変わりしてきます。

今日の演目ではほかに講談ではおなじみの「秋色桜」「伊達家の鬼夫婦」も浪曲版で演じられており、

いずれも演目も噺の流れ・筋は知っているものですから、自分のアタマのなかでそれがどのように浪曲として展開・変化してゆくかをたのしみながらじっくり拝聴しました。

おなじ話芸である落語・講談・浪曲で同じ演目を聴き比べることは、とても新鮮に拝聴できて、それぞれが味わい深いものであることに感銘しました。



今日の出演者のなかでは玉川大福師匠の「祐天吉松 飛鳥山」が初聴でとてもグッとくるものがありました。

師匠はもはや(浪曲界では)若手の範疇を越えて、これからの浪曲界をけん引する中堅どころであり、演目の中にもウイットに富んだくすぐりを散りばめたりして、演目をどんどん膨らましてゆきます。

祐天吉松の物語は随所に見どころが多くある中で、行き別れになった自分の子に偶然飛鳥山で出会ったエピソード的な展開から、実の親と子の人情に話が移り、そこに「節」が加わって、いっそうドラマティックなものになります。

そして・・・と、もっと聴きたいところでちょうど時間と。(あ~もっと聴きたいなぁ・・・この先はどうなるの・・・)

心地よい良い余韻を残しながら演目が終わりましたが、今日の演目から「祐天吉松」をもっともっと知りたくなりましたね・・・そのくらい興味を沸きたてるような熱演でした。

落語・講談は結構回数を重ねているんで、ある程度演目はアタマに入って知っているものが多いのですが、浪曲はまだまだ開拓のし甲斐がある初聴の演目が多くあって、これからもせっせと木馬亭に足を運びたいものです。
















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする