腸管虚血を合併する急性大動脈解離に対するCentral Operationの妥当性について発表しています。
この発表について
CentralOperationを行ったにもかかわらず、腸管虚血が残存し、下肢血流も不十分な症例に遭遇したことがあります。そのような症例の場合、先生であれば腸管の血管にバイパスをする際、インフローはどこから持ってくるのが良いとお考えでしょうか?
というご質問に対しての回答:
Central Operationを行っても下行大動脈以下の真腔狭窄が解除されない場合に下肢と腸管虚血が残存するということは、上行大動脈置換もしくは部分弓部置換術を術式として選択し、下行大動脈のリエントリーから偽腔に血流が多く流入してしまうことで起こりえます。下行大動脈の真腔を拡大させる弓部置換+オープンステントでは通常起こりません。この時にとる対処としてSMA,CeAへのバイパス追加よりも優先して行うべきは真腔の拡大であり、これには
①下行大動脈にステントを留置して真腔拡大(+リエントリー閉鎖)
②上行大動脈置換した人工血管から両側大腿、もしくは外腸骨動脈へバイパスを作成
③開腹して腹部大動脈に開窓術を追加する(経カテーテル的な開窓も可)
のいずれかを行う必要があります。
上記①②③を行って真腔狭窄が解除されても腸管虚血が残存する場合は、分枝内での真腔狭窄残存や内膜断裂などが起こっている可能性が高く、この場合はバイパス追加が必要となります。この時のソースとしては通常外腸骨動脈または総腸骨動脈が妥当で、そのためにも上記①②③により真腔の拡大措置を優先する必要があります。開窓術を行った後に解離のある腹部大動脈に大伏在静脈を吻合してバイパスを追加した経験がありますが、手技的な不安が大きく、おすすめできません。また、経験はありませんが②の下肢の血行再建した人工血管をソースにすることも可能と考えます。
いずれにせよ、術前CTで下行大動脈の真腔狭窄がある症例は弓部置換+オープンステントを行うべきであり、最初の術式選択で真腔狭窄を残さないようにすることが重要と考えます。その意味でも今回の発表での、腸管虚血がある症例にCentral Operationを優先することが妥当、という結論が正しいと信じて日常診療を行っております。
と、返答しました。
この発表について
CentralOperationを行ったにもかかわらず、腸管虚血が残存し、下肢血流も不十分な症例に遭遇したことがあります。そのような症例の場合、先生であれば腸管の血管にバイパスをする際、インフローはどこから持ってくるのが良いとお考えでしょうか?
というご質問に対しての回答:
Central Operationを行っても下行大動脈以下の真腔狭窄が解除されない場合に下肢と腸管虚血が残存するということは、上行大動脈置換もしくは部分弓部置換術を術式として選択し、下行大動脈のリエントリーから偽腔に血流が多く流入してしまうことで起こりえます。下行大動脈の真腔を拡大させる弓部置換+オープンステントでは通常起こりません。この時にとる対処としてSMA,CeAへのバイパス追加よりも優先して行うべきは真腔の拡大であり、これには
①下行大動脈にステントを留置して真腔拡大(+リエントリー閉鎖)
②上行大動脈置換した人工血管から両側大腿、もしくは外腸骨動脈へバイパスを作成
③開腹して腹部大動脈に開窓術を追加する(経カテーテル的な開窓も可)
のいずれかを行う必要があります。
上記①②③を行って真腔狭窄が解除されても腸管虚血が残存する場合は、分枝内での真腔狭窄残存や内膜断裂などが起こっている可能性が高く、この場合はバイパス追加が必要となります。この時のソースとしては通常外腸骨動脈または総腸骨動脈が妥当で、そのためにも上記①②③により真腔の拡大措置を優先する必要があります。開窓術を行った後に解離のある腹部大動脈に大伏在静脈を吻合してバイパスを追加した経験がありますが、手技的な不安が大きく、おすすめできません。また、経験はありませんが②の下肢の血行再建した人工血管をソースにすることも可能と考えます。
いずれにせよ、術前CTで下行大動脈の真腔狭窄がある症例は弓部置換+オープンステントを行うべきであり、最初の術式選択で真腔狭窄を残さないようにすることが重要と考えます。その意味でも今回の発表での、腸管虚血がある症例にCentral Operationを優先することが妥当、という結論が正しいと信じて日常診療を行っております。
と、返答しました。