大阪の夏祭りで一番最初の愛染堂(勝鬘院)の「愛染まつり」(6/30~7/2)。初日の宝恵駕籠 (ほえかご)パレードを見てきました。宝恵駕籠に浴衣姿の愛染娘たちを乗せて、谷町筋を練り歩く、にぎやかで楽しいお祭り風景です。
パレードに先立って午後1時半から、「あべのキューズモール」3階のスカイコートで出発式がありました。
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12人の愛染娘たち。
公募で300人以上の中から選ばれた10人と外国人枠の2人。「より多くの人に福と愛を授けられる愛嬌のある女性」が採用基準だそうです。
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さらに“祭り大好き娘”として公募された愛染女組(手前、緑の衣装)が出発式を盛り上げます。
このあと、大阪夕陽丘学園による浴衣ファッションショーがありました。
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華やかで、現代的ですね。
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色とりどりの浴衣がずらり。夏本番のムードを演出。
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愛染娘の“決意表明”。
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ショッピング街「あべの地下センター」では、買い物客やカメラマンに囲まれ、大変な人気。
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威勢の良い掛け声とともに、宝恵駕籠 パレードがスタート。
愛染さんじゃ~、
ほ~えっか~ご
べっぴんさんじゃ~、
ほ~えっか~ご
商売繁盛、
ほ~えっか~ご
(歌い出しは愛染娘、「ほ~えっか~ご」は担ぎ手がはやします。)
あいにくの雨でしたが、掛け声は梅雨空を吹き飛ばす勢い。あっけらかんと明るくて大阪らしいですね。
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愛染女組も宝恵駕籠を引き、谷町筋を練り歩きます(車輪がついた駕籠でした)。
愛染堂によると、宝恵駕籠の名前の由来は、江戸時代の年号「宝永(ほうえい)」。この宝永年間に芸者さんが駕籠に乗って愛染祭にお参りに来ていたのを再現しているとか。十数年前までは愛染娘ではなく、大阪市内の芸者さんが乗ってパレードしていたそうです。
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愛染娘の笑顔で街が華やぎます。
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沿道の観客に応える愛染娘。すごい人出。報道関係やアマチュアカメラマンの姿も目立ちました。
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カメラに手を振ってくれました。
パレードが愛染堂の境内に到着すると、多宝塔の前で恒例の「駕籠あげ」が行われました。屈強な担ぎ手によって、掛け声とともに愛染娘の乗った駕籠が高々と掲げられ、ぐるりと一回転します。
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揺れる駕籠の上で愛嬌をふりまく愛染娘。パレードの最高潮。
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駕籠はものすごい重さがあるそうです。担ぎ手がそれを渾身の力で支えて回します。
男たちの迫力と愛染娘の華やかさ。まさに日本の伝統、ここにあり。
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愛染娘12人全員が“あがり”ます 。全員をご紹介できないのが残念ですが、みんな表情が素敵。高く持ち上げられる気分は最高のようですね。
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なんて晴ればれとした笑顔。支える方は御苦労さまです。
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撮った中で最高の笑顔がこの娘さん。元気一杯!
宝恵駕籠は、紅白の布、ちょうちんや風船、朝顔、それに「愛染かつら」の造花で飾られています。「愛染かつら」というのは愛染堂にある縁結びの霊木。愛染堂のホームページから引用させてもらうと…
『樹齢数百年といわれる巨大な桂の木に、ノウゼンカズラのツルが巻き付き、桂とカズラが一体となったその姿は、まるで仲の良い男女が寄り添っているように見えることから、カップルの縁を取り持ってくれる「恋愛成就・夫婦和合の霊木」として何百年もの間、この地で親しまれています。』
とのこと。なるほど、それでノウゼンカズラの造花が使われているわけですね。愛染娘の髪飾りや、お寺の花守りもこの花でした。
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花守り。お守りとしては珍しいものです。
撮影後、愛染さんにお参りしました。愛敬・人気・縁結びの明王さま。
お寺の在り方が古くさくなく、ホームページも親しみやすいです。愛染まつりのチラシは竹久夢二風のデザインで気に入りました。ホームページ(PDF)をご覧ください。
そのチラシに「愛染まつりにおまいりして、その行き帰りの途中で雨に降られる事を愛染パラパラといいます。愛染パラパラに降られたその二人は結ばれるという言い伝えがあります。」と書かれていました。
この日の雨も、誰かの幸せにつながったかもしれませんね。
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撮影カメラ・レンズ
Canon EOS KissX4
TAMRON AF 28-300mm 3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical[IF]Macro
撮影データ
シャッター速度優先AE 1/80秒(地下街)~1/125秒(屋外)
ISO感度 400
露出補正 +2/3~+2
画質 RAW
ホワイトバランス オート
ピクチャースタイル スタンダード
画像処理 雨天のため色調が少し寒色系に偏っており、Digital Photo Professionalで色温度調整。その他、トリミング、コントラスト調整