つれづれ写真ノート

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キヤノン「EOS 5D IV 」を試写

2016年10月04日 | カメラ

9月8日に発売された、キヤノンの新しいフルサイズ一眼レフ「EOS 5D IV 」。

注目のカメラですが、画質はどんなものか、キヤノンデジタルハウス梅田(大阪市北区)で、少しだけ試写させてもらい、データを持ち帰ってきました。

 

EOS 5D IV 」に、レンズは EF70-200mm F2.8L IS II USM を装着。

しめて、約70 万円 (キヤノンオンラインショップ税別価格)の贅沢な組み合わせ!

 

実写画像

以下、「EOS 5D IV 」とこのレンズによる店内の実写画像です。

画質モードは新しく搭載された「デュアルピクセルRAW(DPRAW)」。RAW現像ソフトDPP をバージョン4. 5 にアップグレードしたうえで現像しました。

 

左奥の花にAF でピントを合わせ、絞り開放、ISO オート(この場合 ISO 320 )で撮影。

ダイナミックレンジも拡大しているそうで、明部から暗部までトーンが豊かな良い描写。

 

この画像の詳細データです。

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撮影モード  絞り優先AE
Tv(シャッター速度)  1/160
Av(絞り数値)  2.8
測光方式  評価測光
露出補正  0
ISO感度  320
ISO感度自動設定  オン
レンズ  EF70-200mm f/2.8L IS II USM
焦点距離  190.0mm
画像サイズ  6720x4480
クロップ/アスペクト  3:2
画質(圧縮率)  RAW(DPRAW設定)
ストロボ  非発光
FEロック  オフ
ホワイトバランス  オート(雰囲気優先)
AFモード  AI フォーカス AF
測距エリア選択モード  領域拡大AF:上下左右
ピクチャースタイル  オート
シャープネス:強さ 3
シャープネス:細かさ 4
シャープネス:しきい値 4
コントラスト 0
色の濃さ 0
色あい 0
色空間  sRGB
長秒時露光のノイズ低減  しない
高感度撮影時のノイズ低減  標準
高輝度側・階調優先  しない
オートライティングオプティマイザ  標準
周辺光量補正  する
色収差補正  しない
歪曲補正  しない
回折補正  する
デジタルレンズオプティマイザ  しない
ダストデリートデータ  なし
ドライブモード  1枚撮影

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これまでにネットなどに出ている EOS 5D IV の実写レビューを読むと、画質の向上、とくに高感度でのノイズの少なさを評価する声が多いです。

そこで、感度ごとの画質(等倍)を見てみました。手持ち撮影の上、絞り値や構図を固定していないので、大まかですが。

 

ISO 320 (絞り F2.8、1/160秒)。

 

ISO 2500 (絞り F8、1/200秒)。

一気に感度をアップ。

花の茎部分などにザラツキがありますが、ほとんど問題なく使える感じ。

 

ISO 5000 (絞り F11、1/200秒)。

この辺りまで感度を上げても、かなり滑らか。ノイズもそう目立たず。

これだと、早朝・夕暮れ・夜景など暗所の撮影が楽そうですね。

 

ISO 32000 (絞り F11、1/1250秒)。

調子に乗ってISO を上げ続け、常用での最高ISO感度「32000 」に。さすがに画質は荒れ気味で、これを使うのはつらい印象ですが…

 

全体写真に戻すとこうなります。

ン? これが ISO 32000? 

冒頭の写真より絞り込んでシャープになった影響もあるのか、「結構使えそうじゃない!」という感じ。

何より、色の破たんが見られないのがいいですね。

Web の世界では十分に使える画質。

 

プリントするとどうでしょうか。試しにA4 サイズで出力してみました。

低感度の画像より解像感が落ちるのは当然ですが、ノイズ自体は離れてみると目につきません。近づいても、フィルムの粒状感に似たノイズなので「許容範囲かな」という感じ。

色ノイズはというと、全くないのでは…(あり得ないといわれそうですが)。

先日の「EOS 5D シリーズ スペシャルセミナー」(9月12日記事参照)で、写真家・GOTO氏が『常用ISO感度の最高 ISO 32000を試してみた。シャドー部に現れがちな赤や緑のノイズが全くない。これは“使える”高感度。』と話していたのは本当だったですね。

画像処理で適度のメリハリを付けてプリントすると、ISO 32000 でも、そこそこ鑑賞に耐えるのではと思います。

評判通りのすばらしい高感度性能です。

 

もっとも、画像処理の仕方でノイズが目立ってしまうことはありそう。

展示されている「EOS 5D IV 」の「シャープネス」の設定は、DPP では以下のように表示されます。

「アンシャープマスク」となっています。

これをただの「シャープネス」に変えることもできます。

ところが、ただの「シャープネス」に変えると、ノイズが目立ってしまいます。

 

個人的にはこれまで、「アンシャープマスク」は輪郭強調が太めの、いかにもデジタルっぽい感じがして、シンプルな「シャープネス」を弱めにかけるのが好みでした。

しかし、「EOS 5D IV 」は「アンシャープマスク」に設定することで、ノイズ処理が最適化されているのかもしれません。 

詳しいことは分かりませんけど…

 

 

さて、「EOS 5D IV 」のウリのひとつ、「デュアルピクセルRAW(DPRAW)」の画像補正も試してみました。

DPRAWで撮影した画像は、純正のRAW現像ソフト「DPP 」(バージョン4. 5)と組み合わせることで、(1) 被写体の解像感を微調整する『解像感補正』、(2) 前ボケ・後ボケの位置をずらす『ボケシフト』、(3) 逆光条件で発生しやすいフレアやゴーストを低減する『ゴースト低減』の3 つの補正ができます。

まず補正したい画像を表示して、「ツール」から「デュアルピクセルRAWオプティマイザを起動」を選択。

 

「デュアルピクセルRAWオプティマイザ」画面。画像は等倍表示しています。

 

「解像感補正」にチェックを入れます。これだけで、解像感がアップします。

「解像感補正」チェックなし。

 

「解像感補正」チェックあり。

 

さらに「強さ」を最大の「10 」にしてみました。

くっきりはするものの、やや不自然か… このあたりは人それぞれの好みで調整することになりそう。

ただ、普通の「シャープネス」とどう違うのか、という疑問も。詳しい解説が欲しいところです。

 

ピント位置を奥や手前にずらすスライダーもついています。

「撮った後でピント位置を変えられるなんてすごい」と思っていましたが、この花の被写体では、はっきり効果が分かりませんでした。

キヤノンのサンプル画像ではポートレートのまつ毛にピントを合わせた例を紹介。ネットでは、斜めから砂浜を撮った画像で、ピント位置が前後に変わる作例が紹介されていました。効果は、被写体しだいのようです。

 

「ボケシフト」でボケを動かすスライダー。

「右」へ動かすと、背景のボケが右へ、逆に手前のボケは左へ動きます。

「左」へ動かすとその逆になります。

 

「ボケシフト  右」。

 

「ボケシフト  左」。

差が分かりますかね~

背景のタテじまに注意してください。

動きはほんのわずかですが、カメラの視点を左右へずらしている感覚は、まるで3D を見ているよう…

 

シビアな撮影では役に立つ機能かも、です。

 

「ゴースト低減」は、ふさわしい被写体がなかったので試していません。

 

ショ―ルームであまり粘るのも何なので、試写はこの程度で終わりに。

ちょっと触っただけでしたが、間違いなく高性能なカメラです。

欲しい!

でも、やっぱり値段がネ。(10/4現在、価格.com の最安で387,990円)

「オータムジャンボ」当たらないかなァ…

 



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