横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

禁煙とダイエット、どちらが難しい? Smoking Cessation and Diet

2022-12-17 07:15:23 | 心臓病の治療
ある患者さん、心筋梗塞の既往があり、腹部大動脈瘤が拡大傾向とのことで傷害されてきました。さっそく術前検査など進めようと話してると、実は喫煙を継続しているという。


え?まだやめてないの?やめるように言われてますよね?

つい、当然のことのように言ってしまいますが、こうしたときの患者さんの対応として、必ずやめていない言い訳を考え出します。

医療者としてはなんとかやめてもらうように説得するのが仕事ですが、昨日気づいたのは、ダイエットに比べれは禁煙の方が成功率が高いということです。心臓血管外科で手術を受ける、もしくは受けた患者さんはおそらく9割以上禁煙に成功していますが、ダイエットに関しては9割以上失敗しているのが現状です。

その患者さんにもダイエットに比べたら禁煙なんて簡単ですよ!と説明してみました。患者さんにとっては意味の無い説明かもしれませんが。
嫌煙家が多い世の中になり、人に嫌われない人になった方がいいですよ、とも伝えました。次の外来までに禁煙を成功してきて欲しいです。

As a cardiovascular surgeon, I need to give my patients lifestyle guidance such as smoking cessation and diet. These two are very important for the prevention of atherosclerosis, the main cause of vascular disease.
 Most patients who need surgery have successfully quit smoking as a result of their hospitalization. Less than 10% of patients resume smoking after surgery. I think the fact that many patients who quit smoking, like non-smokers, dislike the smell and smoke of cigarettes smoked by others is the reason why so few resume smoking.
 On the other hand, more than 90% of patients I tried to convince to achieve weight loss failed to lose their weight. This is because we can’t quit eating in order to live, and food continues to attract people because what has tasted good in the past never ceases to taste good. 
 Compared to dieting, quitting smoking is easy, I explain to my patients who need to quit smoking these days.
 Once the smokers and obese patients are gone, cardiac surgeons may not be needed any more, but that will never happen in my working life. I will continue to fight against smoking and obesity for the rest of my life.
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冠動脈外科学会 冠疾患学会 International Coronary Congress

2022-12-02 22:55:08 | 心臓病の治療
 東京で今年度は3学会同時開催です。会場が分かれてセッションが行われていますが、全部参加すると4万円の参加費となります。
 本日は、当施設からは冠動脈外科学会の会長要望演題「MICS-CABGの現況」において、多枝MICS-CABG実施のための手技的な工夫について発表させていただきました。提示した症例が低左心機能のハイリスク症例ばっかりだったため、最初は特にハイリスク症例は適応としないほうがいい、とエキスパートの菊池慶太先生からコメントを頂きました。当院の場合は、事前にIABPを設置したり、予定のOn Pump Beatingとし循環補助を確立して安全な状況で手術している症例が多いため実施可能となっていますが、低左心機能症例は心拡大も同時に起こっており、こうした症例は心臓が胸壁前面にせり出して内胸動脈の採取も困難な症例が多いのも事実で、循環動態以外の点でもハイリスク症例といえます。いろいろなコメントを頂き、今後の診療にも役立つ学会となっています。
 ちなみに明日の座長を頼まれているセッションで、心房性僧帽弁閉鎖不全症の症例提示があるのですが、冠疾患とは無関係のようですが、その点をコメントしてもいいのか不明でしたが、本日学会責任者に聞いたところ、是非コメントしてくださいと言われました。
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