横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

胸部外科学会地方会

2021-11-19 06:26:12 | 心臓病の治療
 横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では2016年に現在の体制となってから、胸部外科学会関東甲信越地方会での発表することを積極的に行っています。
 東京の都市センターホテルで行われた今回も2演題の発表を行いました。
①TAR+OS後の追加TEVAR後のType IVエンドリークによる消費性凝固障害、出血傾向に対して追加TEVARで解決した症例
②TAR+OS後の重症急性膵炎・WON(Walled-Off Necrosis)発症症例

 地方会は、より演者と参加者の距離が近く活発な議論が行われるとともに日常診療に直結するような勉強になる症例が多く提示されること、若手の発表機会・トレーニングとして重要であることなどから、次回以降も積極的に参加していく予定です。
 最近は特にようやく新型コロナパンデミックがおちついて、現地で参加できることになったため、オンラインよりも臨場感があっていいと思います。

 今回の地方会では筆者の高校の同級生が、他の大学の教授として就任しており、セッションの一つで座長を務めるということで、30年以上ぶりにお会いできると思って楽しみにしておりましたが、残念ながらオンラインでの参加となっていたため、次回にお預けです。
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英語バージョン開始

2021-11-04 20:09:01 | その他
https://www.jadecomhp-uwamachi.jp/patient/shinryolist/cardiova/en/

The English version of the cardiovascular department in the homepage of Yokosuka General Hospital Uwamachi has launched.
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僧帽弁形成術をパーフェクトに成功させる人工腱索の立て方

2021-11-04 16:17:36 | 弁膜症
僧帽弁閉鎖不全症において、僧帽弁の腱索断裂による逸脱症が逆流の原因となっている場合の自己弁を温存して修復する形成術の場合は、主に逸脱部位を切除縫合する方法と、弁を切除せず逸脱部位を人工腱索によって左房側に翻転しないように固定する方法の大きく二種類の直し方があります。弁尖を切除するResect法に対して人工腱索は自己弁の温存をするのでRespect法とも言われています。横須賀市立うわまち病院での人工腱索の縫着方法の原則は以下のとおり。
①人工腱索はCV-4(ゴアテックス糸)を使用する
②人工腱索はループテクニックによる固定を行なう
③ループの長さが対側の弁尖(逸脱部位が本来接合していた面:P2ならA2の健常腱索)の健常腱索の長さを測定し、それに乳頭筋の縫着部位の位置関係から2~3mm長い長さとする
④ループの乳頭筋縫着部位は、逸脱部位の対側の弁尖に腱索を出している乳頭筋のHeadのTip付近で、できるだけ頑丈な線維化組織に小さいPledget付でマットレス縫合とする
⑤ループの本数は逸脱部位の範囲によって決定する。P2全体、またはA2全体が逸脱している場合は前後の乳頭筋から2対ずつ4対。
⑥A2またはP2の逸脱には必ず前後の乳頭筋の両方向から人工腱索を立てて二方向に牽引する
⑦作成したループはすべて弁に縫着する(弁に縫着せずフリーのままに決してしない)
⑧弁尖への人工腱索の縫着は、必ず左房側の接合線にループの先端が来るように左房側のみに縫着する(CV-4を使用して縫着)
⑨人工腱索が対側の健常腱索とジャミングしていないか必ず確認する
この原則を確実に行うことで100%成功する人工腱索による僧帽弁形成術が可能となります。弁への縫着点については、長崎大学の江石教授から教わった方法を採用しています。

人工弁輪は基本的に同じサイズのものを使用していますが、症例によって種類を選択することでいいと思います。最近はPartial Ringを使用することが多くなっています。


ポイントとしてBよりもAのような位置に人工腱索をたてたほうが逆流は制御しやすいということです。しかしながら、これは心房性MRや左室拡大に伴うMRの症例に関しては必ずしも使えず、腱索断裂によるType IIの場合ということになります。
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胸部外科学会2021ホームページのエチコンのバナーから入ってみてください

2021-11-02 23:42:04 | 心臓病の治療
胸部外科学会2021ホームページのエチコンのバナーから入ってみてください。エチコン製品の一つであるサージフローのよる止血手技を紹介する動画を横須賀市立うわまち病院心臓血管外科の名前で出ております。本当は今回、学会の開催中に設置されるエチコンの展示ブースで上映されることになっていたのが、展示ブースの設置がとりやめとなったため急遽こうしたオンライン配信のビデオ動画となりました。いずれにしろ、一つの発信としては有用と思いました。
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Impella 横須賀・三浦地区で初の導入を横須賀市立うわまち病院へ

2021-11-02 23:06:35 | 心臓病の治療
 新しい循環補助デバイスであるインペラ(Impella)が今年の12月から横須賀市立うわまち病院で導入されます。そのためにハートチームを形成し、本日11月2日キックオフミーティングが開催されました。このあと、オンラインサイトでの勉強、実際の講習、ラボでのトレーニングを経て実際の使用開始となります。
 心臓血管外科としては、冠動脈バイパス術でオフポンプ手術の際の周術期循環管理にも有用と考えています。
 実際の使用症例の半数は急性心筋梗塞でのショック症例で、うわまち病院でしかこの周辺ではまで治療できませんが、横須賀・三浦地区の急性心筋梗塞の死亡率を低下させるのに一役買うことになることを願っています。

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胸部外科学会2021開催中

2021-11-02 23:03:06 | 心臓病の治療
 日本胸部外科学会の総会が東京品川で開催されています。横須賀市立うわまち病院心臓血管外科からは5つの演題で発表予定で、他に筆者は評議委員会への出席、心房性MRの座長があります。4日間のうち三日間は会場で出席しようと思っていたので、会場のホテルに滞在するように部屋を予約しておりましたが、準緊急の手術のため初日と最終日の出席だけとなってしまい、結局横須賀から通います。横須賀から品川までは京急で50分ほどですので宿泊するほどのこともなく、病院の事務の方からも通いで行くようにと言われてしまいました。
 久しぶりの全国規模の学会だけあって現地参加者は多いように思います。


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