横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

ハートチームカンファレンス

2024-09-20 13:54:03 | 心臓病の治療
 心臓治療における治療方針の決定について、近年はハートチームで決めるように、という勧告がされています。特にTAVIの治療方針選択などで重要視されています。TAVI、SAVRのどちらかに偏ってしまうのを防ぐ狙いでしょう。これによって、より中立的な治療方針が選択される可能性が高くなります。
 横須賀市立うわまち病院でも、今年からハートチームカンファレンスが始まりました。まだ数回の開催ですが、心臓弁膜症や虚血性心疾患など、内科外科の立場から意見を集約して治療方針を決定していくプロセスが少しずつ根付いてきているように感じています。将来的には来年から始動するTAVIやMitraclipについて、事前協議していく予定です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラックペアンのエアー糸結び

2024-09-20 13:45:11 | 心臓病の治療
ブラックペアン、ついに最終回を迎え、壮大なヒューマンドラマに発展していくような終わり方で、後味の良さを感じた方もおおいのではないでしょうか。
 ちょっと気になったのは、二宮君が演じるドクターの糸結びのシーン、たしかにものすごい速さで手タレなしで行っているのはすごいのですが、これ糸がない、エアー糸結びです。最後の2話くらいはこのエアー糸結びを何度か使われていました。それまでのシーンでも手タレを使っていなかったのか、と思いましたが、明らかに手タレを使ったと思われるシーンもありました。猫田さんが縫合するシーンで持針器にもっと針の角度を持った瞬間にかえるテク、これ、心臓外科医じゃないとできません。こうした細かい突っ込みどころを作ってくれる、ドラマ、さすがの演出だと思います。
 ただ一点だけ、手術が終わって、ルーペを血の付いた手袋のまま跳ね上げるシーン、不潔です。しかも、そのあと、心臓をさわりながら「Le coer est beau.」とつぶやくのも、不潔だからやめてほしかったです。カッコいい演出ということなのでしょうけど、この心だけはいただけませんでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かぞかぞ(心を揺さぶるNHKドラマ)

2024-09-10 06:18:04 | 心臓病の治療
 すごいドラマがあります。このドラマ、ブラックペアンなど比較にならないリアルさがあります。今のNHKドラマ、かぞかぞ、とも呼ばれている、「家族だから会いしたのではなく愛したのが家族だった」というドラマ。一家族の話なのですが、非常に共感する部分が多い家族ドラマです。
 心筋梗塞で具合が悪そうな父のシーン、それに「死んでまえ!」と娘が言い放って学校に出かけてしまい、それっきりになってしまったシーン、衝撃的過ぎて、また演技が真に迫っている上手さ、迫力、素晴らしかったです。心筋梗塞がどうかはわかりませんが、錦戸亮さんの具合悪そうな演技、本当に真に迫っています。
 ダウン症の弟君の演技、最高です。素で演じているのか、そのものすぎて、一挙手一投足に感動しています。おそらく障害者が家族にいる人なら心から共感するのではないでしょうか。その周囲にいる家族の心境が非常によくおそらくそのままに表現されています。
 母親が大動脈解離で緊急手術を受けたあとに脊髄虚血から対麻痺になってしまい、車いすの生活から社会復帰し仕事をしたり自動車の運転をしたり。その母が、突然の発熱。実は大動脈解離の時に移植した人工弁が感染して、弁輪部膿瘍に至り緊急手術。朝からの手術が終わるもが深夜、これもまた現実そのもの。その待つシーンなど、本当に現実そのもののリアルさがあるドラマです。
心臓外科医でないと決して思いつかない、大動脈解離⇒対麻痺、その後の人工弁感染、弁輪部膿瘍といった超専門性の高い内容のストーリー、どうしてここまでリアルなんだろう。坂井真紀さんの敗血症で発熱して具合が悪そうなシーン、リアルそのもので、本当に具合が悪くないとこの演技できないです。
 このドラマ自体、誰かが想像で作ったとは思えないリアルさがある、とすごく引き込まれてしまうのですが、その理由がわかりました。ネットで検索したら、このドラマは、原作が、作者の岸本ななみさんが自分で体験したこと、家族のことを書いたブログが大きな反響をうけ、本になって出版され、それがドラマ化したものだったのです。想像の産物では決して生まれてこない現実さは、現実そのものだったのです。そしてそのもととなる病者の表現力が読者をここまでひきつけるのでした。
 このドラマの中で、いくつかのキーワードとなるようなセリフがありますが、これもまた人生を素晴らしいものに変えてくれる魔法の言葉、たくさん入っています。この魔法の言葉がきっと読者をひきつけることになっているのでしょう。
 その中でも
①父の言葉「迷ったらおもろい方を選べ」 まさに筆者が普段仕事や生活をしていて、規範となる考え方です。心臓外科医としては非常に大事な仕事スタイルと思っていますし、若手の教育にもこの精神を大事にしています。
②母の言葉「この子達の成長を見守るために自分は行かされている」対麻痺になって不自由の生活を強いられる理由、これは自分の子供の成長を見守るチャンスとして享受するべきものであった、と気づかされたシーン、心に残ります。
 涙なしでは見られないこの秋一番の心を揺さぶるドラマです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スカイキャッスル

2024-09-04 05:22:54 | 心臓病の治療
 今、スカイキャッスルというドラマを放映しています。こちらは湘南国際村をロケに使っており、背景に見えるタワーは合成しているもののようです。その関係で横須賀、葉山町周辺の背景がよく映ります。うわまち病院のある、横須賀中央地区は現在のところ映っていませんが。
 このドラマ、高級住宅街に住む医師のセレブ奥様たちが、自分の子供を医学部に入れるためにいくらでもお金を積むという背景があります。これ、とっても医師としては納得のいくセッティングです。
 やはり医師の子息が後を継ぐ、もしくは同じ医師を目指してくれるのは、これ以上嬉しいものはありません。こうした中で一族に医師がたくさんいる家系では、子供が医学部に進学して当たり前、みたいな考えもあり、いとこ同士で競ったり、親戚の話題がどこの学校にはいったの?みたいな噂話が絶えないのもこの世界です。子供を医学部に入れて初めて、嫁として認められる、みたいなところがある家もあります。
 筆者の母親は、大の噂好きで、他の親戚の子息がどこに進学したのかからはじまって、その良い事悪いことなんでも話題にするのが生きがいのような人です。自分のことも他の親戚にこの調子でしゃべってるんだろうな、って思うとぞっとします。
 でも噂話ほど楽しいものがないのも事実で、その遺伝子を受け継いだ筆者も、他の病院の医師の噂話やスキャンダルの話は大好きです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月からこども手当所得制限撤廃!

2024-09-04 05:13:43 | 心臓病の治療
 10月からこども手当の所得制限が撤廃されます。所得が多い人ほど子供をたくさん持つ傾向にありますので、所得制限の撤廃は子供の数を増やすには妥当な制作ですが、それ、今まで気づかなかったのでしょうか?また高額所得者はただでさえ税金を多く払っているのに、さらに子供がいると受けられるサービスがうけられない、いわゆる子育て罰の国策が今まで通っていたのは、昔は人口が日本は多くて将来食糧危機が来るので口減らしに子供を増やさない政策を続けていたためと思います。また、高額所得者に対する妬みもあったのでしょう。
 しかしながら、所得税に関する児童扶養控除は廃止になったままです。こども手当の所得制限撤廃による受取額と、過去の児童扶養控除の額があまりかわらない、という人もいるのではないでしょうか。こちらも元に戻してもらいたいですね。
 人口減少により国が滅んでしまう危機感からようやく人口抑制策をやめることになった、と理解しています。
 しかしながら、財源をどうするのか。他にも防衛力強化などやるべきことはたくさんあるので、老人福祉をけずっていくしかないでしょうか。今まで老人の医療で主に稼いできた医療関係者も、逆境の時代に入ってしまう可能性が高いと思いますが、それでも国の将来を優先すべきと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする