横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

心臓に繋がる太い動脈が左手の薬指に通っている?

2019-08-31 07:48:05 | 大動脈疾患
古代のローマ人は、心臓に繋がる太い動脈が左手の薬指に通っていると信じられていて、その大事な左手の薬指に大事ね指輪をつけた。これが、結婚指輪や婚約指輪を左手の薬指につけ始めたりゆうだそうです。それで、最初に婚約指輪をつけたことで有名なのは、クレオパトラだとか。その当時はダイヤモンドではなかったようです。ダイヤモンドが宝石として珍重されるようになったのは16世紀のヨーロッパで、研磨技術の発達と、大航海時代の始まりがきっかけ。日本でダイヤモンドが一般化するようになったのは、そこからかなり遅れて筆者の生まれた1960年代だそうです。
心臓に繋がる太い動脈、これ、まさに、ザ*大動脈ですよね。指に大動脈があるローマ人、どんなからだしていたんでしょうか?指に大動脈瘤ができたり、大動脈解離ができたら、外科医としては初心者レベルの手術になりそうです。現代の社会事情のように、再建しなくていい、という条件ならですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横須賀市立うわまち病院から眺める東京湾

2019-08-28 14:55:41 | 心臓病の治療



横須賀市立うわまち病院南館5階から眺める東京湾の風景です。常に大型のタンカーなどの船舶が往来し、見ていて飽きない風景です。こんな風景を目にしながらの心臓リハビリテーション、効率も上がります!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横須賀市立うわまち病院のハートチームカンファレンス

2019-08-27 02:20:48 | 心臓病の治療
 最近は治療方針の決定はハートチームで協議のうえ、患者さんに最適の方針を決定する、ということが学会などでも言われています。
 たとえば、冠動脈疾患の血行再建治療において、カテーテル治療にするのか、バイパス手術にするのか、ということを循環器内科と心臓外科とで協議のうえ、方針を決定する、というようなことです。当たり前のようにも聞こえますが、特にこのカテーテル治療の場合は、主なゲートキーパーは一般には循環器内科であり、心臓血管外科との関係が良好かどうか、心臓血管外科の手術成績が循環器内科を満足させられているか、というようなことで治療方針が大きく左右されます。なかなか対等の立場、ということになりにくい面もあり、特に日本においては、循環器内科に治療方針の決定権がより大きく与えられていて、それがカテーテル治療の独走態勢を生んでいます。海外よりも、冠動脈バイパス術の比率がカテーテル治療に比べて低く、海外では3:1~5:1と言われている時代に日本では10年前に10:1だったのが現在では20:1になっているとも言われています。このハートチームの機能が効力を発揮している施設ほど、冠動脈バイパス術の比率が高くなるとも言えます。横須賀市立うわまち病院の場合は、カテーテル治療400件に対して冠動脈バイパス術40件ほどで10:1であり、全国平均よりは冠動脈バイパス術の比率が高くなっており、これは、ハートチームが機能している一つの証拠といえます。
 心臓血管外科としては当然、冠動脈バイパス術の比率が上昇するべく循環器内科に外科治療の有効性等についてアピールする、その場がハートチームカンファレンスでもあります。心臓血管外科としては、低侵襲な冠動脈バイパス術が実施可能である事、ハイブリッド治療によりカテーテル治療がしにくい部分だけ冠動脈バイパス術を低侵襲、小切開手術で実施し、残存した狭窄にはカテーテル治療を行うことを提案すること、心臓血管外科が実施する冠動脈バイパス術の成績が良好である事をアピールし、より選択を考慮されるように誘導すること、などをカンファレンスで実際には努力することになります。すなわち、仲良く治療方針を相談する場ではあっても、それぞれがより自分たちのやりたい治療を実現できるように協議(競技)する真剣勝負の場でもあります。
 こうしたカンファレンスを、横須賀市立うわまち病院では、火曜日心エコーカンファレンス、水曜日循環器カンファレンス、木曜日心臓血管外科カンファレンス、金曜日循環器カンファレンスと週に4回開かれています。循環器内科と心臓血管外科は車の両輪とも言われていますが、うわまち病院では病棟も外来もカンファレンスもすべて一心同体で運営されており、こうしたカンファレンスを通じて、より密接した関係を維持しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺塞栓の緊急対処

2019-08-22 18:08:54 | その他
肺塞栓症に対する緊急の対処として、特に循環が虚脱している、呼吸が維持出来ない症例では、補助循環回路(PCPS =経皮的心配補助装置)を使用した循環補助が救命に最も有効です。しかしながら血栓量が多いと、PCPSの脱血管が血栓で閉塞して脱血不良により循環補助が出来ない場合があります。この場合は、生命維持しながら診断、治療方針の決定などのプロセスまでたどり着けないため、救命できないことになります。

こうした最重症の症例では、tPAなどの血栓溶解剤などを使用して血栓を溶かして脱血回路の血栓が詰まるのを予防するしか救命の方法はないのかもしれません。


 下大静脈に血栓が多い症例は、頸静脈から下大静脈に一時的フィルターを留置して新たな塞栓を予防すると同時に、脱血管を頸静脈から留置してみる方法もあります。この場合、通常の大腿静脈から挿入する脱血管では長すぎるため、通常送血用として使用しているカニューレを留置して使用します。これで一時的にでも補助循環を開始して循環・呼吸が維持出来ればまだ救命の可能性があります。

また、上下からの脱血管が閉塞してしまうほどの血栓量が多い、こうした深部静脈血栓症を救命する唯一の可能性として、心停止に至る前に状態が評価できれば、送血路を確保した状態で開胸して、右房切開して右房、右室、下大静脈内の血栓を可及的に血栓を除去、その時にあふれ出た血液はサッカーで吸引して送血路から灌流するいわゆるサッカー回しを行い、血栓が除去された上で脱血管を改めて上下大静脈へ挿入し、人工心肺を確立できれば、あとは肺動脈内の血栓除去をじっくりやるなり、その後の抗凝固療法やカテーテル治療(BPA =Baloon Pulmonaru Angioplasty)なりでの、「寝技」的な治療に持ち込める可能性が出てくると思います。

 循環が破綻してしまってから治療しようとしても救命はなかなか難しい病態です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SNSへの書き込みと対策

2019-08-22 07:12:08 | 心臓病の治療
 最近は一般に流れる情報として今までは新聞やニュースなどが主流だったのが、不特定多数の個人がSNSを通じて情報をアップロードしていく手段が一般化しており、普及してきました。企業や個人もその情報量や影響力を無視できなくなってきています。
 もちろん、ほめてくれる情報は個人・企業にとって有益でありますが、そうでないBAD NEWS, BAD Infomationに関しては、個人の尊厳を著しく傷つけられたり、企業のイメージを大きく損ねることになります。その情報が正しいか、もしくは間違っているか、よりも、注目されるかどうか、や、永続的にその情報がレッテルのように張られ続けることがより影響力に影響します。
 
 横須賀市立うわまち病院においてもGoogleの口コミにお褒めのことばを心臓血管外科に頂いた文章もありますが、残念ながら、病院の一部の職員、非常勤職員、元職員などに対する苦情がかかれてしまっているものもあります。施設にとって非常にマイナスなイメージになってしまうこうした情報は、きっと事実に基づかれて書き込みされていることは間違いないと思います。不快な思いをさせてしまった患者さんおよびその関係者には心よりお詫び申し上げたいと思います。当事者に代わりましてお詫び申し上げます。

 筆者としましては、こうしたネガティブなイメージを表現する書き込みに関しては発覚次第、院内の担当者に情報提供すると同時に、ホームページや病院のイメージアップをはかる委員会での議題にしてもらうようにしています。また、当事者にもその情報を提供してもらうように事務担当者に伝えています。もちろん、心臓血管外科がもし当事者となった場合は、その当事者個人に対して誠心誠意説明させてもらうつもりでおります。SNS上での対応というよりは、個人に直接対応させてもらうことがより誠実であるとも考えます。SNSへの対応としては、もしその情報が誤っているものであれば積極的に対応する必要がありますし、公にコメントが必要であれば、対応します。

 施設には患者さんが苦情などを訴えることができるように投書や相談室への訴えなどできる窓口を設けておりますが、SNSへの書き込みはそれでは対応が不十分で納得できていない事象において発生しているものと思われます。普段からそういうクレームが発生しないような誠実な診療をすること、これが最も大切なことだと思います。

 一部の職員や関係者がマイナスのイメージを作ってしまうことに対して、他の対応良好な職員までイメージダウンしてしまうことに非常に憤りを感じます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

完熟マンゴーミルクかき氷

2019-08-21 23:28:48 | その他



独自に沖縄から完熟マンゴーを、取り寄せて提供される完熟マンゴーミルクかき氷です。数に限りがおり、今週中にいかないと無くなるそうです。甘すぎてほっぺた落ちるとこでした!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヘマクロマトーシスと心不全

2019-08-20 21:43:33 | 心臓病の治療
 拡張型心筋症のような心筋の収縮障害による心不全の鑑別診断。一番最初に否定するのは弁膜症や冠動脈疾患、これが最も多い疾患です。これが違うとなると、高血圧性心疾患や、アミロイド―シス、サルコイドーシス、たまり病、シャーガス病、腎不全や糖尿病、ムコ多糖症、薬剤性の心筋障害(抗がん剤など)・・・。これらを一つ一つ鑑別診断していく必要があります。
 日本では珍しいものかもしれませんが、それらのなかで、非常にまれに、鉄の心筋への沈着に伴う疾患としてヘマクロマトーシスがあります。

 検査所見として血清鉄、貯蔵鉄が著しく上昇して、心筋だけでなく、肝臓、皮膚などにも鉄が沈着します。

 皮膚への沈着は外見上の皮膚の色の変化として診断できますが、肝臓への沈着はCTやMRIでの信号の変化として検出されます。肝臓へは肝障害だけでなく、肝硬変や肝がんを呈することがあるので、肝臓や心臓が予後を規定する因子となります。肝臓が脂肪肝炎にまで悪化している患者さんでは、サプリメントなどで鉄を取りすぎると容易に肝臓に蓄積して、肝硬変へ進行しやすくなるそうなので、注意が必要だそうです。
 また、ヘモクロマトーシスでは膵臓からのインスリン分泌を抑制して耐糖能障害や糖尿病を引き起こすこともあるようです。ヘモクロマトーシスの治療をすることで、逆に低血糖を引き起こすこともあるようです。

 治療としては、デスフェラーゼというキレート作用のある注射剤の筋注が基本となりますが、注射できない人のために内服薬もあります。臨床的には注射と内服を併用することが多いそうです。

 外科医にはこうした代謝異常の病気は苦手などので、こうした患者さんに遭遇した時に、内科医の偉大さを実感します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Onset to Operation time, Door to Operation time

2019-08-19 17:20:15 | 心臓病の治療
 循環器内科ではよくOnset to Baloon time、Door to Baloon timeといい、心筋梗塞において発症からカテーテルで閉塞した冠動脈を広げるまでの時間、病院到着からカテーテル治療までの時間を極力短くする努力が続けられています。発症後一時間以内にカテーテル治療できたかどうかで、救命率やその後の心機能などの予後に差が出る、ということで、循環器内科のドクターは横須賀市立うわまち病院でも24時間体制で病院内に待機しています。

 心臓血管外科はどうか、というと、同じように特に急性大動脈解離や大動脈瘤破裂など、急いで治療しないと救命できない可能性がある疾患に対して出来るだけ早く手術室へ入室させ、人工心肺に乗せたり、大動脈遮断することが救命に大きく寄与することは間違いありません。しかし、循環器内科のカテーテル治療がカテーテル室と手伝いの少数のスタッフさえいれば治療が開始できるのに比較して、心臓血管外科の手術は麻酔科、看護師、臨床工学技士、心臓血管外科の複数のメンバーが必要であり、これらがそろわないと治療開始できません。スタッフの整った大病院でさえ、その分大がかりに手術室やメンバーの手配があるため帰って時間がかかることもあり、外科医がそろっているのに手術が開始できない、なんてことは良くあります。
 横須賀市立うわまち病院の心臓血管外科チームは少人数ですがその分、小回りの効く組織体制になっており、緊急手術決定から手術室入室まで一時間以内のことが多いです。この待機している一時間の間に手術室のセッティングなどと平行して、患者さんの情報やオーダー入力、本人・ご家族への病状・治療に関する説明などを行っていきます。
 それでOnset to Operation time, Door to Operation timeをどのくらい短い時間にするかが今後の課題ということになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鬼太郎の服がきれいすぎる!

2019-08-18 09:37:43 | 心臓病の治療
 最近のテレビは高画質で、毛穴まで見えるような高画質の番組も増えていますが、アニメーションも画質は向上しているのは実感します。
 画質の向上は、きれいなものをより綺麗に見せることができるのも確かですが、詳細にリアルに見せることも機能の一つです。
 ゲゲゲの鬼太郎、忍者サスケなど、リアルに汚いイメージのアニメが現在のアニメ番組では、衣服がきれいすぎてリアルさが無くなってしまっているのが残念です。いかにも、臭いにおいが漂ってきそう、触るとこちらまでかゆくなって臭いもうつりそう、そういうゲゲゲの鬼太郎であったはずが、清潔そのもののアニメ番組になってしまっています。
 教育上よくないです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横須賀は自然の宝庫

2019-08-16 17:00:22 | 心臓病の治療
 

横須賀に来た心臓血管外科スタッフがまずびっくりするのは、大きな昆虫でしょうか。おっきな手のひらサイズの蜘蛛が床を張っていたりして、「タランチュラ」と名付けられたりします。子供の頃、昆虫博士を目指していた筆者も、横須賀に来て初めて遭遇した生物もいくつかあります。

 今日は病院の廊下の天井に、家の守り神「家守」を見つけました。餌となる昆虫だけは無尽蔵にいそうですから、ヤモリにとっても住みやすい環境なのかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

終戦記念日

2019-08-15 22:58:38 | その他
 今日は終戦記念日。太平洋戦争が終結してかなり時間が経過したからか、不思議なことに新聞の一面が終戦記念日の記事ではなかったことに驚きました。確かに戦争経験者が年々少なくなるなかで、周囲の地政学的な環境も変化し、また。日米の軍事同盟のかかわり方にも変化してきた昨今は、この数十年間のまさに平和ボケしている場合ではなくなってきていることを反映しているのかもしれません。

 この数十年、大きな戦争がなく、本当に平和な世界が実現され、東西の冷戦が終結してベルリンの壁が崩壊したときには本当に感動し、世相を反映する映画も、自由主義と社会主義が対決する戦争映画は作られなくなり、まさに世界は一つ、という時代が作られてきました。イデオロギーの対決の時代は終わった・・・。その一方で、いまだに軍事政権が国民を圧迫している、テロ組織が世界の秩序を壊そうとしてる、絶妙なバランスで保たれていた平和を、現状変更して不安定するこころみをする国家が多数ある。決して恒久平和が実現しているとはいいがたい世界であることも間違いありません。

 一部の先進国が世界の後進国を植民地化し、ブロックを形成して戦う時代ではなくなったため、大規模な戦争はないかもしれませんが、その代わりに局地的な紛争などは容易に触発されそうな時代でもあります。

 平和を維持するにはそれなりの力とエネルギーが必要なのは間違いありませんが、やはり、世界が平和であってほしい、この願いは世界の人の多くの共通する願いであり、二度と戦争はしてほしくはないし、我が国に戦争を仕掛けてくるのもやめてもらいたいです。

 日本はかつて、連合国に敗戦したことは事実ですが、国内では敗戦記念日とはいわず、終戦記念日という言葉を使っています。現在の日本国民にも多くの被害が出たのも事実で、終戦を国民も喜んだ、という意味、そして、日本が欧米列強に屈することなく、植民地支配から世界を解放したことが、アジア諸国ひいてはアフリカ諸国の独立につながったことが日本が戦争を起こすことによって世界秩序を現在の形、自主権を根付かせることにつながった、このために日本という国が戦争には負けたが、世界を日本がかえた、このことを称えて終戦記念日、と呼んでいるのだ、という意見もあるそうです。

 ベルリンの壁が崩壊して、マーケットが世界を一つにした。そして、BRICsが生まれ、中国が台頭してきた。これは資本主義および自由経済主義社会の勝利と思われました。しかし、非民主主義国家が強力になることを許してしまったことも事実で、これによってまた独裁主義による人権侵害など、戦争に匹敵する人類への悪行がまた行われる危険があること、懸念してなりません。

 戦争や人権侵害のない恒久平和な世界が一日も早く実現することを切に希望してなりません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

献体の話

2019-08-15 22:50:28 | その他
 患者さんの関係者に聞いた話ですが、最近は、死後、医学部の解剖実習などに利用してもらうため、亡骸を検体されるケースが増えているそうです。話してくれた人の周辺でも5~6人、献体に申し込んでいる、と聞きました。横須賀では神奈川歯科大があるので、そこへ申し込んでいるそうです。最近は献体を希望する人が多いらしく、亡くなってから実習で利用されるまで時間がかかり、そのあとに火葬されて返却されるまで相当時間がかかっている、とも聞きました。
 都内の私立大学医学部出身の研修医に聞いたところ、その大学では、献体の依頼が多すぎてお断りしてる、とも聞きました。
 筆者が学生だった30年前は献体してくれる人が少なく、貴重だったと聞いていました。本当かどうかは知りませんが、刑務所の受刑者がなくなり、引き取り手がない場合は献体として回ってくる、とも聞いたことがあります。

 身寄りのない人がその後の処理のために献体した場合は、事後、火葬されて慰霊祭なども定期的に行われるため、それがいいと思う人も多いのかもしれません。一般に身寄りのない人が亡くなってしまった場合は、その後の処理は市役所の当該担当者が処理したりしていますが詳細は知りません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生命保険の死亡保障

2019-08-13 17:14:02 | その他
 生命保険の保険金は万が一のとき、家族が路頭に迷わないように、一家の大黒柱としての責任としてかける、それはそれで、家族への「愛」の形だと思います。生命保険のCMで、その保険金で愛する娘さんが大学進学も可能となる、という美談はそのCMを見ているだけで涙が出そうになるほど感動的な内容です。つい、そのCMが流れると目頭を熱くして見てしまいます。
 昔は先輩医師はみな、家族のために一億の生命保険をかけた、なんて話を医局でしていたもので、自分も家族を持ったら億単位の生命保険を毎月何万円か払ってかけるのかと思っていました。

 しかしながら最も賢い死亡保障のかけ方はどういった方法でしょうか?まず生活の基盤は衣食住、特に住むところが安定して居住できることは一つの大きな安心です。その意味で、万が一の時は家賃を支払う必要がなくなる持ち家が安心です。通常住宅を購入するには団体信用生命保険がかかっていますので、その後の住宅ローンは支払いが不要となります。家族のために家を買う、これは生命保険の死亡保障にも勝る、家族への愛の形といえます。特に最近の住宅ローンには、癌保険や七大疾病保証を0.1-0.3%の金利上乗せでつけることができます。

 また、住を住宅ローンの団体信用生命保険でまかなうとして、次は衣食は、可能ならば投資用ローンの利用が賢い選択です。日本人はお金の運用が苦手で損しているとよく言われますが、「金持ち父さん、貧乏父さん」のようにお金を運用しているかどうかでその差が大きく出るというものです。投資用の住宅やマンションなどにも、自宅の住宅ローンと同様に団体信用生命保険がつけられ、この保険料を経費にすることができますので、経費で生命保険をかけるのと同じです。しかも2018年からこの投資用ローンにも癌特約や7大疾病特約を金利の上乗せでつけることが出来るようになり、万が一の時は投資用ローンの返済が保険で処理されて、その後の家賃収入はそのまま衣食に回せるようになります。経費で、しかも家賃収入から保険料を支払えるという非常に賢い選択で、このスキームを利用している人は、一般の生命保険に加入する必要はなく、医療保険だけ加入すれば十分です。投資用ローンは自己資金を殆ど使うことなく、ローンを組むことで高額の保険をかけることができる、非常にレバレッジの大きな運用で、株や投資信託、FXなどの外貨運用と違って確実性が高いものといえます。しかも給与と唯一合算できるので、原価償却費などで税金対策にもなります。

癌になったとき、そのこと自体は人生にとって非常にマイナスな事象ではありますが、その不幸の中にもちょとでも、かけててよかったって思えること、これはやはりローンの癌特約、これに勝ものはないと思います。


 上記二つで基本的に生命保険に加入してお金をかけ捨てる必要はなくなります。

 次には、自己資金を預けておく、的な意味になって有利なのは外貨建ての個人年金ではないでしょうか。特に最近の円高基調は開始するのに有利な状況です。安全に運用でき、万が一のときには生命保険の死亡保障的な意味もあるので有利です。

 これらだけで十分なので、賢い人は生命保険に加入する必要はないと思います。保険の窓口にいったところで、上記のアドバイスをしてくれる人はいません。筆者が保険屋さんにアドバイアスしているくらいですから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大網充填術後の大網脂肪織炎

2019-08-12 10:30:08 | 心臓病の治療
 大網脂肪織炎、非常に珍しい病態で、症例報告もあまりない病態のようですが、大網の脂肪組織が炎症して腫脹する病態で、基本的には保存的治療で軽快し、外科的治療の対象になることは非常に稀です。大網とはそもそも組織にリンパ系細胞をたくさん含んでおり、これによって感染防御機構が働き、腹腔内の炎症を抑え込む機能があります。虫垂炎が穿孔した場合などに、そこを覆って治す機能があるため、感染には非常に強い組織と信じられています。この大網そのものが感染により炎症を引き起こすこと、まるで水が燃える、というようなありえない話を聞いている気が最初はしましたが、わずかな症例報告およびその画像、組織所見から、やはり本当に実在するようです。

 筆者はこの珍しい大網脂肪織炎を大網充填された大網に発生した症例を経験したことがあります。CT所見で明らかに大網組織が炎症性に腫脹して、39度の発熱、皮膚の発赤、圧痛を伴い、血液培養からブドウ球菌が同定され、抗生剤治療で解熱、炎症所見の軽快とともにCT画像の大網の炎症性腫脹も軽快していく過程を観察しました。

 大網充填後の大網脂肪織炎の症例報告はまだなく、世界で初の症例かもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療保険の選び方:保険会社のウソに惑わされるな!

2019-08-11 07:40:28 | 心臓病の治療
 人の体に関する保険は、大きく病気やケガで入院した際にお金がもらえる医療保険と、死亡時や高度障害で仕事や日常生活ができなくなった場合にもらえる生命保険があります。たくさん会社や種類がありすぎて選ぶのが難しいのが現状です。
 基本的に、医療保険は掛け捨てです。部分的に返金されるものもありますが、そんなのだったらその分保険料を安くするべきです。
 最近は高血圧や高脂血症などで治療中でも加入可能な商品も出てきたようで、より保険の選択に幅が出てきました。

 一つ大事なこととして、病気をしてからでは加入できないので、特に病気がないうちに終身保険に入っておくことが重要です。普通定期保険では10年で満期が来て、その間に病気にかかったりすると保険がそのあと継続できないリスクがあります。まさに、保険は転ばぬ先の杖です。その意味で、特に治療中でないのであれば、健康な人のみが入れる終身保険がベストです。病気の方も加入可能な保険は、その分ハイリスクな加入者が増えて保険のコストがかかるので保険料が当然ながら高額になります。

 「最近は入院期間も長くなっているので、短い給付期間の商品でも大丈夫ですよ」って宣伝する保険のセールスマンやCMの宣伝もありますが、十分な注意が必要です。たしかに政府の医療費抑制の施策によって入院期間は短縮の傾向にあり、横須賀市立うわまち病院の平均の入院期間も8日ほどです。現在の保険は120日くらいまでの給付期間が多くなっていると思います。一日5000円×120日間で60万円+手術料たとえば30-50万円 = 100万円をもらうために毎年3-4万円払うということでしょうか。20歳から80歳までもし60年払って病気をしなかった場合は、最大の保険で受け取れる額の2倍を払うことになり、「かけ損」な可能性もあります。100万円も大金という人もいるかもしれませんが、保険というのはそういうものではありません。3か月以上入院した場合は、毎月の収入がない状態がその後も続くことになります。病気の中には1年以上入院継続になるリスクも十分あるということを最近の保険は考えていない、と思います。心臓血管外科の疾患では、半年以上入院するような重症の患者さんが少なくありません。高度の障害が出た場合は年単位の入院の患者さんもいます。例えば、5000円×730日(2年)=365万円保証されていれば、だいぶ違うと思います。すなわち、医療保険の最も重視する点の一つは、「入院日数の何日まで給付されるか」ということです。長期入院には保証しないが、1日の入院でも保険金がおりる、というのが最近の保険です。

 たしかに、せっかく入院したのに、1日や2日で保険金がおりないのでは入っていて損、って気持ちになってしまいます。しかし、1日目の入院にお金を払う分、長期入院に支給する額を削っているのです。たしかにほとんどの患者さんは1日とか短期の入院ですので、払っている人がよりたくさん保険金がもらえる、ということで加入者を集めるのが最近の保険です。保険会社としては、加入さえしてくれれえばいいだけですので、より多くの人が入ってくれるためにあの手この手を考えているのです。その意味で昔の簡保(郵便局の簡易保険)など、最初に7日間は保険金は払わない、という商品は理に適っている部分もあります(そのせいで、7日以上入院させてほしい、という患者さんが多数いました)。

 最近は入院期間無制限という最強の医療保険も出ています。その分、年単位で入院するような大病を患っても最低限の家族の生活を保障できます。

 実は日本の医療の自己負担は非常に低額です。長期間入院した場合は、毎月の医療費負担は高額療養費の対象になるので、その年収にあわせた一定額で抑えられます。たとえば、多くの老人の患者さんの一か月の入院医療費の自己負担額は10万円ほどです。たとえ急性大動脈解離の手術をうけて、その月の医療費が600万円かかっても、その3割の180万円を請求される訳ではありません。その170万円引きの10万円ほどでいいのです!その医療費を払う分の保険料をできるだけ長くもらえることが一番重要なのです。
 
 保険屋さんと時々保険の商品について話をすることが仕事上ありますが、保険屋さんより医師の方が知識をもっていることも多いので、保険の窓口に行くよりもまず、担当医に相談してはどうでしょうか?

続編は次回。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする