今から15年位前の話です。
私が某有名企業の子会社でサラリーマン
をしていた時代のお話しです。
某一流企業の課長・鈴木さん(仮名)
というお方がいました。
年は当時45歳、独身、
少々肥満体質。
顔はふっくらしていて、いつもニコニコしている。
礼儀正しく、朗らかな性格。
狸の置物のような雰囲気。
しかしながら・・内面は神経質で気が弱く陰険な性格。
人目に付かないところで特定の人物、
Xさんを徹底的にイジメていた。
大多数の人間には良い人と思われているが、
私は初めて会った瞬間、この男の本性が見えていた。
鈴木課長と付き合いの長い人は、
この男の陰険さはよく分かっていたようだった。
当時私は、会社の中のある特殊な部署にいた。
そのため、一般の社員には分からない会社の裏側、
人事上の秘密、
上層部の内情や実態を知る立場にあった。
Xさんのプライバシーもあるので、
詳しくは書けませんが、
Xさん、鈴木課長から徹底的にイジメられた。
Xさんは、真面目で気が弱い性格。
立場の強い人から何かを言わた場合、
それが不条理な事であても、反論することが
できない人間だった。
鈴木課長は
普段大多数の人の前では、
物分かりが良い、穏やかな良い人を演じているが、
裏表の激しい人間であった。
自分が支配できる人間、反撃する事が出来ない立場の人間を
見つけると、徹底的にイジメる。
直属の部下であるXさんは、
その溜まった鬱憤を晴らすための格好の餌食であった。
鈴木課長のXさんに対する陰険・で汚い
イジメは日に日にエスカレートしてて行った。
Xさんは別に大きなミスをしたり、不正をしたり、
といった問題を起こした訳ではない。
それにも関わらず、
毎日、会議室に呼び出され1時間くらい説教をされる。
その内容は・・・
ほとんどが精神論・・・
「お前は根性がない」
「お前は積極性がない」
「お前の根性は曲がっている」
このままでは・・・Xさん・・・
自殺してしまう・・・
出来る事なら・・なんとか助けてあげたと思った。
しかしながら・・・
私の立場ではそれは不可能だった。
鈴木課長とXさんは親会社の上役。
私は、その子会社の係長。
手の出しようがない。
ある日・・Xさん、、朝いちばんで、
鈴木課長に会議室に呼び出され、
永遠と説教されていた・・・
何度言ったら分かるんだ!!
お前は根性がタルんでいる!!!!
どうして言われた事が出来ないのだ!!!
鈴木はXさんを口汚く罵る・・・
Xさんはまったく反論せず。
身体を丸め、
終始下を向いたまま・・・
はい・・
はい・・・
と返事をする・・・
鈴木課長は声を荒げて・・
はい、じゃないだろ!!! 俺を舐めてるのか!!!
聞いてるのか!!!
おれはお前に質問してるんだ!!!
何とか行ってみろ!!!
「え・・・その件は・・・
私も連絡を受けていなかったことで・・・」
お前はすぐに言い訳する!!
そういうところが幼稚なんだ!!!
Xさん・・蚊の鳴くような声で、
「はい・・・すみません・・・」
すみませんじゃないだろ!!!
何とか言ってみろ!!!
こんな攻撃が延々3~4時間以上。
その翌日・・・事件は起きた・・・
Xさん、仕事中に突然意識を失う。
救急車で運ばれる。
病院到着した時は、もう息が無かった。
Xさん44歳・・
特に持病も無く、原因不明の突然死だった。
大人しくて、真面目な人だった・・
奥さんと、2人の子供を残して・・
突然あの世に行ってしまった・・・
何たる事ぞ・・・
・・・続く・・・