第33回 のぅのぅ能特別公演 国立能楽堂 2月24日
【番組】
●解説 河添房江
●仕舞 『源氏供養』 観世喜之
『須磨源氏』 梅若玄祥
●狂言
『舟渡聟』 舅:野村万作 聟:高野和憲 嫁:石田幸雄
● 能
『住吉詣』 シテ:明石上:観世喜正 ワキ:住吉の神主:森常好
ツレ:光源氏:梅若紀長 惟光:遠藤善久
他:従者3名 随身:2名(子役) 童:1名 侍女:2名
社人:深田博治 後見:観喜之世他2名 地謡:梅若玄祥他7名
大鼓:亀井広忠 小鼓:大倉源次郎 笛:藤田六郎兵衛
「舟渡聟」は舞止。舅と聟、お互い初見でありながら気まずい思いをしたこの物語。互いに酒を酌み交わし、やがてわだかまりは消え、共に舞う。とっても落ち着いた、なにか風格のようなものを感じさせてくれた舞でした。
「住吉詣」今回の目玉。解説によればこの曲はあまり上演される機会がなく国立ではこれまで3回しかないとのことだった。そしてこの曲は「源氏物語:みおつくし」の住吉詣を本説とする能。物語では光源氏と明石の君が住吉神社で遭遇しながら、二人は直接会わずに歌だけを交わして別れたのに対して、能では二人は盃を交わし、舞(序の舞)を披露する華やかな再開劇、現在能となっている。神主の名乗りの登場、光源氏一行の登場、明石の君一行の登場 と登場が3回ある。時の内大臣ともいえる光源氏はじめ宮廷人が次々に登場し、舞台はとっても華やか。まるで動くお雛様状態だった。この曲もクライマックスは二人の相舞い。ゆったりと序の舞を舞う。明石の君の舞はとっても優雅。とても癒された観劇だった。