言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

今年の3冊

2024-12-22 | 読書 本

今年の1月に 市の図書館システムが 全面的に刷新された

スマホ使用にも耐えられるよう サービスが向上し より便利になった

なかでも 自分が借りた本の履歴が見れるようになったのは有難い

借りた本を読み進めてゆくうち これは読んだぞ と思うことが度々あった

面白い本ならば何でもよいのだが 面白さはこれですと なかなか一概に言えない

読書歴から AIが推定して 読む本を推薦してくれないかな と思ったりする

最近では ブロガーさんの推薦本を参考にすることが多くなった

いろいろな世界を感じ取るのは読書の楽しみと思う

『天祐なり』 幸田真音

  高橋是清の一代記 是清は1854年 徳川時代末期に 政治家とは何の繋がりのない家に生まれた 
  13歳でアメリカに留学し 英語を理解した
  その英語力と人柄 物事の理解力が優れていたのか 是清は次々と明治を創った人物と 誼を得てゆく
  海外にも人脈を築き 又 時節にも恵まれ 財政家として日本に貢献するようになる    天運にも恵まれ 大蔵大臣 総理大臣 をも歴任・・
  そして 1936年の2・26事件で暗殺されるまでの物語

『真田太平記』  池波正太郎

   今からザッと500年前 信州の小大名 真田一族
   戦国の世をいかに生き残るか 著者は史実とフィクションを交え物語る
   武田が滅びた後 秀吉の恩を受け 秀頼に味方する 真田昌幸・幸村親子
   一方 真田の長男信之は 徳川の養女を妻に娶っており 徳川に味方し 関が原に臨む
   信之は生き残ったとはいえ 外様の真田へは厳しい幕府だった
   強いものが生き残り 弱いものは滅びる 明解な時代を綴った歴史小説

『盤上の向日葵』  柚木裕子

   将棋に命を懸けた男のミステリーフィクション
   大酒のみで賭けマージャンにうつつを抜かす父親 極貧のなか凄絶に生きる男の子
   そんな子の唯一の息抜きは廃品回収での将棋雑誌だった
   ・・・師との生死をかけた一番 頭の中の将棋盤に 決め手が閃く そこに一面に向日葵が咲く 
   必死の時の向日葵  それは狂気の血が成せる仕業か

            

真田太平記を読む

2024-09-22 | 読書 本
ブロガーさんのブログを読んで この1ケ月余りかけて 真田太平記を読んだ

新潮文庫 12巻もある 池波正太郎の大作

もともとは 週刊朝日に連載というかたちで 

作者がおもうままに書き続け 完結するまで 9年間もの歳月を要した物語

内容を簡潔に纏めるのは難しいが

信玄 信長 秀吉 家康 秀忠 という たかだか80年間にわたる覇者のもと

真田昌幸 長男の信之 次男の幸村  そして 佐助などの甲賀忍者たちを絡めて物語る

戦国時代も ようやく終わりを迎えるという時代背景に

戦略判断に失敗した者は 家族を含め死せざるを得ない という過酷ななかにあって

真田一族は一族の存続をかけて親子 敵味方に分かれる

親子また兄弟の心の通い合い とりわけ女忍者を随所に登場させ 

真田周辺に展開する人物たちに色どりを与えて面白い

文庫本には 挿絵が無いのが残念 一連の挿絵を見るだけでも面白いだろう



土のお話を聴きに

2024-01-28 | 読書 本
梅の花が咲き始めた

近くに咲く河津桜はそろそろ散り始めてる
                
花粉も飛び始め 身体のあちこちが 痒くなり

生きてることを実感するこの頃だ

先日 土 に関して研究している先生が 本屋さんで講演してくださり 聴きに行った

この先生は 京都大学で10年余り 国内外の土に興味をもち その研究に没頭された専門家だった

それによると 土は地球の生態系に密接に繋がっていて 人間の立ち位置がどんな場所なのか理解できて面白い

土の衰退は生態系の衰退でもある 土の化学式は複雑過ぎて解明できず 人間は土を合成することはできないらしい

土はバッチイ という感覚ではいけないのだ

3時間くらい土に関する5億年分の話を饒舌に語ってくれ 面白かった



今年の読書

2023-12-22 | 読書 本
今年も たくさんの本を読んだ      主に小説

図書館から120冊あまり ほかに借りたり 買ったり 家置きの本だったり

読み始めて ピタッとくる本 よくわからない本 受け付けない本 等々

漫然と読んだり 流したり 飛ばしたり 精読だったり・・・

今年の3冊

・ サハラ幻想行  森本哲郎

・ 胡蝶の夢    司馬遼太郎

・ 凍       沢木耕太郎

情景を楽しめたのは 凍 
 
氷壁を想う

『十三人の刺客』

2023-09-07 | 読書 本
残暑    連日 暑い

『十三人の刺客』という本を見かけたので読んだ
同名の映画は何回か観たので興味が湧いた

著者のあとがきで書かれているが
「ビジュアルと活字の懸隔は予想以上に大きく・・・」とあるように
 映画のイメージに沿った内容を 小説にするには難しいと述べている

読んでみて 映画でのイメージとほぼ同じ後味を持った   文字でビジュアルを浮かび上がらせてるように思う

すべて映画のシナリオ通りではないが
流れはほぼ同じ 緊迫感や得られる情景もほぼ同じに感じる
むしろ 映画で聞き取れなかった所や観切れてない文字や装束がハッキリ確認できたと思う

物語は 竹馬の友であり親友・心友あった二人が 一方は横暴を極める領主に仕え 一方は国の治安秩序を護る幕府に と別れ その運命を描いたもので 時代劇の傑作と思う

圧巻は戦闘の場面 文も映画も生きてる
二人の決闘シーンは 文では一行にも満たないが 映画では5分位存分に戦い 殺陣の美しさを見せてくれる

二人を支えるそれぞれの武士の一分 その激突 
人の運命とは皮肉なもの・・・
人生とは儘ならぬもの・・・・
人生を彩るのはすべて縁・・・
縁あってこそ人の世は楽しくもあり 悲しくもあり また切ない・・・

と本では語る

本   著者:谺 雄一郎  原案:池宮彰一郎

映画  監督:富永卓二  主役:仲代達矢  準主役:夏八木勲
               脚本:池上金男(ペンネーム:池宮彰一郎)




サハラ幻想行

2023-07-30 | 読書 本
ジャーナリスト森本哲郎は1969年にサハラを旅した
ただの旅ではない
何千年も以前に 岩壁に描かれたという不思議な絵にひきつれられ
「私は、ただ見たいのだ。ただ見たいという一心で・・」
三千キロも奥地 サハラを超えて見に行った       カメラマン富山治夫と二人で

準備の方も 「東京で思案していてもはじまらない。とにかく行ってみることだ。」という軽装である
サハラは「…日陰で65℃超える・・サソリ マムシ トカゲ 蟻 蠅・・があたりまえに生息し 」疲れ切って やっと眠れるという過酷さだ

そして 五千年も以前に描かれたという「セファールの巨人」を前に
                                                                                                               
                                                                                                            映像をお借りしました

「この稚拙な絵が なぜ私に かくも名状しがたい印象を呼び起こすのだろうか ・・・
と・・・熱風に巻き上げられた砂のサラサラサラサラという音を聞きながら夢うつつで絵に対していた」と述べている

森本氏はそれ以前にもアフリカの砂漠を旅し 記事にしている
この本は旅をルポするとともに 何もない暑くて思考もままならない砂漠にあって 数々の哲学者の思いを噛み占めた本というのも面白い

東京は連日 暑い 
                                                                     
この本を読むと 暑さ もサハラは異次元 
でも人間は生きれる というメッセージを受け取った

漫画「火の鳥」

2023-04-23 | 読書 本
チャットGPTに関する動画をウオッチしているうち
手塚治虫の傑作「火の鳥」を思いだした
似たようなストーリーがあったナ・・・と
本箱の大半の本は処分したが 
漫画「火の鳥」全9冊 捨てきれないで残っている
・・・昭和51年から56年にかけて「マンガ少年 別冊」として発刊された雑誌
                 
その2巻目 未来編 西暦3404年
地球は急速に死にむかっていて 人類は巨大な地下空間に居住している
その世界ですべてを取り仕切っているのは巨大な電子頭脳で 
人類はすべての判断を電子頭脳に頼っている 
 (漫画の電子頭脳は量子コンピューターに似てなくもない・・と思ったり)
手塚治虫は悲劇的な結末を描くが
宇宙生命(コスモゾーン)という深淵なる物差しのもと
人類は改めて再生する物語になっている
           
人工知能AIが 大天才が着想し構築した理論をもとに
創造する自由を得たらどんな風景が世界に広がるのだろうか

チャットGPTとか量子コンピューターの融合は
万能型人工知能機のハシリと思うのは考えすぎか・・・・・



三國シェフ

2023-01-30 | 読書 本
「三流シェフ」という本を読んだ
 一気読みした
読み易いし
料理人 三國清三が語る己の生きざまに乗せられた

自分の目指すべき旗印・・料理人というのが
いつも目の前にあって
そこに内外の料理の巨匠たちが
その旗の色を鮮やかに染めてゆく

8年位ヨーロッパで修業し
東京に自分の店を持ち 40年弱
昨年にその有名な店を閉じた
何年か後 席数8席の小さなお店「三國」を
新たに開店するという夢をもって

ユーチューブに色々料理を紹介してるというので
さがした
ここの#229「僕の紹介」というところに
この本の内容を自ら語っている
ジンジャーエールでグビグビ喉を潤し
ヒグマが語っているようで面白い

生物としてのヒト

2022-08-09 | 読書 本
「生物はなぜ死ぬのか」という小林武彦の新書を読んだ。

それによると

地球上に生物が発生し、「変化」と「選択」を経て今が在る。

何億年もの間、多くの生物が発生し、環境に適合しない生物は絶滅し

結果としていま地球上に多様な生物が存在している。

人類も同じく「変化」と「選択」を重ねて現代人が在る。

ヒトの染色体にあるテロメアは細胞分裂のたびに短くなり

本来の長さの半分くらいになると、そこから信号が発せられ

老化のスイッチがオンとなり、老化が始まりその過程で死ぬ。

つまり免疫力や組織の細胞の機能不全に陥り死ぬ。  らしい。

ヒトの体はとてもデジタル的にできている。

生きモノとしてヒトの「死」は誰にもプログラムされてる。

ただヒトは「感情」を持った生物。

このアナログ的な価値観は、デジタル的な自己の消滅を容易に認めない、

認めようとしないのかもしれない。「アクシデント」で死なない限り

この「生」への執着はいつまでも残るということ か。

考えてみれば当たり前のことだ。

蝉の脱皮を見てそう思った。

令和元年7-12月に読んだ本

2020-01-04 | 読書 本
1.漆黒の霧の中で   2.許永中日本の闇を背に   3.九十歳。何がめでたい 
4.即興ラプソディー・・・人の落語を聞いて、自分より下手と思えば、それは同じくらい、同じくらいと思えば、相手の方が上手い。上手いと思う位なら相当差がある。人間には欲耳というものがある。(古今亭志ん生) 
5.暴君    武士は守死であるべきだ。守死とはつねに死を維持していることである。(吉田松陰)
6.夜の塩   7.アンソロジーそば   8.都知事失格   9.豊臣秀長   10.たとえば君   11.悪医   12.廃用身
13.平成三十年    14.神座す山の物語   15.完璧という領域   16.嫌われる勇気   17.蛍草 
18.川あかり   19.長野殺人事件   20.お腹召しませ   おのれに何もなければ磨いてもすり減るだけのこと。しまいには何も無くなって消え去りましょう。  21.遺譜   22.あおなり道場始末   23.猛老猫の逆襲   24.老父よ、帰れ   25.銀行支店長、走る 
26.風の歌を聴け   27.朝日殺人危険   28.ジャズ・アネクドーツ   29.まず石を投げよ   30.思い通りの死に方