言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

映画「帰郷」

2019-11-14 | 映画 音楽
第32回東京国際映画祭 特別上映 11月4日 TOHO CINEMAS Roppongi Hills SCREEN7
ゲスト:仲代達矢 常盤貴子 北村一輝 田中美里 杉田成道監督

新聞の抜粋:仏カンヌで開かれたテレビ業界が対象の国際見本市で初公開された作品で、作家の藤沢周平の短編小説が原作。CS放送などの「時代劇専門チャンネル」のオリジナル作品で、時代劇では初となる8Kで撮影。第32回東京国際映画祭は特別功労賞に俳優、仲代達矢(86)と大林宣彦監督(81)を選んだ。

映画界のお祭り。たくさんの国内外の映画が上映されていた。その中での時代劇は異色。観客も少なかろうと思って言ったら、満員。メディア関連の方々が前席のほうに詰めていたのはゲストの面々の撮影のためでした。

仲代達矢氏は86歳というけれど、老けた感じなど毛頭なくすごいと思った。時代劇に通用しそうな役者さんは少なくなったけど、この作品に出てくる年寄りは、中村敦夫79歳、橋爪功78歳なのだが、仲代と中村が大太刀回りを演ずるのだ。なんか滑稽なところも感じて面白かった。それはかつての喧嘩相手(中村敦夫)にも会いたくて故郷に帰ってきたというのだから、男っぽさを感じてしまう。自分の娘(常盤貴子)を妾にしようとしているその相手。歳はとっても顔見れば喧嘩するというわけで、中村が切り下げた刀が失敗するや仲代にブッスリと刺されてしまい一件落着。辺りは血まみれの修羅場。テレビ的、歌舞伎的。舞台は信州・木曽福島。日本の自然の風景をみずみずしい美しさで撮られていた。

映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」

2019-11-12 | 映画 音楽
久しぶりの画家の映画。主人公はゴッホ。星の数ほど画家はいるのに、やはりゴッホかという思いはする。

監督のジュリアン・シュナーベルという人はかつては有名な画家だったらしい。彼はゴッホの目線で映画を撮りたかったらしく、映画での風景が、まるで動くゴッホの絵のようですばらしい。ただ画面の動きが大きい。意識的なカメラワークかもしれないが、観ずらいところもあった。小さな小屋の中の様子なんかは目が回る感じがした。

自分の絵とか周囲に懐疑的なゴッホに、ゴーギャンは「南に行け」と勧めるのだった。
南フランスのアルル。色彩溢れるアルルで、何かが弾けたように、彼は自然に埋もれるがごとくたくさんの風景を描く。
絵具をたっぷり使い、彫刻のようだというゴーギャンなのだが、これでもかというくらい強烈なインパクトを放つ黄色。緑、空の色。もう迷いはないという自信に満ちて作品を生み出していったのだ。だがどこか異常に見えた行動はアルルの住人からは警戒されてしまう。犯罪ともとれる行動を幾度も起こし、精神異常者の収容所へ収監されてしまう。
収監された施設から釈放されるときの最終判断は、牧師との面談によるらしいが、この面談で取り交わす言葉のやり取りにはこの映画への、たくさん意味が含まれていたように思う。

経済的に困窮者とも言える状態で亡くなったゴッホの絵が、現在信じがたい値で取引されていることにものすごく違和感を感じる。絵はチューリップ騒ぎと同じなのか、それが今も続いているのではないのか・・そのうえ銃に撃たれ、亡くなってからその名声が高まるなどというのはもう理不尽に近いものを感じる。

背景に流れる音楽だけれど、画面がどちらかといえば静かな印象なのにやたらと大きな音量で・・特にピアノの音が耳にガンガンと入ってくる感じでうるさかった。この映画館だけの事かどうかは知らない。

ゴッホ役のウィレム・デフォーはゴッホになり切っていたと思う。名演。「狂人の目」を感じさせたら快演と思う。

アドラーの教え

2019-11-10 | 読書 本
・他者の期待など満たす必要がない。
・善悪でも道徳でもなく「勇気」の問題。
・逃げてはならない。一番いけないのは、「このまま」の状態で立ち止まること。
・自分に不信感を抱いている相手と同じ空間にいて、自然な状態でいることなどできない。
・可能性のなかに生きることができる。
・自分を変えることができるのは、自分しかいない。
・他者の課題に介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。
・自由とは、他者から嫌われることである。
・他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。
・「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのだ。
・関係が壊れることだけを怖れて生きるのは、他者のため生きる不自由な生き方だ。
・信頼することを怖れていたら、結局は誰とも深い関係を築くことはできない。
・人生は点の連続。
・計画的な人生など、それが必要か、不必要かという以前に、不可能なことだ。
・「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てていたら、過去も未来も見えなくなる。
・人生には一般論として語れるような意味は存在しない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ。

  「嫌われる勇気」 自己啓発の源流、「アドラー」の教え  岸見一郎/古賀史健