つれづれ写真ノート

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ペンタックス「K-1」の魅力(CP+2016 & 体感イベント)

2016年03月07日 | カメラ

リコー初のフルサイズデジタル一眼レフ「PENTAX K-1」。

CP+2016」で、タッチ&トライ。後日、大阪で開かれた「PENTAX K-1 体感&トークライブ」も体験。

2つのイベントを通し、「PENTAX K-1」について考えてみました。

 

まず「CP+2016」から。

「CP+2016」リコー(ペンタックス)ブース

CP+2016」ではすごい人気。行列の待ち時間が一番長かったのではないでしょうか。

 

リコーブースの「K-1」タッチ&トライ。

写真では隠れていますが、「PENTAX」と書かれた白い仕切りの向こう側に、長蛇の列が出来ていました。

「80分待ち」という掲示が出ていたものの、正味は60分待ち。でも、しんどかった~

 

 

並んで待って、ようやくタッチ&トライ。これが「K-1」。

 

ボディーは頑丈で「ごつい」感じです。

本体のみの重さは925g(カード、バッテリー除く)。

 

同じクラスの高画素一眼レフと比べると(いずれもカード、バッテリー除く)、

 ・キヤノン 5Ds  845g

 ・ニコン D810  880g

 

ペンタックスの方が重いですね。過酷な環境に耐える「フィールドカメラ」ゆえの重厚さ。

それでいて、メカがギュッとしまったコンパクト感はあります。

 

重さ以外の、おもなスペックは次の通り。

・35mmフルサイズセンサー3640万画素
・ISO  最高 204800
・視野率100%光学ファインダー
・ボディ内5軸 ・ 5段手ぶれ補正
・33点(クロス25点)AFシステム
・-3EV 低輝度対応AE・AF
・1/8000 秒高速シャッター (耐久30万回)
・連写速度 最高約4 . 4コマ/秒(APS-C クロップ時は、最高約6.5コマ/秒)
・連続撮影可能コマ数  CH 時でJPEG 約70コマ(RAW 約17コマ)
・リアル ・ レゾリューション ・ システム(超高精細画像)
・ローパスセレクター(ローパスフィルター効果あり、なしを選択)
・回折補正(絞り込み時の回折ボケを低減)
・明瞭コントロール/肌色補正 
・フレキシブルチルト式液晶モニター
・アウトドアモニター(液晶モニターの明るさを選択)
・操作部アシストライト
・自動水平補正/構図微調整
・スマートファンクションダイヤル
・GPS/電子コンパス
・アストロトレーサー
・動画 Full HD
・4Kインターバル撮影
・Wi-Fi 対応
・Kマウントレンズが、すべて装着可能(APS-C レンズはクロップで使用)
・デュアルスロット (SDカード2枚)
・使用温度 -10℃~40℃
・防塵・防滴構造

このなかで、もう少し頑張って何とかしてほしかったのは、連写速度の遅さぐらい。

(連写速度については、後日の「PENTAX K-1 体感&トークライブ」で、データの書き込みに時間がかかるため、4 . 4コマ/秒より上げられなかったとリコーの開発担当者が説明していました。3640万画素の高画素デ―タですから…)

 ISO  最高 204800 はすごい。「最高レベルで両立した、解像力と高感度」が、製品のキャッチフレーズ

 

シャッターを切ってみると、他社のカメラとは音が違うというのが第一印象。

「カシャ」ではなく、「チュルッ」とでもいうような音。

ソフトで、それなりに良い音です。

 

この音は、「フローティングミラー構造」から来るのかも、と思ったりしています。

リコーによると、

『35ミリフルサイズイメージセンサーに対応し、かつ視野率約100%のファインダー光束をカバーするためには、メインミラーおよびミラーボックスの大型化が不可避でした。そこで、ミラーアップと同時にメインミラーが退避する新機構を開発。ミラーボックスの大型化を極限まで抑えています。』

としています。(「K-1」のページより。イラストも引用

 

 

 

 

 

ミラーが回転軸ごと退避、というユニークな仕掛け。可動部が増えることで、耐久性が気になりますが、シャッターユニットは30万ショットの耐久性能を確認しているとのこと。開発者の話では 、実際のところ、40万回程度は大丈夫ということです。

 

ざん新な「フレキシブルチルト式液晶モニター」。

横位置では、従来のチルト式と同じですが…

 

縦位置ではこのように… 

花とかポートレート、高層建築を撮る時、理想的な形ですね。従来のチルト式では、こんな芸当はできません。

 

4本のステンレス棒(ステー)で液晶を支え、自在に動かせるようになっています。これによって、常にレンズの光軸と一致。横開きスタイルのバリアングル式のように光軸から離れることがありません。

液晶モニターを傾けられる角度は、カメラが横位置状態で、上下方向に約44度(ウェストレベル時:約90度)、左右方向に約35度。

 

「ヤワそうだけど大丈夫? 壊れないの?」

ちょっと不安になりますが、液晶モニターをつかんでカメラをぶら下げても壊れないそうです。(試さないでくださいね。責任は持てません…)

 

もうひとつの仕掛けが、暗い所で便利な「操作部アシストライト」。

 

レンズマウント上部、カードスロット、ケーブルスイッチ端子、液晶モニター裏側の計4か所にLEDがついており、必要な時に点灯できます。

上は、マウント上部のLED(PENTAX ロゴの “P” の下。)夜景撮影でレンズ交換するとき、助かりますね。

 

液晶モニター裏側にある4つのLED。液晶モニターを起こすと、ボディーのボタンやダイヤル類がぼんやりと照らされ、カメラの操作がしやすくなります。

星空の観察会など、光がほかの人に邪魔な場合もあるので、LEDの光の強さを落とすこともできます。

 

あと2か所、カードードスロットはSDカード交換、ケーブルスイッチ端子部はレリーズケーブルを差しこむときに便利。

 

ところで、レンズ交換・SDカードの交換は「電源OFFで行うこと」と、たいていのカメラの取扱説明書に書いてあります。

電源OFFで、LEDが点灯するの?

 

タッチ&トライで説明してくれたリコーの人によると、電源OFFで行うべき操作(つまりレンズやSDカードの交換)については、電源レバーがOFFの状態でもLEDが点灯するようになっているそうです。

後日、「PENTAX K-1 体感&トークライブ」でもその話になり、どうやら、電気回路をいじることで実現した模様。そのために「お金がかかりました」と、リコーの技術担当者。

 

「自動水平補正」という、親切な機能も。

液晶画面の上部、緑のバ―が水平の傾きを示しています。

 

(上の写真のアップ) 中央の縦線が1本になると完璧に水平。写真では2本なので、微妙に傾いています。

ところが、この状態で撮っても、カメラがセンサーを動かし水平の写真に補正してしまうのです。

 

試したところ、緑のバー中央の縦線が3本ぐらい(の傾き)までは、水平に補正できるようです。

(カメラマンを甘やかすことにならないかなァ~ )

 

中央の縦線の本数がもっと多くなる(傾きがひどい)と、バー全体が黄色くなり、自動では水平補正できないことを教えてくれます。

 

CP+2016」では「K-1」グッズも展示していました。

 

PENTAX K-1 体感&トークライブ

「PENTAX K-1」の発売(4月下旬)までに実機を体験できる「PENTAX K-1 体感 & トークライブ」が、3月5日の大阪会場を手始めに、東京(3月12日、13日)、名古屋(3月19日)、福岡(3月21日)、札幌(3月26日)で順次開催されます。

このほか4月にも「K-1体験会 」が、盛岡、広島、新潟、金沢、仙台、高松、静岡、鹿児島の8都市で開催。

3月5日、大阪市福島区の堂島リバーフォーラムで開かれた「PENTAX K-1 体感 & トークライブ」を見てきました。

 

最初に、写真家・田中 希美男氏 と「K-1」開発担当者による「スペシャル対談」 。

ペンタックスに詳しい田中氏のトークは、去年の「CP+2015」(2015年2月18日記事参照)でも面白かったです。

今回は、「幻のK-1」があったという話が紹介されていました。

 

・「幻のK-1」

約15年前、35mmフルサイズでその名も同じ「K-1」というデジタルカメラが開発されていたそうです。フィリップス製の600万画素センサーを搭載。発売直前までいったものの、何かの理由で急きょ取りやめに。

どういういきさつがあったかは、触れられませんでした。(*ウイキペディアによると「価格が非常に高価になり市場性が低い」という理由)

開発担当者によると、今度の「K-1」は技術的にはイチから造り上げた全く別のカメラ。しかし「(最初のK-1と)心の中ではつながっていた…」と。

 

・リアル・レゾリューション・システムについて

APS-C機の「K-3 II」から搭載された、リアル・レゾリューション・システムは、『イメージセンサーを1画素ずつ動かしながら4枚を連続撮影。1画素ごとにRGB各色の情報を得ることで、1枚の超高精細画像を生成する技術』(リコー)。なので、4枚の連続撮影中に被写体が動くと、ズレた画像になります。

良く似た機能のオリンパスの「ハイレゾショット」もそうですが、三脚必須、静止した被写体、というシバリがあります。

このため、“特殊な用途にしか使えない”という印象が強かったですね。

 

リアル・レゾリューション・システムの説明。本来、動かない被写体しか適用できないのに、動く被写体を撮るとこうなる、という例。1人の人間が4人に写っています。

 

ところが… 「K-1」が凄いのは、「動体補正モード」を搭載したこと。

上の写真がズレた画像なのは「動体補正モードOFF」だからですが、これを「動体補正モードON」にすると、ぴたりと普通の画像になっていました(その写真は撮り忘れ)。

被写体が動いても、撮影中に動いた領域を検出して補正するそうです。

 リアル・レゾリューション・システムの設定。

1番上の白文字「MC」が「動体補正モードON」。2番目の灰色「MC」が「動体補正モードOFF」。1番下が「リアル・レゾリューション・システムOFF」。

(「MC」って、分かりにくい。この設定画面、改善の余地あり… )

 

リアル・レゾリューション・システムを適用した画像は7000万画素相当で、色や立体感もぐっと現実に近くなるとのこと。あとでも説明しますが、「動体補正モード」搭載の結果、 その有用性が大幅にアップしたと思います。

 

肌色補正 の解説。肌荒れが目立たない「美肌2」設定が、女性に好評だそうです。

 

フルサイズ用レンズ以外でも、これだけの従来レンズが使えるという、田中氏の話。

ペンタックスユーザーでKマウントレンズを何本か持っている人は、「K-1」のボディーだけ買い、従来のレンズを試してみるのも良いとのことでした。

 

・高感度性能を体験

 

会場内の展示。「A社 5060万画素フルサイズ機、B社 3635万画素フルサイズ機との高感度比較(ISO 12800)」。これって、もろに キヤノン5Ds、ニコンD810 じゃありませんか… すごい対抗意識ですね。

たしかに、「K-1」のリアル・レゾリューション・システムON の画像の方が、解像感を維持しながらノイズが少ないです。

 

高感度体験コーナー。

 

暗いボックスの中の被写体を実写。(写真の液晶画面は白飛びしてしまっています。実際にはもっと良い色味です)

ISO  204800 では、さすがにノイズが多いですね。でも色はしっかり。

ISO 50000 あたりで、かなり使えるかも、という感じでした。

いや、結構すごいです。

 

・「リアル・レゾリューション・システム」を手持ちで!

タッチ&トライコーナー。いろいろなレンズを装着して試せます。

 

「CP+2016」では試せなかったリアル・レゾリューション・システムを、ここで試してみました。

本来、三脚が必要なのに、無理を承知の上。できるだけ脇をしめて手持ち、「動体補正モードON」にして会場内を撮影。

4 枚の画像撮影に1 秒ほどかかります。「カッ…シャ」と1 秒のスローシャッターを切る感じ。

これが… 驚きました。液晶画面を見る限り、普通のスナップのように撮れていました。

「手持ちで撮れるじゃないの!」

 

で、「動体補正モードOFF」にして撮ってみると、全く使い物にならないブレブレの写真に。

「動体補正モード」の威力は絶大!

 

RAWで撮っておけば、「動体補正モードON」をあとで「OFF」にすることもできます。案外気軽にリアル・レゾリューション・システムを楽しめそうです。

 

イベントとは別の話ですが、「フォトテクニックデジタル 3月号」に、「K-1」のリアル・レゾリューション・システムで「動体補正モードON」にして撮ったポートレートが掲載されていました。

「モデルに固まってもらう必要があるが、肌の色のくすみがない画像になった」とのテスト結果。

人物撮影は無理とされてきたリアル・レゾリューション・システム。これから、新たな可能性を広げるのでは、と思いました。

 

「K-1」のセンサー(左)。

 

野外での過酷な使用に耐える、マグネシウムボディー、メタルシャシ―。

 

「K-1」ギャラリー。

 

 

北海道の美しい自然をテーマにした作品の数々。イベント会場では、これらを撮影した中西敏貴氏のトークのほか、谷口泉氏の公開ワークショップもありました。

 

見てきた印象では、ペンタックスユーザーが、どっと「K-1」に走りそうな予感がします…

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撮影カメラ     ソニーRX100

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関連サイト

  ・PENTAX K-1 体感&トークライブ

  ・PENTAX K-1 スペシャルサイト

  ・『PENTAX K-1 スペシャルギャラリー by 中西敏貴 』(デジカメWatch)

  ・『PENTAX初の35mmフルサイズデジタル一眼レフ「K-1」 』(デジカメWatch)  



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