言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
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その他勝手な思いを日記代わりに。

喜謡会大会

2013-10-29 | 習い事
これは現在、観世喜正師が受けついでいる素人会で、今年、会が発足して20年目の節目にあたるそうだ。さる10月26・27日にわたって開かれたお弟子さんたちの発表会だ。内容は、連吟・独吟・素謡・仕舞・舞囃子・半能・能と一通り全部あった。能は「羽衣」と「石橋」。特に最後に演じられた「石橋」が面白かった。中入り後、舞台に豪華な紅白の牡丹の花が一畳台に乗って前面に置かれた。高さが2メートル位あったような気がする。野村萬斎師のアイ語りが良かった。鏡の間から語りが始まるのだけど、見所の雰囲気が程よく締まったように思う。そしてすごく印象的だったのは、善正師を地頭とする観世九皐会の中堅、8名の謡。顔を真っ赤にして、全員が一体となった力強い謡。そして亀井忠雄師をはじめとするお囃子が負けじと囃すなか、女性のお弟子さん達が赤獅子と白獅子を、豪壮というより、楽しそうに屈託なく舞った。もともとこの能の後半は華やかなのだけれど、テンポよく躍動感溢れる舞台を作るのはそれなりの稽古を積み重ねてないとできない。まして地謡とお囃子のすごい気迫に堪えて舞うのだからすごいものである。素人の会とはいえ、あそこまで盛り上げることが出来るんだということと、改めて能「石橋」の面白さを感じた舞台だった。