言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

狂言 ざざん座

2008-05-15 | 能・芸能
第3回 狂言ざざん座
宝生能楽堂 19:00~21:00
解説 深田博治
小舞 「七つ子」岡 聡史
狂言
・「水掛聟」 聟:竹山悠樹
        舅:野村万之介
        妻:破石晋照
・「寝音曲」 太郎冠者:高野和憲
            主:野村万作
・「禰宜山伏」 山伏:深田博治
         禰宜:月崎晴夫
         茶屋:石田幸雄
         大黒:野村裕基

ざざん座の公演も3回目となった。初回から冒頭に「解説」
というのがあって、他の狂言会とは違う特色を出しているが、
今回は深田先生の番だった。解説を語る時は舞台上とは
異なって、本人の地が出てしまうのだけれど、それだけに
回を重ねてくると、解説者にも磨きがかかって面白くなる
と思うのだ。万作先生や萬斎先生は流石にテレビや数多くの
インタビュウーをこなされてるので、そつがないのだけれど、
ざざん座の同人はまだまだ初々しさがあって毎度ハラハラ
するところがあって汗かいてしまうのだ。それでもって本番
となる。小舞「七つ子」。裕基君も演じたように、狂言に
入門すると間もなくお稽古させられる節目ともなる演目
なのだ。豪快でしたね。上背もあるので花の扇など舞台
が狭く感じました。でも石田先生は体格も立派なのに同じ
「七つ子」やってもちっとも舞台が小さいなんて感じない
のだけど、なんなのだろう。若さかなあ。そしてすぐに
「水掛聟」。聟役の竹山先生が鍬を担いで名乗り。気負い
もなく淡々と、そしてどことなくおかしみがあってよかった。
おかしみと言えば万之介先生でしょう。揚幕を出てくる
ところからして笑いが出てしまうのだけど、いいです
ねえー。いつまでも演ってほしいものです。20分の
休憩を挟んで「寝音曲」。万作先生が出てこられると
むしろ緊張してしまう。相方の高野先生は、にこやかに
余裕といった感じで橋懸りを歩まれる。いろいろ理由
つけて謡を逃げ回っているやりとり、高野先生のトボケ
ぶりがよかった。「大原木」は女性っぽい曲なんだと
思うけど高野先生は声デカイからなー。でも万作先生は
ますます芸に透明感というか、水もしたたる日本刀の
ような感じがします。先生の小舞は大好きです。
DVD出して欲しい。トリは「禰宜山伏」山伏の深田先生。
禰宜役の月崎先生。地をゆく感じの深田先生。吹けば
飛ぶような禰宜役を好演された月崎先生。兄貴分の石田
先生と日々成長の裕基君。飽きさせない組み合わせでした。
とりわけ皆さんの表情が豊かで所作と相まってとても盛り
上がった演目だったと思う。とても楽しめた狂言会でした。