今月は順番に「真打披露興行」がおこなわれておりますが、四月上席の末廣亭で「小八師匠」のお披露目を観席し、
引き続き、四月下席を今度は池袋演芸場で「三朝師匠」のお披露目を観席します。
末廣亭では二階席まで満員で立ち見でしたが、池袋演芸場も初日も相まって立ち見客もいっぱいで入れない状態に…。
ただでさえ演者と観客席が近い場内ですから、その熱気とやら…今回も最前列で大いに楽しみました。
(池袋はぜったい前列・最前列に陣取るのがいいですね。演者と近くて場面によっては“いじられたり”“参加したり”“目と目があったり”のライブ感がたまりません)
開口一番は一花さんの「たらちね」からはじまり、「転失気」「夏どろ」「同棲したい」「一目上がり」「たがや」「彦六伝」と続き、中入り後は真打披露口上
市馬会長はじめ師匠の一朝師匠、正蔵副会長・小朝師匠(めずらしい)木久扇師匠、喬太郎師匠(今回も進行役そして“センター”三朝師匠が…まさしく披露口上ならではの“オールスターキャスト”で
落語家さんらしい温かいお祝い口上、客席全体で三本締めをして大いに盛り上がります。
そのあと「新聞記事」「かぼちゃ屋」とつづき、トリは三朝師匠。
はて演目は…「淀五郎」できました。池袋で「淀五郎」を聴けるとは…いろんな師匠の「淀五郎」は聴いていますからどんなもんかと…
へたすると講釈ぽくなってしまう演目であり、歌舞伎の世界をあるていど表現しなくちゃいけないし、かといってさらっとやっちゃうと観客がついてきてくれない演目
おおいにチカラが試される「淀五郎」。一朝師匠ゆずりの歯切れのいいしっかりとしたしゃべくりで、最後の「待ちかねたぁ…」まで無難にこなしていました。
これから芸風というものがどんどん出てきて成熟してゆくのでしょうけど、人気者でもあり次の世代の落語界をしっかりと築いていってほしい師匠です。
(本日は「紙切り」の正楽師匠で作品「若馬」を頂戴いたしました。またまた家宝にいたします。)