私が中学生の頃、(今から約38年前)
ヨガに興味をもった。
今ではヨガは、ごく一般化しているが、
当時は、「 ヨガ 」と言葉は、
なにそれ??・・・だった。
最近は、
本屋に行けばヨガに関する本がたくさん置いてあるが、
当時は、本屋や図書館を探してもヨガに
関する本はほとんど置かれていなかった。
そういつた状況下で、ヨガに関する文献を、
各地の図書館を渡り歩いて、
難しい文献を読みあさった。
ひょっとしたら・・・
ヨガの修行をすれば、超能力者になれるかも知れない。
天才的な頭脳を持つことが出来るかもしれない。
一番最初に手にした本が、
F●K●著・「ヨガ飛翔の世界」だった・・
F●は、
山に籠って、断食などのヨガの修行を行い、
幼い時から病弱だった自分の肉体改造に成功。
強靭な肉体、精神、超人的な記憶力、を獲得し、
最終的には、経済的にも大成功し、裕福な生活をしていると
自称する男であった。
現実に、彼は、香港で行われた、記憶術世界大会で、
一位を獲得した男であった。
この本を読んで、ヨガに大きな関心を持った。
そして、ついには・・・・高校生のとき、
F●経営するヨガ道場に泊まり込んで、
一週間の断食を行うに至る。
当時としては、かなり高い金を支払った。
F●のヨガ道場で約2週間寝泊りしたのだが・・・
その中で感じたこと・・・・
あまりに酷い管理体制・・・
余りに無責任な指導方法・・・
ヨガに関する誇大なお話し・・・
F●本人は、一度も顔を出さず、
道場に泊まり込んでいる生徒達の指導や、世話は、
すべて学生のアルバイト一人に任せていた。
毎日、昼間はヨガ講師と名乗る女が入れ替わりで指導に
やって来るのだが、
ヨガ講師と名乗る輩には、
当時、私が図書館で多くの文献を読んで知っていた知識以上の
ものは何もなかった。
まだ高校生だった私でさえ、
F●という男・・金儲け主義の眉唾モノだ・・・・
と感じた。
精神世界には、
このような大言壮語の輩は多い。
だが・・・・ここで私は大きな事を学んだ、
苦行 (断食など)をしても超人にはなれない。
苦行をしても、悟りは開けない。
蛇や、動物のような恰好をして悟りが開けると思ったら大間違い、
ヨガに「 霊性 」とか「悟り」とかいつた意味を
求めることは危険だと感じる。
それを極論として信じている人は、
ごく普通の大多数の人のから見れば、
変人でしかない。
ただ、武道の修練と一緒で、
「それを通して、何かを学ぶ」
という意味に於いては、大きな意義があると思う。
人間が本来持っている力(自然治癒力)
を復活させるという意味では、大きな意義があると思う。
旨すぎる話や、突飛押もない、打出の小槌のようなお話は、
まず、疑って掛かることが大切だ。