横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では95歳までを治療対象にしています

2024-11-20 10:00:32 | 心臓病の治療
 最近、高齢というだけで治療対象と考えない医師や医療者が多くなっていると感じるのは、非常に残念に思います。都会の病院では患者さんもたくさんいるので、治療対象も医療者側の方針で限定しても十分な利益も上げられるし、若い患者さんを扱った方が当然成績もいいので、施設の成績も名声があがりやすいのも事実です。
 しかし、地域医療は違います。横須賀市のような地方都市での市立病院では、地域の医療を担う責務があり、住民票のあるすべての住民に医療を提供することが当然です。具合が悪い、苦しいなど患者さんの主訴を解決することが使命であり、それには年齢は関係ありません。中途半端にその場しのぎの治療をして帰宅させても何度も病院へ繰り返し搬送されてくる患者さんがたくさんいます。そうした患者さんの根治治療をすることでその後の生活を安定して確立したものにできるのであれば、たとえ高齢であっても治療対象とするのは地域医療として当然のことです。そういう理想の元、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では診療を行っております。
 残念ながらそういう意識のない医師が非常にたくさんいて、それと日々戦っていますが、この少子化、人口減少の日本においては老人よりも若い人により税金や医療資源を使った方が理にかなっていると思ってしまうのは当然です。しかし、現在は年齢とは関係なく公平に医療を提供することを是としている体制には変わりありませんので、保険診療が認める限りできるだけ公平に医療を提供したいものです。
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ハーモニックSYNERGY販売再開!

2024-11-20 09:39:36 | 心臓病の治療
 日本の心臓血管外科医は大多数は、内胸動脈の剥離採取において、超音波メス=ハーモニックのフック型のハンドピースを使用していました。これは、Skeletenizeした内胸動脈が長く使える、電気メスによる熱損傷を防止できる、癒着の剥離などにも便利など様々な利点から、オフポンプ時代になって主流になったのでした。筆者も、郡山のラボで実際に2000年ごろに体験させてもらってからの付き合いで20年以上になります。
 それを昨年突然販売終了となり、国内の心臓血管外科医にハーモニックショックが起きたのでした。突然代替品を探したりしていましたが、MICS-CABGの件数の多い当院では、MICSでの内胸動脈採取に使用しているロングシャフトのフック型超音波メスを正中アプローチでも使用することとして代用してきました。
 国内からの強い要望が届いたのか、この販売が再開されることになったということです!供給量は不安定かもしれませんが、ちょっと一安心です。
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