横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

マイトラクリップ始動

2025-01-21 14:02:51 | 心臓病の治療
 横須賀市立うわまち病院では、2025年からマイトラクリップ実施施設が認定されました。今後は通常の正中開胸、低侵襲アプローチによる僧帽弁手術以外に、耐術困難と思われる低左心機能症例に対する経カテーテル的クリップ治療(マイトラクリップ)も選択肢に加わります。
 本年後半には、新病院でのTAVI開始も予定していますので、心臓の低侵襲治療のラインアップが充実することになります。
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MICS施設基準

2025-01-20 04:31:12 | 心臓病の治療
MICSに関する手術償還を得るためには施設基準を満たしていることを厚生局に申請して認可を受ける必要があります。先日指導に伺った施設が施設要件を満たしているのに申請していないことが判明しました。
その認定要件として
①心臓血管外科を標榜している
②MICSの執刀を5例以上実施した経験がある医師が常勤でいること
③人工心肺手術が年間50例以上あること
④弁膜症手術の執刀を200例以上経験がある医師が常勤でいること
⑤心臓血管外科の経験が5年以上が2名以上、10年以上が1名以上いること
⑥経食道心エコーの件数が年間100件以上あること
⑦人工心肺を経験30例以上ある臨床工学技士が常勤で1名以上いること
⑧緊急手術が可能な体制があること
 などです。最初の5例は低侵襲心臓手術学会が推奨するように、保険算定できない期間でもあり、この段階では指導医を招請して指導の下、手術を実施する必要がある、ということだと思います。
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MICS認定医・指導医

2025-01-20 04:05:28 | 心臓病の治療
 低侵襲心臓手術学会では、二年前から認定医、指導医制度が始まりました。こうした認定制度が始まって、突然に参加者が急増しました。認定制度が始まる前年はちょうどCOVIDパンデミックのさなかの福島市での開催で、筆者はシンポジウムでMICS-CABGについて講演を依頼されたため初の参加でしたが、この時は参加者72名ほどで、ちょっとアットホームな感じでした。翌年は認定制度が始まることで大阪の300人以上の参加者で会場はいっぱいで、ランチョンセミナーのお弁当が足りなくなり、急遽コンビニのサンドイッチを用意してもそれでも足りず、最後はランチパックを配布したと聞きました。やはり認定制度など直接診療にかかわるような資格が絡むと急に現実的になるようです。
 筆者は幸い一回参加していたので認定制度が始まると同時に認定医申請をして認められました。このとき20例以上の執刀経験と学会参加1回以上があれば認められる認定医と認められたのは70名ほどで、100例以上の執刀経験が必要な指導医はわずか20名ほどでした。指導医には3回以上の学会参加と、MICS関連の論文を含む3編以上の論文が必要で、筆者は昨年の学会参加でようやく指導医申請の資格要件を満たしたので、この時刻に申請が完了しました!神奈川県はMICS指導医はまだ2名しかおらず、認定医も6名ほどしかおりません。今回当院からは筆者意外にもう一名認定医を申請しますので、県内で最も認定医の多い病院になるかもしれません。
 今までは弁膜症手術のみが対象であったMICS認定制度でしたが、今回からはMICS-CABGや左心耳閉鎖術、心房中隔欠損症閉鎖術、腫瘍切除術なども加わり申請しやすくなりましたが、症例の半数以上は弁膜症手術である必要があります。また提出症例から抽出した10%の症例について、詳細な追加報告が必要ですが、この抽出はどうも弁膜症手術症例から選ばれるようです。
 MICS導入施設は最初の5症例は指導医の指導のもと行うことを学会が勧告していますので、指導依頼が今後増える可能性がありますが、安全な手術が基本ですので、そのことを常に認識しながら実施する必要があります。
 100例の症例の確認、印刷物をスキャンしてPDFにする作業は膨大で、何日か徹夜を要しましたが、一月に入って早期に申請したため、どうも7番目の申請だったようです。新年早々からラッキー7を頂いたので、今年はいい一年になりそうです。
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