良い映画だ。2時間余り画面にくぎずけ・・・
バックダンサーを世界中からオーディションで選考する。多くの肌の色の違う若者がマイケルとともに踊れることを感動をもって応募してくる。選ばれステージに立ったダンサーたちはまさに超一級のダンスセンスに溢れた若者たちだ。マイケルが「こうしたい」と振り付けることをすぐに理解して、スピード感溢れるダイナミックでパワーに満ちたダンスを展開する。「ウェストサイドストーリー」も当時は斬新だったけれど、この映画は物語ではない。マイケルの個人的な記録なのだ。夢のロンドン公演のための稽古風景を実写したものだ。「フルヴォイスでは歌わない」と映画で本人が語ってるけど、自分には十分に歌っているように聞こえた。か細い高音も、十分にサビをきかした叫ぶような歌いっぷりも見事なものだった。それよりもなによりもダンスシーンは圧巻と思う。マイケルは超人的だ。多くのエネルギー溢れた若者たちを凌いで踊りまくる。ホントにどの場面を切っても絵になるというか人間の瞬間的な美を体現していると思う。それにしても彼の手は大きい。・・と思う。その手が自在に空間を切り取ってゆく。そのスピード、そのカタチ。脚がまた長くていい形してるのだ。これが信じられないくらい多様に表現するのだ。前にも後ろにも。もちろん空中にも。もう全身がダンスなのだ。彼は自分の感ずることを、バックの演奏者・ボーカリストに躊躇なく伝え、創造をしてゆく。細かいこともキチンとそれを再生してゆく。あの大音響に誰もミスるということがない、誰も夢中になってマイケルとともにショーを作り上げてゆくのだ。映像や音響を支える技術人もみんな天才的な人達ばかりに見えた。それが実現できなかった。マイケルのあまりにも唐突ともいえる死。一体何なのだ。なにが真実なのだ。と思う。マイケルはこの映画で、地球の再生を訴えている。またいつも「アイ ラブ ユー」と言って人に目を向けている。あんなに人から傷つけられていながらも。すごいエンタテイナーだったのにまったくもって残念だ・・だけでは表現できない。マイケルを惜しむ人達はたくさんいる。平日というのに、また上映が延長されたというのにもかかわらず、今日上映分の座席は全て売り切れということからもわかる。 合掌