名古屋の白ウサギ・1964年生・

自称、宗教家・宗教家は、職業ではなく「生き方」です。
職業・会社員

心のズームレンズ

2012-07-22 | 万葉集


信濃なる 千曲の川の さざれ石も 君し踏みてば 玉と拾はむ


            東歌 [万葉集 14 」作者不詳

この歌は もちろん地上で生活している人が詠んだ歌

でも

意識は天空から地上に向かっている

映画の動画の如く天から 見下ろすように 地上へと ズームアされている

  ・私の解釈・


信濃なる ・・・・  高度3000mの上空か信濃地方を見下ろしている


千曲の川の ・・・・ 意識はズームアップされ

           高度1000mの風景が迫ってくる 大地に流れる千曲川見える


さざれ石も ・・・・ 意識はさらにズームアップ

           河原の小石が現れる 


君し踏みてば玉と拾はむ ・・・ 光景を天空から徐々に絞り込んで来て

                最後に 自分の心の思い に入り込む


まるで映画のワンシーンのような動画が目に浮かぶ

心の思いを 意識の中で 動画的手法で 見事に表現している

恐るべき感性と 表現力だ

作者不詳のこの歌 

ごく普通の庶民が詠んだ歌だろう・・・

ごく普通の庶民にしてここまでの感性と技法


日本人の心の奥深さ 質の高さ 

改めて実感させられる



 
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万葉集

2012-07-21 | 万葉集


信濃なる 千曲の川の さざれ石も 君し踏みてば 玉と拾はむ


            東歌 [万葉集 14 」作者不詳


しなのなる ちぐまのかわの さざれしも きみしふみてば たまとひろはむ

    ・・・・・訳・・・・・

信濃の千曲川の小石も、あなたが踏んだのならば玉(宝石)として、拾いましょう。


    ・・・ 私の訳 ・・・

信濃の千曲川の小石も、愛しいあなたが 踏んだのものかもしれない

       真偽はどうでも良い そう信じて 玉(宝石)と思って 拾います


作者不詳のこの歌、

     人の心の奥深さを見事に表現している

この人 にとっては、タダの石ころが タダの石ころ でない

あの人 が踏んだ小石なら それはこの人にとっては宝物なのだ

たくさんある小石のなかから

あの人 が実際に踏んだ小石を特定するのは不可能ではないか?

野暮なことをいわないで・・・・・

科学の世界では 白 黒 決着が必要

心の世界では 白も 黒も ない

もし仮にたくさんある小石の中から実際に あの人 が踏んだ小石を

特定する技術があったとしても

この人は そんな手段を 必要としていない

「聖なるもの」 を感じる能力を人間はもっている


「聖なるもの」 にもイロイロな次元がある

  下着泥棒をする者 にとっては

 盗んだ女性のパンツが 「性なるもの」 なのかもしれない

 何に「聖なるもの」感じるかで その人の 魂の 質 が問われる

       君し踏みてば玉と拾はむ・・・・・

 この歌は、作者の心の奥深さを感じさせる
      
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