僧帽弁閉鎖不全症において、僧帽弁の腱索断裂による逸脱症が逆流の原因となっている場合の自己弁を温存して修復する形成術の場合は、主に逸脱部位を切除縫合する方法と、弁を切除せず逸脱部位を人工腱索によって左房側に翻転しないように固定する方法の大きく二種類の直し方があります。弁尖を切除するResect法に対して人工腱索は自己弁の温存をするのでRespect法とも言われています。横須賀市立うわまち病院での人工腱索の縫着方法の原則は以下のとおり。
①人工腱索はCV-4(ゴアテックス糸)を使用する
②人工腱索はループテクニックによる固定を行なう
③ループの長さが対側の弁尖(逸脱部位が本来接合していた面:P2ならA2の健常腱索)の健常腱索の長さを測定し、それに乳頭筋の縫着部位の位置関係から2~3mm長い長さとする
④ループの乳頭筋縫着部位は、逸脱部位の対側の弁尖に腱索を出している乳頭筋のHeadのTip付近で、できるだけ頑丈な線維化組織に小さいPledget付でマットレス縫合とする
⑤ループの本数は逸脱部位の範囲によって決定する。P2全体、またはA2全体が逸脱している場合は前後の乳頭筋から2対ずつ4対。
⑥A2またはP2の逸脱には必ず前後の乳頭筋の両方向から人工腱索を立てて二方向に牽引する
⑦作成したループはすべて弁に縫着する(弁に縫着せずフリーのままに決してしない)
⑧弁尖への人工腱索の縫着は、必ず左房側の接合線にループの先端が来るように左房側のみに縫着する(CV-4を使用して縫着)
⑨人工腱索が対側の健常腱索とジャミングしていないか必ず確認する
この原則を確実に行うことで100%成功する人工腱索による僧帽弁形成術が可能となります。弁への縫着点については、長崎大学の江石教授から教わった方法を採用しています。
人工弁輪は基本的に同じサイズのものを使用していますが、症例によって種類を選択することでいいと思います。最近はPartial Ringを使用することが多くなっています。
ポイントとしてBよりもAのような位置に人工腱索をたてたほうが逆流は制御しやすいということです。しかしながら、これは心房性MRや左室拡大に伴うMRの症例に関しては必ずしも使えず、腱索断裂によるType IIの場合ということになります。
①人工腱索はCV-4(ゴアテックス糸)を使用する
②人工腱索はループテクニックによる固定を行なう
③ループの長さが対側の弁尖(逸脱部位が本来接合していた面:P2ならA2の健常腱索)の健常腱索の長さを測定し、それに乳頭筋の縫着部位の位置関係から2~3mm長い長さとする
④ループの乳頭筋縫着部位は、逸脱部位の対側の弁尖に腱索を出している乳頭筋のHeadのTip付近で、できるだけ頑丈な線維化組織に小さいPledget付でマットレス縫合とする
⑤ループの本数は逸脱部位の範囲によって決定する。P2全体、またはA2全体が逸脱している場合は前後の乳頭筋から2対ずつ4対。
⑥A2またはP2の逸脱には必ず前後の乳頭筋の両方向から人工腱索を立てて二方向に牽引する
⑦作成したループはすべて弁に縫着する(弁に縫着せずフリーのままに決してしない)
⑧弁尖への人工腱索の縫着は、必ず左房側の接合線にループの先端が来るように左房側のみに縫着する(CV-4を使用して縫着)
⑨人工腱索が対側の健常腱索とジャミングしていないか必ず確認する
この原則を確実に行うことで100%成功する人工腱索による僧帽弁形成術が可能となります。弁への縫着点については、長崎大学の江石教授から教わった方法を採用しています。
人工弁輪は基本的に同じサイズのものを使用していますが、症例によって種類を選択することでいいと思います。最近はPartial Ringを使用することが多くなっています。
ポイントとしてBよりもAのような位置に人工腱索をたてたほうが逆流は制御しやすいということです。しかしながら、これは心房性MRや左室拡大に伴うMRの症例に関しては必ずしも使えず、腱索断裂によるType IIの場合ということになります。