言葉のクロッキー

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その他勝手な思いを日記代わりに。

能 「朝 長」

2019-02-17 | 能・芸能
横浜能楽堂企画公演  「風雅と無常 -- 修羅能の世界」  2月16日

  後シテ(源朝長)   梅若実

  前シテ(青墓の長者) 梅若紀彰

  ツレ(侍女)     山中迓晶

  ツレ(従者)     山中景晶

  ワキ(旅僧)     殿田謙吉

  ワキツレ(従僧)   則久英志 野口琢弘

  アイ(長者の下人)  山本泰太郎

太鼓: 小寺佐七  大鼓: 河村 大   小鼓: 曽和正博   笛:  一噌幸弘

地謡: 観世喜正 内藤幸雄 川口晃平 谷本健吾 坂真太郎 角当直隆 山崎正道 馬野正基

観音懴法会: 相国寺僧侶 10名


修羅ものの1曲。こんなにたっぷりとそしてじっくりと聴いた曲はない。すばらしかった。

旅の僧の名ノリが良かった。これから演じられるであろう世界を十二分に想像させてくれた名ノリだった。

前シテの語。しんと静まり返った見所に、染み入るようなシテ語り。説得力があって、語り口にくどさも粘っこさもなく、朝長が自害した有様を語る。

中入りで、相国寺より来た僧侶10人による観音懴法会の法要が実演された。「実際の法会は4時間程に及びますが、今回は能「朝長」に併せた特別な形で行います」と解説に書かれているが、中入りとしては長かった。シンバルのような打楽器を静かに静かに打ち鳴らすのや僧侶たちの本物の読経。謡とも違っていて興味深かった。陶酔してゆくような美しさを感じた。


この懴法会の後に後シテが登場する。「あらありがたの懴法やな・・・」と。
そして朝長の亡霊と僧とのかけあい、それを強力に支える地謡の頑張り。静かな読経の後だけに、謡の持つ力強さを十分に感じ取れる後半だった。